第十三話 私の服装で彼氏に鼻血出させられるかな……






 私はスズ達と大きめなショッピングセンターに入った。





 「じゃあ先にどこ行く?」



 私はみんなに聞いた。



 「んーー、じゃあ……やっぱユニクロかな」



 久賀鈴衣ひさかすずえことスズがそう答える。



 「いいねー、やっぱまずは服屋さんだよねー」

 


 森野阿澄もりのあすみことスミも同調する。



 「それじゃあレッツラゴー!!」



 和澤小春かずさわこはることハルは元気に私の手を繋ぎ上にあげた。



 「……………」





 










 「ユウはどれ着る?」



 ユニクロに来てスミが服を見ながら私に聞いてくる。



 「もうすぐ夏だし、半袖Tシャツが欲しいかなー」



 私はそう言った。



 「おー、ユウの薄い格好は中々楽しみだな…」



 スズがニヤリと笑いながら私を見てくる。



 「え……何で?」

 「だって可愛いでしょ絶対!!めっちゃ見てみたい!!」

 「……そんなに?」

 「そうだよ!!ユウの薄い服の姿って至高の姿だよ!!!」



 ハルも目を輝かせながら言ってきた………



 「えー………」

 





 という訳で……





 私は今、半袖の白の半袖Tシャツと青のベルトなしデニムの短パンをもって更衣室の中にいた。




 「そんな私の格好を見たいのか………普通な感じだと思うけど………」




 私は備え付けのフェイスカバーを被り、着替えた。











 シャッ!!!




 「「「!!!」」」




 私がカーテンを開けて着替えた姿を3人に見せた。




 「ど、どうかな?」




 意外と恥ずかしいので少し赤くなりながら質問する……



 なんかサイズ小さかったかも…腹が少し涼しいし胸がきつい……




 「「「…………」」」




 「ん?みんな?」




 カシャっ!!!



 「!!」



 スズにいきなり写真を撮られた……



 「後で香月君に送っとくねー」

 「え!!?ちょっ!!?そ、それは……!!!」



 ガシッ!!



 「!!」



 私は思わずスズの手を掴んでいた。




 「いや、本当に恥ずかしいからやめてよ……/////////?」




 私はそう言っていた…



 いや、マジで恥ずかしいんだって!!!



 こんな素肌が露出された姿を見せるのは意外と…さ///




 「えー、でもめっちゃ可愛いよー?」



 スミはおっとりと言ってくる。



 え、ほんとかな…



 「とても大人なお姉さんみたいな格好で私も好きだよ!!!」



 ハルはそう言いながら抱きついてきた。




 「…………………」

 「香月君も好きなんじゃないかな……




 ユウのその姿」

 



 「え……」

 


 スミはそう言った。


 

 え……だってこんな姿ってなんか……私らしくないと思うんだけど……




 「あ、でも香月君以外もその姿に見惚れちゃいそうだしあまり人前で着ちゃうとよくないかも……」




 スズはふとそう言った。




 「…………でも、こういう服は意外とトーカにも見惚れさすことって出来るんだよね?」



 「「「え?」」」




 私は思わず聞いていた……





 「そう思うよ?」



 ニコリとスミはそう答えてくれた。



 「じゃ、じゃあ……今度服屋に来た時だけこういう露出多めなやつは着てみる…//////」



 「やっぱユウは可愛い!!!」



 ハルは私の頬にキスしてきた。



 「ちょっ!!!?流石にそれはっ…//////!!」

 「え、でも私もよくお姉ちゃん達にされるから……」

 「え、今でも?」

 「そうだよ!」



 ハルのその純粋無垢な無邪気な目を見て私は言葉が出ない……



 「じゃあ、これは買わない?」

 


 スミはそう聞いてきた。



 「…………あ」

 「どうしたの?」


 

 私はふと思って声を上げる。



 「いや、二人きりのどちらかの家にいる時にでも、着てみせることが出来るから一応買ってくよ」



 そうだ……何でこんな簡単なこと思いつかなかったんだろ…



 「おーー、いいじゃんいいじゃん、見せちゃいなよ!」



 スミはクスリと笑いながらそう同調してくれた。



 「あ、じゃあもう少し露出多めな服も探してみる?なんだったら下着とかも……いっちゃう♡?」

 

 「/////////!!!?」




 やっぱスミはハルとは正反対に大人びているな……



 見た目は普通の女子高生っぽいのに……



 どこかミステリアスでクールな所がある……



 「トーカは見たら喜んでくれるかな/////////?」

 


 私は顔を赤くしながらまた質問をした…




 「「絶対喜ぶ」」

 「可愛いんだもん!!」



 スズとスミが声を合わせ、ハルは元気にそう答えた……



 じゃあ………








 行かない手はないか。

















 一方ユウ達がショッピングをしている頃……




 「おらっ!」

 「おい、コントロール悪いぞ!!」

 「お前も人のこと言えねーだろ!!」

 「みんな上手くねーよ」




 伊織夕葉いおりゆうはの彼氏、"トーカ"こと香月燈火かづきとおかは友達のザ・体育会系の見た目をした邦山士郎くにやましろう、頭が良くお勉強キャラっぽい見た目の井山正孝いやままさたか、そして……一応オールラウンダーな柳田薫やなぎだかおると広い野原のある公園でキャッチボールをしていた。











 「あー!!動いた動いたー!!」



 士郎は日陰のある長椅子に座りペットボトルのお茶を飲んだ。



 「お前、コントロールマジで悪いな(笑)」



 士郎がトーカに言う。



 「しょうがねーだろ。あんまり投げんのは得意じゃねーんだからよ」



 トーカはそう決まりが悪そうに答える。



 「いや、さっきも言ったけどみんなコントロール悪すぎっから」



 薫は冷静にそうツッコむ。



 「そうだよ。やっぱみんな力任せに適当に投げすぎなんだよ。もうちょい力を抜いて冷静になげないと」



 正孝はそうみんなに言った。



 「「「そう言うお前がめっちゃ下手くそだったけどな」」」

 「そ、それはそれ!!しょうがないだろ普段やらないことなんだから………」



 3人にそう返され正孝は慌ててそう反論する。





 「……………」




 

 トーカは思っていた……




 「」(ユウは楽しんでるかな………なんか最近はユウとよく帰ってブラついて遊んでたからなんかこうやって会わないのって新鮮だわ……)




 「おいトーカ!!」




 バシンッ!!




 「いって!!何だよ士郎!!」



 士郎がボーッとしていたトーカの背中を強く叩いた。



 「また伊織のこと考えてたのか?」

 「はっ!!!!!?か、考えてねーから!!!別にアイツのことは微塵も思ってねーから!!何とも思ってねーから!!ただ寂しいとか、会いたいとか、声を聞きたいとか、触れたいとか、温もりを感じたいとか思ってねーから!!!!」




 トーカは熱くなるくらい反論した……



 いや、反論じゃないんだけど…




 「…………やっぱ伊織と会いたいんじゃねーかよ(笑)」



 士郎は笑いながら言った。



 「確かに伊織さんはとっても魅力的な人だってのは分かるけどさ」



 正孝も笑う。



 「でもあまり"いきすぎる"と少し反応に困るからその辺にしとけよー」



 普段あまり笑わない薫も微笑みながらそう言った……



 「…っ/////////と、とりあえず!!!今度はバスケするぞ!!!」




 トーカは赤くなりながらそうデカい声で喚いた(笑)。



 おっと失礼……語り手でも笑ってしまうくらい誤魔化すのが下手なのでつい…(笑)




 ともかく、トーカは夕葉がいない所では友達に"いつも"こうイジられている。



 それほどトーカは夕葉……ユウのことが"大好き"だった。







 











 シャッ!!!




 「おー//////!!」



 カシャっ!!



 スズが写真を撮る。



 「/////////」

 



 私は水着屋さんで白の三角ビキニを着ていた……



 そして……




 「どお?可愛い♡?」




 隣ではスミがノンワイヤービキニを着ていた……



 恥ずかしい



 恥ずかしいけど……



 それを写真で撮ってもらった。



 多分、トーカに見せるだろう…




 喜んでくれるかな……




 と言うか鼻血出させられるかな…(笑)





 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る