第十二話 死ぬまで言われたくない言葉〜同性だけにしか話せないこと…〜
「ねぇユウー」
ある日の午前中の休み時間、私は同クラスの友達、
今日は午前中だけで早く授業が終わる日だった。
「どうしたの?スズ」
「今日は放課後暇?」
「あー、暇だけど……」
「あ!!それじゃあ今日は遊べるかな?
「おー、良いよー」
「やった!!じゃあ今日は久しぶりに遊ぼうね!!」
そうして私は涼衣達と遊ぶことになった
女子友達と遊ぶこと自体久しぶりだなー…そう言えば…
「という訳だから今日はスズ達と帰るね」
私はトーカにことの次第を伝えた。
「おー、分かったー……じゃあ、楽しんでこいよ!!」
トーカは嬉しそうにそう言ってくれた……
「え、トーカ……何か嬉しいことでもあった?」
「え?何で?」
「だってなんか嬉しそうな顔してるから」
「だって嬉しいだろ」
「え?」
「ユウが友達と遊ぶなんてさ!!」
「……………」
「いつもは俺が友達と遊ぶばっかり別で帰らすことの方が多かったろ?だから今回はお前が遊ぶって立場がなんか嬉しいんだよ」
そうニコッとトーカは笑った。
「…………私、そこまで可哀想な感じで見られてた?」
「!あ、違うよ?別にそんな悲しい人とかとは思ってないよ?」
「……………」
「ただ生きてて楽しいのかな?的なことは思ってただけだよ?」
「殴るよ?」
「ち、違う違う!!その、一人が好きなのかなってさ!!」
「理由が変わりまくり過ぎ」
私はジト目でトーカを見た。
「あ………いや……」
「まぁ、一応トーカが言ってることは当てはまってるから認めるけどさ………でも私は………」
私はふと黙る……
「ユウ?」
「誰かさんのおかげで私はいっつも幸せなんだよ?」
そう笑顔で言ってやった。
「」
と言う訳で今回は私が放課後にスズ含む、女子友達と遊ぶ話です。
ゴゴゴゴゴ……ガタンっ!
シュー…
私は鈴衣、そして、他の二人の違うクラスの友達、
「ショッピングなんて久しぶりだよ〜」
阿澄がショートの髪をいじりながらおっとりと言う。
「本当だよね!と言うかー……」
小春が私をじっとりと見つめた。
「え」
「ユウと遊ぶこと自体久しぶりなんだけど!!」
ダキッ
そして小春は私に抱きついてきた。
和澤小春……
茶髪のボブにした髪型で左目の下に泣き袋があり、顔は凛々しい感じがある背の高いお姉さんタイプな見た目なんけど……
「わっ!ちょっ…!!」
「やっぱユウってめちゃくちゃいい香りするー……しかも優しー香りー」
実際は三姉妹の一番下で生粋の甘えっ子だ。
「だよねー」
そう言って鈴衣も私に抱きついてくる。
「やっぱユウの匂いってめっちゃ大好きな匂いなんだよねー」
そう私にスリスリと頬を当ててくる。
「そ、そうかな………みんなの香りも普通に好きだと私は思うけどな」
トーカによく『いい香りいい香り』って言われるけどそこまで自分の香りを良いと思ったことはない。
柔軟剤の影響か?
「どんな香りがするの?」
私は思い切って3人に聞いてみた。
正直、トーカに聞きづらい質問でもあるんだよな……
「え?"フローラルさ"と"柑橘系さ"と………後は"泡"みたいな香りかな。それが綺麗に調合されてできたみたいな」
と、阿澄が答えた。
「あ、それそれ。私もそう思った!」
「やっぱ一つの匂いでは表しづらいよねー」
スズとハルも同調した。
あ、ここから阿澄はスミ、小春はハルって呼びます。
いつもの呼び方なので。
「泡みたいって何なの……」
私は少し間が抜けた感じで聞いた。
「なんて言うか………シャボン玉みたいな?」
スミは考えながら答える。
「え?シャボン玉?」
「ほら、なんか"シャボン玉っていろんな香りにもなれる"じゃん?あ、"いろんな香りのものがシャボン玉になるって感じ"かな?」
「………あー、シャンプーやボディーソープ、洗剤に関わらず、いろんな液体でも……例えば醤油や牛乳とかでも泡立つとシャボンができるってこと?そして、割れた時はどんなものでも匂いが香るから私の匂いを表すのはそのいろんな液体が混ざったシャボン玉の割れた時の匂いって言いたい感じ?」
「おー、さっすがユウ!理解が早い!」
スズは笑って言った。
「やっぱただの理屈バカじゃないね!!」
ハルも無邪気に言う。
「理屈バカって………私はそんな何事も細かく理論立てるような面倒な所があったりする感じ?」
私は頬を少し膨らませながら言った。
「た、偶に思うだけだから!!つ、つまりは美人って言いたいの!!」
ハルは慌てて訂正しようとしてたが全く訂正できてなかった。
「どうして理屈バカが美人になるのよ……」
私は呆れながらハルをジト目で見た……
「なんて言うか……お姉さんみたいな?」
「あ、分かる分かる。ユウって可愛いと言うより美人って感じだもんね」
スズもハルの言うことに同調しする。
「お姉さん………でも、私は妹だけどね。"あの兄"の」
「ははっ、まぁ私達からしたらユウは1番大人びていて何事も冷静に対応しようとする"頑張り屋"なお姉さんだよ?」
スミが微笑みながら私を見てくる。
「ま、まぁ…………ありがと…////////////」
私は手で口元を隠しながら素直にお礼を言った。
素直に嬉しかったので口元が綻んでいたから口元を隠していた……
だってなんか恥ずかしいから……
「「「」」」
「…………………ん?みんな?」
私の言ったことに返答がなかったのでみんなの顔を見ようと目を向けたら……
「「「………//////」」」
3人とも顔を赤くして何とも言えない表情をしていた。
「え、どうしたの?」
「訂正するね……ユウは"やっぱ"可愛くもあるよ」
「は……////!?」
ハルが訂正したことに私は少し動揺した……
ど、どっちなんだよ……可愛いって言われたり美人って言われたりさ……
正直、どっちもとっても言われて嬉しい言葉だから……
あ、あんまり真正面から言われると照れちゃうからあまりいじんないでほしいのに…!!!!
「あー、本当に香月君は幸せ者だよー」
スミは顔を赤くしながら私に言ってきた。
「////!!!!!!…………」
「」(あ、慌てて否定するかな?)
「」(デレるかな?)
この時のスズとハルの私の反応についての予想は………
「私はもっとアイツの隣にいれるような人間になりたいから……だから……今より幸せにさせたいと"一生思う"と思ってるから……その"あの人は相手に恵まれて幸せ者だよ"的な言葉は……す、素直に"喜びたくはない…////"多分、死ぬまで言われたくない言葉かも…//////」
と、照れながら捻くれた答えをしてしまった……
だってそうなんだもんっ…!!
「「「」」」
カアァァァァァァァァ!!!!!!
と言うことで4人の女子高生達は電車の中でめちゃめちゃ赤くなっていた。
いや、本当のことだからこう答えただけなんであまり答え方がおかしいことには触れないでください……/////////
「………………」
「おい香月くーん、やっぱ伊織とのデートをしたかったのかー?」
「そう言ってやんなよ。燈火は俺達みたいなムサイ男どもとは二味以上違う良い思いをしてんだからそりゃあこうなんだろ」
香月燈火は今回、夕葉と帰らないということで他の部活が休みだった、
ザ・体育会系の見た目をした
頭が良くお勉強キャラっぽい見た目の
「お前ら、こんな学生ホールにいつまでもいないで遊びに行くんだったら早く行くぞ」
と、燈火の幼馴染の
「…………はぁーー……」
燈火はさらに深いため息をついた。
※次回に続く
完
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