私の家での彼氏とのとある一日

今日は私の家で過ごした一日を教えます



 「なー、ユウー」

 「何?」

 


 日曜日の午前中…



 私とトーカは私の家にいた。



 テストが近いので一緒に勉強をしている。



 「どうしてユウはそんな髪の毛が綺麗なの?」

 「手入れしてるから。以上」

 「えー?でも、めっちゃサラサラして触り心地がいいし肌もほっぺがプニプニして凄い柔らかいし無駄な贅肉もないし胸だって大きいし……」

 「アンタは何でそんなセクハラ発言をいつもする訳?」



 私はトーカをギロリと見た。

 付き合ってるとはいえ、こんなことを普通に声に出して言われると少し恥ずかしい。




 「あ、わ、悪い」

 「それじゃあ勉強……」

 「なぁ、ユウ」




 コイツ、勉強したくないからって無理やり話を逸らそうとし過ぎだろ…




 「何?」

 「何でユウはそんな完璧超人なの?」

 「はぁ?どこが…」

 「だって頭いいから」

 「別に頭は良くないから。言うんだったら『ただの一般人が努力をしたその先』なだけ」

 「あー、なるほど…」

 「で?それが?」

 「お前って本当に何にでもなれそうだよなって」

 「考えたこともないよ」

 「えー、そうか?俺はそう思うけどなー」

  




 私は少し考えた……





 「まぁ、何でもいいんだけどね」

 「……………」




 トーカは頬杖をつきながら私を見つめてくる




 「だ、だから何?」

 「そういや最近、俺の家で将来の夢について語ったじゃん?」

 「語ったつーか、笑い合ったんだけどな」

 「まぁともかくよぉ……お前って今は何に興味があるの?」

 「え………」



 興味……


 

 って何を分かりきったことを。




 「アンタ、"私の部屋を見れば"分かるでしょ?」

 「あ、そうだった(笑)。いやー気づかんかったー」




 何を言ってんだコイツは……

 そう、私の部屋は天体望遠鏡、宇宙飛行士のポスター、自宅で使えるプラネタリウム、人工衛星の模型と色々な宇宙に関するグッズが置いてある。



 「いやー、ここまで女子力を感じられない部屋はあんまり見ないよ」

 「うるさい。女子力関係ないでしょ。好きなものなんだから」

 「別に好きなことに疑問はぶつけてねーよ(笑)」



 自分でも分かってる。

 ここまで宇宙が好きなのはその……



 「それじゃあユウは将来宇宙関連の仕事かな?」

 「どうでしょうね」



 ただの趣味だから絶対これになりたいとかってのは本当に決まってない。



 「てやっ!」

 


 ポスっ!



 「!!」



 突如、トーカが私の頭に透明なアクリル製のヘルメットを私に被せてきた。

 これは、パーティ…と言うかコスプレ用の宇宙飛行士のヘルメットとして私が前に買ったものだ。

 ただの透明な穴が空いた球体なので本当に柄がついてない金魚鉢みたいなものだ。



 「おっ、不意打ち成功したわ」



 トーカはクスリと笑いながら私を見て笑った。



 「あ、夕葉宇宙飛行士が惑星伊織家に駐屯基地を作っております(笑)」

 「……………」



 私は勉強を全くしたがらないトーカに少し呆れを感じながらヘルメットを頭から脱いだ。



 「あー、何だよ脱ぐなよー、なんか面白いのにー」

 「じゃあ、アンタが勉強をしてくれたらその内被ってあげる」

 「あ、じゃあいいや」



 トーカは一瞬で意見を翻した。



 「アンタ……そんな勉強したくないの?」



 私はトーカに聞く。



 「いやー、そうだな。めんどい」



 素直なことで……



 「じゃあ、分かったよ。少し話す?」

 「おっ、マジ?」

 「アンタのせいで私も集中力切れたし」

 


 実際3時間と少しは勉強したしね……



 「それじゃあ外の公園でバドミントンしない?」

 「話す?って聞いたのに動くんだ」



 コイツはすぐにコロコロ変わるな…



 「あ、動きながら話すってのはどう?」

 「まぁ、何でもいいよ(笑)」



 私はクスリと笑いながらトーカの意見に賛同した。



 「あ、待って。やっぱ先に何か食べない?」

 「流石に意見を変えすぎだろ」




 私はトーカをジト目で見た。








 ジューー…




 カッカッカッ




 私達は炒飯を2人前作った。








 「うっめ!!」




 トーカは美味しそうに食べている




 「…………」



 私もモグっと食べた



 「あ、美味し」



 確かに美味しいと思う。


 具材はピーマンや魚肉ソーセージを入れたりしてみた。



 「なぁ、俺達店開けんじゃね?」

 「どうだかな。アンタは野菜を不恰好に切ったくらいしかやってないでしょ」

 「えーー?でも一応役に立ったっしょ?」

 「そうかもね」

 


 私達はそんな話をしながらモグモグと食べていた。



 因みに今日は両親は出かていて私の兄の伊織悠人いおりゆうとは大学の友達と遊びに行ってる。



 なので家には私とトーカしかいない。



 「なぁ、ユウ」

 「ん?」

 「お前はもう部活はやるつもりないの?」

 「それを言ったらアンタもでしょ」



 一応、私は陸上部長距離でトーカはサッカー部に入っていた。



 「お前って足早かったよなー」

 「アンタもね」




 一応、私達は全国大会に出た事もある。

 たまたま通っていた学校がそれぞれの部活の強豪校ってなだけあって普通に練習がバカキツくて嫌でも強くなったって感じだ




 「お前、今からでも部活に入るのは遅くねーと思うぞ?」

 「……………」

 「俺はお前が頑張ってる姿をまた見てみたいんだよな!」




 そうトーカは笑ってくる……

 私は上手く返事を返せなかった。

 でも私ももう一度走りたいとは思ってる……

 



 と言うか正直、高校に入ってからもよく走ってはいる……




 「アンタはもうサッカーはやらないの?」




 私は何とも言えなくて質問を質問で返してしまった。




 「俺?まぁなー、全く未練がないと言えば嘘になるけど今はしたいとは思わないかなー」

 「……………」




 まぁ、陸上とサッカーはまた競技内容が別だしね……



 「あ、それか俺も陸上に入ろっか(笑)?」

 「!!……………いいよ。私も今はやるつもりはないから」

 「…………まぁ、大学でもやろうと思えば出来るもんなー」

 「え、アンタも大学行くつもりだったんだ」

 「え?」




 と、そんな話をしながら私達は昼ご飯を食べ終えた。



 そして、外で少しバドミントンで動いてその後、勉強を始めた。



 



 「なぁ、ユ…」

 「勉強しろ」

 



 トーヤは集中力がもう完全に切れたみたいで、もう私に話しかけてきてばっかだった。



 

 「あー、俺もユウみたく頭よくなって没頭できる趣味を見つけていい人生送りてー」



 トーカは伸びをしながら私を見て言った…




 「…………一応持論だけどさ」

 「ん?」



 「もし理想な生活を手に入れていたら今よりももっと渇望した人生を送ると思うな」




 私はノートに書いていた手を止めてトーカを見た



 「」(あ、この感じ…)



 トーカも何かを察したのだろう…

 私を見て動きを止めた



 「だって、生物は一度できたことがあったらそれより上を目指そうとする生き物なんだから」

 「あー、それはそうだな」

 「だから、【限界】って言葉はある物事を覆されるためにある指標みたいなものだよね」

 「……………」

 「つまりは今、求めてる理想の生活を【求めたまま】の方が幸せな人生ってこともあるよねってこと」



 私は不意に思ったことをトーカに言った。



 「……それは言えてんな」



 トーカは相槌を打って…



 「お前って何でそう語彙力が豊富なん?」



 更に笑った。



 「さぁ?それは自分でも分からない」




 クスリと私も笑った。




 でも、正直こんなこと言った割には私も……何かを求めてる気がする…




 「まぁしっかしよー」



 「ん?」




 「矛盾はするけどお前と一生を送れることが一番いい人生だと俺は思うけどな!!」




 ニッと笑いながらトーカは言ってきた…




 「///ば、バーカ//////」





 私はいつも通り顔を赤くした。




 そうしたちょっとした1日だった訳…







 続

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