第30話 ライバル宣言
珍しい3日連続のオフが明け、部活が再開した。私が居る女子バスケ部は、全国に行くくらいの強豪とはいえ、長時間の練習はほとんど無い。
今日も午前中で練習は終わるけど、私は自他ともに認める朝が苦手なタイプ。早起きした後の部活ほどきついものは無いのだ。
「おはようございます
「おは…ふわぁ……よ〜」
後輩ちゃんからの挨拶に、
「おはようございます、
「あ、すーたん!」
練習の準備をしていると、すーたんこと
とにかく、今日はすーたんに聞きたい事がある。
「すーたん、部活終わりにさ、ちょっとだけ聞きたい事あるんだけどいい?」
「……?いいよ?」
すーたんは首を傾げながらも、OKって言ってくれた。それもそのはず、私達はクラス違うし、普段は練習中くらいしか話す機会が無い。話すと言ってもバスケのことがメインで、世間話なんて滅多に話さないから、2人きりで聞きたいことがあるなんて言ったら不思議に思うよ。
◇◆
「中学校のテストでしょ?たしかに、私がずっと学年1位で
最後にちょっとだけ、悲しそうというか、何とも言えない暗い表情を見せたすーたん。そっか、記憶を失ったのが中学2年の夏休みだ。
「そう。2年の2学期からは違う人が2位を独占した。違う人って言っても、
「
ちょっとびっくりした。たしかに頭良いって事は知ってるけど、すーたんと張り合うくらいの学力持ってるんだ。なんなら、中学最後の学年末テストで斉藤くんに負けたらしいし。
「あ、そうだ!『伝説壊してごめんだけど、二十日との約束だから』って言ってたような?」
「それ!詳しく知らない!?」
それだ。勘だけど、その「二十日との約束」ってめちゃくちゃ重要な気がする。
「そういえば言ってたくらいしか覚えてないから、礼紋くんに聞いた方がいいかも!」
「そうだよね、ありがと!」
約束なんて聞いた事無いし、記憶喪失について斉藤くんに聞いた時もそんなこと言ってなかった。もう1回、聞いてみようと思う。覚えてるかどうかは別として。
「……世麗ちゃんってさ、二十日くんのこと好きなの?」
「ん〜?……え、え!?」
少し無言の時間が続いた後の、唐突な質問だった。落ち着け私、まだ聞かれただけだ。
「ど、同居はしてるとはいえ私は……」
「私は好きだよ?」
――え?
「私は二十日くんの事好きだよ?中学の時から」
すーたんのその告白に、さぁーっと血の気が引くような感覚を覚えた。鼓動が明らかに速くなってる。
「もっと自分の気持ちに素直にならないと、私みたいな人に取られちゃうよ?」
少し微笑んで堂々とそう言ったすーたんに対して、
――私は、心の底から焦っていた。
◇後書き◆
にいなが「後書き」なんて珍しいな!と、思ったそこの読者の皆様。自分でもびっくりしてます。
わざわざ皆様の読書の時間をお借りして、この後書きを書いたのは深い訳がございます。お気付きになった方はいらっしゃるかもしれませんが、
【祝!30000PV突破感謝!】
でございます!本当に、感謝感激でございます。
まだこの「ぶいせん(ぶいまー)」を公開して1ヶ月も経ってないよ?と心臓バックバクでして。これはもう、行ける所まで行っちゃいましょう。
今後も、「VTuberとして数千万稼ぐ陰キャ学生の俺が、最強ゲーマーとして名高い陽キャ美少女と同居を始めた話。」、略して「ぶいせん(ぶいまー)」をよろしくお願いします!
にいなでした。
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