第217話サンダーバードの巣8
ーサンダーバードの巣・月兎サイドー
「今日から月兎には俺達の密猟者の捕獲についてきてもらうことにする。」
(いよいよか。)
サンダーバードの巣に来てから三ヶ月遂に月兎が実践に出る日がやってきた。
「今日からみどりの修行がエリックに変わるからジョーンから指示を出されたら俺が月兎を密猟者の所まで運ぶよ。」
「分かりました。」
こうしてエリックとみどりが修行をしに向かいしばらくすると
「来たよ。北から五人組。車で移動してるね。」
ジョーンが月兎とマイケルの元に密猟者を教えに来た。
「良し!いくぞ月兎!」
「はい!」
ジョーンからの情報が来たマイケルと月兎は直ぐに家から出るとマイケルがグリンを着て月兎を掴んで空に飛び立った。
「月兎聞こえるか!」
「はい!」
マイケルの飛ぶ速度によって起こる風によって声が聞こえずらいなか作戦会議を始める二人
「俺が車の上に月兎を落とすから月兎はアレをやるんだ!」
「分かりました!」
「密猟者達を捕まえるのはなるべくで良いからな。一番大切なのは自分の命。もし危なくなったら迷わずヤれよ。」
「了解です。」
そうこうしている間に気が付けば密猟者達の車の上についていた。
「じゃあ行くぞ!」
「はい!」
そう短いやり取りの後マイケルは月兎を空中で離した。すると月兎は車に向かって落ちながら身体に赤いもやを纏った。そしてそのまま車に落ちると車が
ドカン!!!!
と爆発を起こした。
「流石に痛いな。」
ボロボロになった車からもやを纏った月兎がそう独り言を言いながら出てきた。車から完全に離れる頃には月兎が纏っていた赤いもやも無くなってしまっていた。
「まだ使える時間が短いな。完璧に三日月の形にもならないし。」
そう半生をしている月兎の元にフードを被った人間が五人現れた。
「おい!もうバレてるぞ!」
「こうなればコイツを殺して逃げるしかないぞ!」
五人はそう短く話し合うと月兎を囲み一斉に襲い出した。
「死ね!」
バン!バン!バン!
月兎の正面にいた密猟者は銃を出し月兎を撃ったが月兎は戦斧をだし銃弾を防いだ。
「な!?」
「おりゃ!」
銃弾を何処からか出した斧で防がれたため思わず驚いた密猟者に月兎は戦斧を投げつけまず一人を片付けた。
「ガハッ!」
「一人目!」
斧を投げ月兎の武器がなくなったと判断した他の密猟者達が一斉に襲いかかってきた。
「死ね!」
「それしか言えないのかよ!」
襲いかかってきた密猟者の攻撃を何とか転がりながらかわした月兎が手をだすとさっき倒した密猟者に刺さった斧が月兎の手に戻ってきた。
「何だと!?」
「どんどん行くぞ!」
独りでに戻ってきた斧に反応が遅れた密猟者に月兎は飛びかかりさらに一人を斬り倒した。
「おい!どうする!?」
「こうなりゃバラバラに逃げるしかねぇだろ!」
既に二人が殺られた為残りの三人がバラバラに逃げようとしたが
「おっと、それはさせないぞ。」
と今まで飛んでいたマイケルが降りてくると風の結界を作り密猟者達が逃げられないようにした。
「なんだてめぇ!」
「お前達を追い詰めてるやつの師匠だよ。」
「なんだとぉ!?」
「ふん!」
「がっ!てめぇ後ろから切りやがって!」
マイケルに集中している密猟者がいたので月兎が迷わず後ろから切ると切られた密猟者は文句を言いながら気絶した。
「安心しろ麻酔毒のために切ったが死ぬほどじゃない。まぁ聞いてないか。」
倒れた密猟者にそう言うと残り二人の密猟者を見る月兎。しかしいつのまにか一人は見えなくなっていた。
「もう一人は何処に行った?」
「探してみろ。」
そう軽く話した後、密猟者はマチェーテを出すと月兎に切りかかってきた。
「ふん!」
「早!危ないだろ!?」
「殺し合ってるんだ!当たり前だろ!」
マチェーテをブンブン振り回す密猟者に対して月兎は重みがある戦斧であるため防戦一方になっていた。
更にそこに
「!!あぶな!?」
「チッ!」
さっきいなくなった筈の密猟者がいつの間にか月兎のすぐそばに来て月兎を斬ろうとしていた。
「嫌なコンビだな。」
「今は褒め言葉だと思ってるよ。」
思ったより手こずってしまっている月兎は次の手に移るのだった。
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