第218話サンダーバードの巣9
ーサンダーバードの巣・月兎サイドー
「チッ!素早いな!」
初めてサンダーバードの巣に来た密猟者と戦うことになった月兎だが密猟者のコンビネーションに手こずっていた。
「おりゃ!」
マチェーテを振り回す密猟者に斧を投げつけた月兎だったがかわされてしまいその隙に気配を消した別の密猟者に襲いかかられた。
「あっぶな!」
生命の池で捕まえた密猟者達と比べ物にならない強さの密猟者に月兎が冷や汗をかいているとマチェーテをもっている密猟者が月兎にマチェーテを振るった。
「避けろ!」
「!!」
「チッ!」
密猟者のマチェーテが月兎の命を刈り取る寸前に、気配を消していた密猟者がそう叫んだためマチェーテを振るっていた密猟者が急いでその場から飛ぶと密猟者がいた場所を月兎が飛ばした斧が戻ってきて通り過ぎた。
「もうちょっとだったのにな。」
戻ってきた斧を手に取りながらそう笑う月兎に姿を消した密猟者が近付くが途中で倒れ込んでしまった。
「あ、そこにいたんだ?」
「何故だ、まだこちらは怪我をして無い筈だが。」
「俺は毒も使えてね。毒を使わせてもらったよ。」
そう倒れた密猟者と話していたらマチェーテを持った密猟者が後ろから斬りかかってきた。
「危ないな。」
「今しかないと思ってな!」
と言いながら力まかせに月兎を押し込む密猟者だったが
「そうはさせないがな!!」
月兎がマイケルに落とされた時とおなじ赤い靄を着てマイケルを押し返した。
「悪いけど時間無いからさっと終わらせるぞ。」
月兎はそう言うと密猟者のマチェーテを切ると
「なんじゃこりゃ!」
と驚いている密猟者に腹パンをし密猟者を気絶させた。
「片付いたか。結果はまあまあかな。」
全ての密猟者を月兎が片付けたのを見たマイケルが月兎にそう話し掛けてきた。
「生命の池に来た密猟者達より手強かったです。」
「この場所は密猟者の中でも手強い場所だからね。来る奴らも凄腕なんだよ。」
そう月兎納得していると
「【アーマー】はまだまだだったな。一瞬だったし【アーマー】が三日月のかたちに成ってなかったぞ。」
そんな月兎を無視しながらマイケルは月兎の【アーマー】を評価した。
「そうですね。パワーアップはしてるんですけど…。」
「【アーマー】はインディアンの奥の手だぞ?そう簡単に覚えられる筈がないだろう。まぁあの靄だってテンポが早いんだ。あんまり焦るなよ。」
そう月兎を慰めながら密猟者の治療をしてまわったマイケルは密猟者と月兎をつかまえると家路についた。
「ただいま~。」
「ただいま戻りました。」
家に戻るとマイケルは月兎に休むように言い自身は密猟者達を牢屋に連れていった。
「どうだった?」
「かなりキツかったです。【アーマー】も使いこなせてなかったですしいままで戦った人間の中でもかなり手強かったです。」
そうジョーンと月兎が話しているとジョーンが
「また来たな。行けるか?」
と月兎に聞いてきた。
「はい、行けます!でもマイケルさんは?」
「行けるぞ。」
「良かった。次は西から来てるぞ。」
「分かった。行くぞ。」
「はい!」
こうして月兎とマイケルは密猟者を捕まえて、家に運んで、捕まえて、運んで、捕まえてを何度も繰り返すことになった。
「はぁ~~~~疲れた。」
「ただいま~~!」
その日の夜。月兎がソファで横になっているとみどりが修行から帰ってきた。
「疲れてるね~。大丈夫?」
「めちゃめちゃ疲れたよ。今日だけで十二人捕まえたからね。来すぎだよ。」
月兎がそう話しながらみどりをチラ見するとみどりは全身砂まみれだった。
「砂まみれじゃない?」
「そ~お?確かに走り回ったり弓術だけじゃなくて体術もしたから汚れちゃったかも。」
「ご飯前にお風呂はいったら?」
「だね!入ってくる!」
そういってみどりがお風呂に向かった後今度はジョーンがやってきた。
「月兎。何か食べたいのはある?」
「いや、特には無いです。」
「了解。まぁ精が付く料理にするよ。」
「お願いします。後みどりが汚れたんでお風呂入ってます。」
「分かったよ。マイケルとエリックにも言っておく。」
こうして月兎は少しの間睡眠をするのだった。
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