第215話サンダーバードの巣6
ーサンダーバードの巣・月兎サイドー
「ほらほら!頑張れ頑張れ!」
「クッ!三日月!大丈夫か!?」
「グワ!!」
月兎の修行が始まってしばらくたった今日、月兎と三日月はマイケルの相棒であるグリンがおこす風に一緒に逆らっていく修行をしていた。
「こんなの台風みたいな風だぞ!」
グリンがドンドンと月兎と三日月へ風を当てていき月兎がかなりキツそうにしていると三日月が月兎の前へいき月兎を風から庇いだした。
「!三日月大丈夫か!?」
「グッ!」
三日月のおかげで月兎に余裕ができるとそれを察したグリンは更に風を強くした。
「ガ、グガァ…。」
流石の風の勢いに三日月も押されだしてきた。
「どうする?三日月も耐えられなくなってきたぞ!?」
月兎達の様子を見ているマイケルがそう月兎を煽りはじめた。
「三日月!ちょっと待ってて!」
月兎はそう言うと三日月の上に乗った。
「よし三日月!後ろに勢い良く火を出すんだ!」
「グルァ!」
月兎にそう指示を出された三日月は月兎に言われた通りからだの後ろから火を出すといくらか楽になった。
「火の勢いで突破する気か!できるならすれば良い!」
月兎の狙いに気づいたマイケルは特に対応策をねるわけでもなくむしろ月兎を煽った。
(出来ないと思ってるな!)
マイケルの思ってることを察した月兎は内心若干キレながら三日月が憑いている斧を出すと少し大きくし三日月の上からオールのように地面をさしながら三日月が前に進むのを手伝っていった。
「良いぞ!」
「グルァ!」
順調にグリンへ近付いていく月兎と三日月だったが三日月のガス欠とグリンへ近付いた事での風のパワーアップによって一歩も進めなくなってしまった。
「この距離なら…良し、いけるな。三日月!最後に圧縮した火をグリンに浴びせてやれ!」
月兎はさっきから若干某ゲームみたいだなと思いながらもそう指示をを出した。すると、
「ガァ!!」
三日月は月兎の指示通りに口元に火を集めて圧縮をしだした。
「ガ、ガァァァ!!!」
三日月が圧縮して集めた火はいつものような赤ではなく青くなっていた。
「良し!三日月!グリンに向けて圧縮した炎を放ってやれ!」
「ガァ!」
月兎の指示により三日月から放たれた炎はグリンの風などものともせずにまっすぐグリンへ向かっていった。
「!!グリン!本気で吹き飛ばせ!」
「ピューイ!」
さすがにグリンも怪我をするレベルだと察したマイケルがそう指示を出すと今までの風とはレベルが違う風が吹き荒れ三日月が放った炎も吹き飛んでしまった。
「くそっ!」
「ガァ!」
そんな勢いの良い風を真正面から受けた月兎と三日月は吹き飛びこそしなかったが後ろへどんどん引きずられていた。
「いきなりこれなら大したもんだよ。」
なにもできずにただただ押されている月兎達の前にそうマイケルがやって来たが何故かマイケルは普通に歩いてきた。
「なんで歩けるんですか?」
「俺には風が来ないからな。グリンが避けてくれてるんだよ。」
マイケルが前にきたことで楽になった月兎が聞くとマイケルはそう答えた。
「で、評価はどうですか?」
「さっきも軽く言ったけど一回目でここまでいくのは凄いよ。しかもグリンを攻撃したのが良い!他にこの修行をした奴らはどうにかグリンの元に行こうとするからな。最初から攻撃をしようとするのは高評価だ。」
マイケルに評価を聞いた思ったより評価が良く月兎はそう褒められ喜んでいると
「だが、確かに三日月の後ろから火を出して風に対抗するのは良かったがガス欠が早すぎる!あれが本当の銭闘だったら負けてたぞ。それに場所や場合によっては火が使えないこともあるから気を付けるように。」
と改善点も多くあることがマイケルに言われて分かった。
「まだまだだな。三日月、頑張ろうな。」
「ガァ!」
今回の修行を経て更に結束が強くなった月兎と三日月なのだった。
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