第214話サンダーバードの巣5
ーサンダーバードの巣・みどりサイドー
「司令官ですか。」
ジョーンから出された選択肢を考えるみどり。しかし自分が誰かに指示を出すと言うのが想像できなかった。
「今は私こんなんですけど普段は良くふざけてますよ?そんな私に司令官が向いてるとも思いませんけど。」
そう笑ながらみどりがジョーンに普段の自分の事を話すと
「それもチーム内での会話が生まれると思えば悪いことじゃないよ。まぁとりあえずやってみようよ。それで合ってなかったら辞めれば良いし。」
と言われたのでとりあえず修行をはじめるみどりだった。
ーサンダーバードの巣ー
「はぁ~~~!疲れた。」
初めて修行をした日の夜、みどりはテーブルに頭を乗せながら休んでいた。
「今夕飯を作るよ。」
疲れたみどりとは対照的に元気なジョーンは夕飯を作りに台所へ向かった。
ガチャ
「ただいま!」
「戻りました~~~。」
ジョーンが夕飯を作っている間に離れた場所で鍛えていた月兎と月兎を見ていたマイケルが帰ってきた。
「はぁ~。」
修行から返ってきた月兎はみどりのようにテーブルにぐったりとしていた。そしてそんな月兎を三日月が心配そうに眺めていた。
「あれ?三日月出したままだよ?」
頭だけ月兎の方を向いたみどりがそう月兎に言うと
「うん。マイケルさんがしばらく三日月を出したままにして一緒に生活をしろってさ。修行の内容も三日月を抱えたまま走ったり筋トレしたりたいへんだったよ。」
と月兎は返した。
「そっちはどうだったの?」
そう月兎に聞き返されたみどりは
「私はひたすら植物と話してたの。ジョーンのトーテムポールとは違って私の能力は対話だから情報収集に若干のラグがあるんだけどそれがダメみたいでただひたすら会話をしてたわ。」
と自分の修行内容を月兎に教えた。
「お互い大変だな。」
「確かにね。」
「今さらといえば今さらなんだけど三日月って一応幽霊なのになんで重んだろう。」
お互いを励ましながらも月兎はそんな疑問を口に出した。
「それはそうじゃなきゃ幽霊が何もできなくなっちゃうもん。攻撃とかにも重みは必要だから幽霊だって重いんだよ。」
「そんなもんか。」
そうみどりに言われ月兎はそんなものかと思いながら三日月を撫でているとジョーンが
「夕飯が出来たよ!」
と言いながら料理を持ってきた。
「あっ。手伝いますよ。」
「いいよいいよ!二人は疲れてるだろうから座ってて。」
手伝おうとした月兎とみどりだったがジョーンは二人に休んでるように言うとドンドン料理を持ってきた。
「食べるか~。」
「お腹空いたな。」
ジョーンが料理を全てテーブルに置き終わるとマイケルとエリックがテーブルにやって来た。
「じゃあ食べるか。」
「「「「「いただきます!!」」」」」
月兎とみどりは疲れていて今にも眠ってしまいそうだったが食事が始まると無言でバクバク料理を食べだした。
「良い食べっぷりだね。作ったかいがあるよ。」
「そりゃあ修行してるんだ腹も減ってるんだろうな。」
「若いって良いな。こっちまで胃もたれしそうだ。」
どんどん食べる二人を見ながら笑っていたジョーン・マイケル・エリックだったがジョーンがいきなり
「チッ!密猟者が来た。」
と言った。
「じゃあ撃ち抜こうか。」
そう言いながらエリックが席を立ったがマイケルがそれを止め
「今日は一日中エリックのおっちゃんが密猟者どもを捕まえてくれてたんだ。俺が出るよ。」
そう言うやいなやグリンを着ると空へ飛び出していった。
「全くアイツは場所を聞かずに飛び出しやがって!」
あっという間に出ていったマイケルにジョーンはそう文句を言いながら自分の部屋へ飛び込むと鳥型のトーテムポールをもってくると空へ放った。
「おい!聞こえるか!…ああ!場所は双子岩のところだ急げ!」
しばらくすると鳥型のトーテムポールがマイケルに追い付いたようでジョーンは誰もいない場所に向かって怒っていた。
「久しぶりに賑やかだな。」
久しぶりに賑やかになった事に喜びを感じるエリックもいれば
「「モグモグモグモグモグモグモグモグ」」
ただひたすらに食事をする月兎とみどりもいるのだった。
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皆さんそれでは良いお年を。
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