第213話サンダーバードの巣4
ーサンダーバードの巣・月兎サイドー
「アツっ!」
三日月を撫でようとしたマイケルだったが三日月はマイケルに吠えながら炎をだし威嚇した。
「すいませんマイケルさん!大丈夫ですか!?」
月兎は急いでマイケルに近付きながらそう聞くとマイケルは
「大丈夫だよ。俺が近付いたのが悪かったんだ。怪我もしてないし。」
そう笑いながら言った。そして
「にしても既に属性に目覚めているとはスゴいじゃないか。」
と言った。
「属性ですか?」
「あぁ。我々インディアンの相棒は生きている頃から一緒に生活していき死後に幽霊となってインディアンの守護霊となるんだがそんな守護霊が更に成長する事で得るのが属性だ。」
初めて聞いた属性と言うものの説明を受けた月兎は日本でも長い間生きた幽霊がマイケルの言うように属性を使ってきたことがあったなと思い出していた。
「確かに日本でも長い間生きた幽霊がそういった能力を使ってきたことがあります。」
「それを我々は精霊と呼んでいるよ。そして精霊化をした守護霊はさっきも言った通り属性を使えるんだよ。俺の相棒のグリンだったら風が操れる様にね。」
こうして属性について理解した月兎は三日月を撫でながら
「じゃあ三日月は火を操れるんですね。」
と言った。
「だね。熊の幽霊だと大体は土を操るんだがこの子は珍しいね。」
「そうなのか。」
珍しいのかと月兎は思いながら三日月を見てもまったりとしているその姿には珍しさなどなかった。
「まあ属性についても話したしさっそく【アーマー】について教えようか。」
「はい。」
「【アーマー】はその名の通り相棒を‘’着る‘’という者だ。どう言った効果があるかと言うと俺だったら風を操れるのと空を飛べるのとスピードが早くなるっていう感じだな。」
「なるほど。」
「因みにラコタは【雷を操るライオン】が相棒でスピードとパワーが上がるらしいぞ。」
「スゴいですね。」
「だな。月兎の場合は……恐らくパワーが上がるだろうな。」
「そうなんですね。」
こうして月兎は【アーマー】の修行に入るのだった。
ーサンダーバードの巣・みどりサイドー
ジョーンとエリックの指導を受けることになった。みどりはまずジョーンの指導から入ることになった。
そんなジョーンに案内された部屋に入ったみどりは圧倒されていた。
「これは……すごいですね。」
ジョーンに案内されて入った部屋には所狭しとさまざまなトーテムポールが置いてあった。
「ここにあるトーテムポールは作りかけや修復が必要なものばかりなんだが俺が作るトーテムポールは九割が情報収集用のものなんだ。」
そう言いながらジョーンがみどりへ見せたのは一般的なトーテムポールの形とは違った虫の形をしたものだった。
「これもトーテムポールなんですか?」
「これは俺が作った『監視用トーテムポール』。このトーテムポールは実際にこの荒野でもいたるところに配置しているんだ。」
「だから直ぐ密猟者に気が付いたんですね。」
「あぁ。因みにみどりは植物の声が聞こえるとか言っていたが本当なのかい?」
「はい。聞きたいことは大体答えてくれます。」
「そうか。」
ジョーンはみどりの話を聞くと手に持った虫型のトーテムポールを置き少し考え込んだ後
「なるほどラコタがなぜ急に俺も加えたのか分かったよ。」
と言った。
「あのぅ。一体どういうことですか?」
そうみどりが聞くと
「恐らくラコタは君が司令官タイプだと思ったんだな。」
と話しだした。
「司令官タイプ?」
「あぁ。君は植物と話せるから離れた場所の情報も手に入れやすいだろ?だから君は司令官や軍師となって指示をだすのに向いているんだよ。」
「指示ですか?」
「俺も昔はアメリカ一でかい聖域で司令官をしていた。このトーテムポールもその時作ったんだ。……まぁ何が言いたいかというと司令官というものは戦場中や戦場の周りなど全てに目を通しながら戦況を見極めなくてはいけない。みどりの能力はそんな司令官に向いていると言うことだ。」
ジョーンの話を聞いたみどりは
「司令官ですか。」
とつぶやくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます