第210話サンダーバードの巣1


 ーサンダーバードの巣ー


 ラコタから修行をつけてくれるという報酬を貰った月兎とみどりはサンダーバードの巣という荒野にやってきて密猟者の捕獲する瞬間にであった。


「ラコタさん。お久しぶりです。」


 いきなり空から落ちてきた男はそう言いながらラコタに近付いてきた。


「相変わらず派手な登場だな。コイツらを捕まえに来たんだな。」


 ラコタは近付いてきた男へそう言いながらバイクを撃ち抜かれて転がっていた密猟者達を見た。


「えぇ。ところでそちらの二人は?」

「日本から来た【協会】の人達で月兎とみどりだ。この二人をしばらく鍛えて欲しくて連れてきたんだ。」


 倒れている密猟者達を縛り上げた男が月兎とみどりを見ながらラコタに二人の事を聞くとラコタが二人を男に紹介した。


「中村 月兎です。はじめまして。」

「宝樹院 みどりです。はじめまして。」

「マイケル・ラッシュだ。よろしく。」


 三人が自己紹介をしあうとその様子を見ていたラコタが


「じゃあマイケルにはこの密猟者達を運んで貰うぞ。俺達はこのまま拠点に向かうぞ。」


 そう言うとマイケルが


「了解です。では。」


 といった瞬間、空からオオワシがマイケルに向かって落ちていきマイケルとぶつかると、マイケルを透明なワシが包み込んだ。そして密猟者達を足で掴むと空に飛び


「向こうで会いましょう!」


 そう言いながら飛び去っていくマイケル。それを見送るとラコタは


「あれが【アーマー】だ。」


 そう月兎に教えた。


「詳しい話しは向こうでしようか。」


 そしてまた三人は歩きしばらくすると荒野にポツンと一軒家が建っていた。


「あそこにみんないるはずだ。」


 こうして一軒家に三人が着くと来客に気付いていたのかのように扉が開いた。


「ようこそいらっしゃいました。」

「やはり気付いていたか。」


 扉のところでそうラコタと男が話していると


「早く入りなさい。」


 と家の奥からおじいさんが出てきた。


「申し訳ないな。」


 ラコタはそう言うと月兎とみどりと共に家に入った。


「で?先程マイケルに会ったが今どこに?」

「下にある牢屋に密猟者達を収監してます。ところでこの二人が月兎さんとみどりさんですね?」


 ラコタと男が話しながら家の奥へいくなか名乗ってもいないのにいきなり名前を呼ばれた月兎とみどりが驚いていると


「驚かせるのはやめなさい。すまないね、コイツはジョーン・ミッシェル。トーテムポールの名手で聖域全体にコイツのトーテムポールによる監視網があるんだ。きっと何処かで名乗ったのだろう。」


 そうおじいさんが二人にジョーンの種を明かした。


「そんなすぐ種明かししないでよ。てかじいさん人の紹介より先に自己紹介しないと。」

「おぉ。そうだったな!私はエリック・ハリソンというじいさんだ。弓術を主に使うロートルだ。よろしく。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」


 月兎とみどりがジョーンとエリックと紹介をし合うと丁度地下からマイケルが出てきた。


「三人共着いたのか。」

「マイケル。ご苦労様だったな。じゃあ三人に改めて。日本から来た月兎とみどりだ。二人にはお前達の戦闘技術を教えて欲しいんだ。」


 サンダーバードの巣のパトロール隊の三人が揃ったので改めてラコタは月兎とみどりを連れてきた理由を言った。


「ほぅ?誰が誰を教えるんだ?」


 エリックがそうラコタに聞くと


「月兎はマイケルだ。マイケルには月兎に【アーマー】を教えて上げて欲しい。」

「出来るのか?」

「素質はある。」

「そこのお嬢ちゃんは?」

「みどりはここに来るまでエリックに弓術を教えてもらおうと思っていたが、止めた。エリックとジョーン両方から教えてもらえ。」


 ラコタはそう三人に話した。


「本当に良いんだな。」


 そう確認を取るマイケルにラコタは


「大丈夫だ!」


 と答えるとマイケルはため息をつきながら


「分かった。じゃあよろしくな。」


 と月兎とみどりに握手を求めるのだった。

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