第209話その後


 ーインディアンの町ー


 アメリカのインディアンのリーダーであるラコタからの依頼によって聖域のパトロールをする事になった月兎とみどりはパトロール先でボブとナタリーと言うインディアンと共に密猟者グループである「トワイライト」を捕まえたがリーダーであるウォルター・キーンは取り逃がしてしまった。

 しかしかなりの密猟者を捕まえた為、その密猟者達の引き渡しとパトロール結果の報告をするために月兎とみどりはラコタのいる町へ帰ってきていた。


「なるほど。コイツらのボスはあのウォルターなんだな。」

「はい。既に軍や警察が探してくれていますが未だに見つかっておらずもう海外へ高飛びしたんではないかといわれてます。」

「ちなみにウォルターの裏金はこの「トワイライト」の密猟で稼いでたらしくて本来の目的は不老不死だけどその過程で得たものはすべてオークションしてたらしいわ。」


 捕まえた密猟者達をラコタに引き渡す為に町に来た月兎とみどりはラコタに会い密猟者達の事を報告していた。


「オークションか。」

「もうオークションの話しも警察にしていて既に秘密裏に動いている様です。」

「そうか。ならこちらが動くといらない混乱がおこるな。」


 二人の報告を聞いたラコタはうなずくと人を呼び捕まえた密猟者達を連れていかせた。


「では改めて二人には感謝するよ。ボブとナタリーからも話を聞いたが二人がいなければいけない場面が多々あったと言っていたよ。助かった。」

「いえいえ。僕らは元々その為に来たんですから!ね?」

「そうですよ!」


 頭を下げたラコタへ月兎とみどりはそういって何とか頭を上げさせた。するとラコタは


「しかし何かしらのお礼をしなくては…そうだ!二人にはインディアンの技を教えよう!」


 といった。


「「技?」」


 なんの事だかわからない二人にラコタは


「みどりには弓を教えよう!どうやら君は遠距離からの攻撃が好きなようだから弓はもってこいさ。月兎には聞くところによるとインディアンの相棒と同じ霊体の相棒がいるようだからインディアンが相棒とする奥義の一つ【アーマー】を教えよう。」


 と言った。みどりの弓は何の事かすぐわかったが月兎の方の【アーマー】は良くわからなかったのでラコタへ聞くと


「あのラコタさんその【アーマー】ってなんですか?」

「ああ!【アーマー】とは自分の相棒を自身に纏わせて着る事で相棒の力を借りる事ができるものだ!」


 ラコタの話を聞いた月兎は宿しの奥義と似ていると感じたが、恐らくラコタが言っている霊体の相棒とは緋熊の戦斧に憑いている三日月の事であり三日月は月兎に宿ってないため、このままでは宿しの奥義が使えないのでちょうど良いと思い【アーマー】を学ぶことにした。


「分かりました。是非教えてください。」

「私も!教えてください。」

「良し!分かった!実は既に二人に教える先生には当たりをつけていてね。早速その先生の元に行こうか!」


 そう言ってラコタに言われるがままに車に乗った二人は車にゆられ気が付くと荒野にいた。


「ラコタさん。ここは?」

「ここはアメリカで一番密猟者達に狙われている聖域【サンダーバードの巣】だ。ここのパトロール隊は俺を除けばアメリカ一の凄腕なんだ。君たち二人にはそのパトロール隊に鍛えて貰う。」


 いきなり荒野にきた理由を月兎が聞くとそう答えながらラコタはどんどん荒野を進んでいくため月兎とみどりの二人もラコタへついて行った。

 しばらくすると


 ブン!ブン!


 というエンジン音と共に二つのバイクが現れた。


「ラコタさん。あれがパトロール隊員ですか?」

「いや、あれは密猟者だな。」


 月兎がラコタにパトロール隊が聞くとラコタは否定した為月兎とみどりが捕まえようとしたが


「大丈夫だ。ここはもうヤツの縄張りだ。」


 そう言ってラコタに止められた。


「縄張り?」


 二人が疑問に感じていると


 ドス!ドス!


 いきなり空から矢が飛んできてバイクを撃ち抜いた。


「一体どこから…。」


 二人がそう驚いていると



「あれ~?珍しいですね!」


 いきなり声が聞こえた。月兎とみどりがどこから聞こえた声なのか探しているとラコタが空を指さしながら


「上だ。」


 と言ったので二人が上を見ると


 スッ!


 上から男が降りてきたのだった。

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