第208話特別編 クリスマス2
ークリスマスイブー
バタン!
クリスマスイブの夜中、月兎は神父に頼まれた通りのおもちゃを買って教会へやってきた。
「月兎くん。ありがとう。大変だったでしょ?」
「いえ。普段も仕事で色々なところを周るんでいつもみたいなものですよ。」
「そうなんですね。あと、できればこのおもちゃ達をクリスマスツリーの所まで運んで貰えますか?」
「まかせてください。」
教会に着くと神父が月兎を待っていて月兎に買ってきたおもちゃを運ぶ用に頼み、月兎も快くおもちゃを運ぶとこの日は解散になり月兎も家に帰った。
ークリスマス当日ー
「夜と昼じゃ印象が違うな。」
クリスマス当日になり再び教会へやってきた月兎はおもちゃを運んだ道を通り孤児院へ向かった。
「お兄ちゃんだれ?」
(お兄ちゃんって言われた!おじちゃんじゃなく!)
孤児院へ近付くと小さな女の子がおり月兎へ話し掛けてきた。手には月兎が昨日買ったぬいぐるみが握られていた。
「神父さまに呼ばれたんだけど神父さまはどこかな?」
「こっちだよ。」
しゃがんで女の子と同じ目線になった月兎が神父の場所を女の子に聞くと女の子は月兎の手を取り歩きだした。
「あっ!月兎さん!ようこそお越しくださいました!」
「神父さん。こんにちは。」
女の子に連れられるがままにしていると孤児院の中に入り、そこには神父がいた。
「月兎くん。早速で悪いんですが料理を運んで貰えますか?」
「分かりました。…じゃあ行くね?ここまでありがとうね。」
神父に早速頼みごとをされた月兎はここまで連れてきてくれた女の子にお礼をすると女の子はまた孤児院の外へ行った。
「あの子は他の子とは遊ばないんですか?」
「この前話した目の前で親を妖怪に殺されてしまった子があの子です。他にもいるにはいますがその子達は時間もたっていますしこのクリスマスでかなり孤児院に馴染んでいますがあの子は最近なのでまだ孤児院に馴染みきって無いんですよ。」
「なるほど。」
自分をを案内してくれた女の子が他の子と遊ばない事に疑問を感じた月兎が神父に事情を聞くとかなりヘビーな内容であったのでどうしたものかと考えながらも神父に頼まれた事をしようと調理場へ向かう月兎。すると調理場に女性がいた。
「あ、あのぅ…。」
「あ!はじめまして!私は斑目 明日香です!」
自己紹介を受けた月兎は(あぁ、この人が。)と思いながら自身も自己紹介をし出来上がっていた料理を運びだした。
「では皆さん料理も準備できましたし食事にしましょう。」
月兎と明日香が料理を運び終わると早速食事になったのだが何故か先程の女の子が月兎のとなりで食事を始めた。
「ん、」
「あ、あのね?どうしてトマトを僕のお皿にいれたの?」
「…嫌いだから。」
女の子はそのまま食事が終わってもずっと月兎と一緒にいた。
そうして夜になり月兎が帰ろうとすると女の子が月兎に話し掛けてきた。
「ねぇ。」
「?どうしたの?」
「お兄ちゃんって妖怪?を倒してるんでしょ?」
「うん。そうだね。倒してるよ。」
「お兄ちゃんって一般人だったんでしょ?どうやって倒してるの?」
女の子にそう聞かれた月兎は破月や孫悟空を見せるのは危ない気がしたのでぼかして伝えることにした。
「そうだね。運が良いのか悪いのか戦える力を持っちゃったね。」
「私も戦える用になる?」
ぼかして伝えた月兎だったが女の子はぐいぐいと月兎の事を聞いてきた。
「あ、あのね?僕はしょうがなく戦ってるだけで正直余り戦うのは危ないんだよ?」
「でも私のパパとママを殺した妖怪を倒したいの!」
自分の両親の復讐をしたいという女の子。そのあまりの気迫におされた月兎は
「だ、だったら二十歳まで一生懸命勉強や修行をするなら考えるよ。」
と言ってしまった。すると
「!!わかった!ありがとう!」
そう言って女の子は孤児院へ走っていった。
「…ヤバイなぁ。神父さんに言ってどうにかしないと。」
思わず言ってしまった条件を後悔する月兎だった。
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