第207話特別編 クリスマス1
ー日本・協会本部 とある日ー
「月兎君。」
「神父さん!」
協会で任務を終えた月兎が帰ろうとしていると杖をつきながら神父がやってきて月兎に話し掛けてきた。
「どうされたんですか?」
「実は月兎くんに頼みたいことがあってきたんですよ。」
ヨロヨロとした足取りで近付いてくる神父へ月兎は手を貸し椅子へ座らせた後話を聞く事にした。
「で、頼みたいこととは?」
「実はご予定がなければクリスマスにうちの教会へ来ていただたいんです。もちろんご予定がなければでいいんですが。」
ギリッ!(ご予定は無いですよ!)
神父にナチュラルに煽られた月兎は歯を食い縛りながら
「いや…。予定はないので大丈夫ですよ。」
と言うと
「そうですか!良かった!いや、実は八岐大蛇との戦いの休憩のために部下達をを祖国へ返してしまいまして。思ったより人手が足りなくなってしまったんですよ。」
なぜ月兎を教会へ呼んだのかを教えてくれた。
「なるほど。分かりました、では自分も行きますね。」
「ありがとうございます!いや~教会は孤児院も併設しているんですが子供達の相手を満足にできていなくて気になっていたんですよ。」
月兎が参加することを知った神父はニコニコと笑いながらそう言った。
「孤児院があるんですか?」
「えぇ。妖怪の被害に遭い両親を無くしてしまった一般の子供を主に預からせて貰っています。術士の子供であれば親族への引き渡しもスムーズなのですが一般の人となると親族が見つからないこともありますからそういった子供達を預からせて貰ってるんです。」
今まで一般人の犠牲を見たことが無い月兎だったがやっぱりやはり一般人にも犠牲が出るんだなと感じた月兎は子供達の為にもクリスマスを楽しませようと思うのだった。
「そうなんですか。クリスマスもその子供達のために?」
「はい。孤児達の中には目の前で親を殺されてしまった子供もいてその子達は塞ぎ込んでしまっているんですよ。その子達にも笑顔になって貰いんです。」
その後月兎と神父はクリスマス会について話し合いをしていった。
「ーーーーー。良し。こんな感じで良いですか?」
「そうですね。ありがとうございます月兎くん。」
「いえいえ。でも思ったより人数が必要ですよね。裏方ならうちの孫悟空の分身でどうにかなりますけどさすがに妖怪を怖がっている子供達に会わせるわけにもいかないですし。」
「あぁ。なら大丈夫です。明日香さんが当日斑目家をつれて来てくれるそうなんで。」
(チッ!結局のろけかい!)
話し合いの結果思わず惚気を聞いてしまいダメージを食らう月兎だった。
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今日明日は少し短いですがクリスマス特別編を書かせて貰いました。
皆様良いクリスマスをおすごしください。
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