第194話戻ってアメリカ


 ー学校ー


「そして七奈美ちゃんは今では術士として活躍してます。皆さんも彼女のように頑張り続ければ必ず立派なインディアンになれると思います。仲間と切磋琢磨しながら頑張ってください。」

「「「「「ありがとうございます!」」」」


 小学生に話をした月兎達はそのまま中学生・高校生にも話をし、その後日にも色々なインディアンの村を周り学生達に話をしていると月兎達がアメリカに来てから早くも一ヶ月がたっていた。


「どうだ?こっちにもなれてきたか?」


 ラコタの村に戻ってきた月兎とみどりにそう聞くラコタ。そんなラコタに月兎は


「まぁ色々な場所にいったので慣れたかと言うと分からないですけど楽しい一ヶ月でしたよ。」


 と言うと


「ならよかった。…ところでそろそろ聖域のパトロールにも加わって欲しいんだが出来るか?」


 そうラコタに言われた。月兎とみどりは顔を見合わせると


「はい。大丈夫です。」

「元から戦うことは織り込み済みですから。」


 二人揃って準備が出来ていることをラコタに告げた。


「分かった。じゃあ明日聖域にいってみようか。」


 ー聖域ー


 聖域のパトロールに参加することが決まった次の日月兎とみどりはラコタの運転で村から一時間ほど離れた森にやって来た。


「ここは【生命の池】と言う聖域がある森だ。【生命の池】の水は名前の通り生き物が飲めば怪我や病気が治り植物にかければあっという間に育つものだ。そのため珍しい生き物が集まりそれを狙った密猟者や、池の水を狙った者が数多く現れる場所だ。」


 そう話しながら森に入っていく三人。しばらく森の中を歩くとログハウスが建っていた。

 ラコタがログハウスの扉を叩くと扉が開き中から男女が一人ずつ出てきた。


「族長!来てくれたんですか?」

「お久しぶりです。族長。」

「おう。問題はないようだな。」


 ログハウスから出てきた二人と軽く挨拶をしたラコタは月兎とみどりの方を向くと


「この二人はボブとナタリーだ。兄妹でこの場所を守ってくれてる。」


 と二人を紹介し。今度はボブとナタリーの方を向くと


「この二人は【協会】からきた月兎とみどりだ。しばらくお前達と一緒にこの場所をパトロールしてもらう事になった。」


 とボブとナタリーに月兎とみどりを紹介した。


「よろしく!」

「よろしく~。」


 ナタリーとみどりは直ぐに打ち解け、ボブと月兎は


「よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」


 社会人かのような挨拶のし合いになっていた。


「じゃあ悪いが俺は別に用事があるから四人でこれからの作戦を立ててくれ。頼んだぞ。」


 そしてラコタが帰った後四人はログハウスに入り詳しく自己紹介をすることにした。


「じゃあまず私から!私はナタリー・ジェーン!相棒はこのフクロウのシャドーよ!この子は夜でもパトロールができるし飛んでる音も聞こえないスゴい子なんだよ!」


 まずナタリーが自己紹介をすると


「次は俺だな。俺はボブ・ジェーン。相棒はオオカミのグエンだ。グエンは索敵のプロでな。一回でも匂いを嗅げば何処まででも匂いを嗅いだ相手を追跡できる優秀な相棒だ。またこの森にはオオカミが数多く生息しているんだがグエンがボスなんだ。」


 アメリカ側の自己紹介が終わったので次は月兎達が自己紹介を始めた。


「じゃあ次は私ね!私は宝樹院 みどりです!植物の術を使えます!あと私は植物と会話ができます!ここの植物が言うにはこの場所は植物が育ちやすいみたいだから色々森を回るのが楽しみです!」


 そう元気にみどりの自己紹介が終わり月兎も自己紹介を始めた。


「自分は中村 月兎です。術としては【宿し】といわれる妖怪を身体に宿す術を使います。宿しているのは二体で夜刀神という妖怪と孫悟空です。夜刀神は毒を使い孫悟空は分身を使います。あと熊の霊が憑いている斧を使います。」


 こうして自己紹介を終えた四人はどうパトロールをしていくか話し合いをすることにするのだった。

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