第195話パトロール


 ー生命の池ー


「とりあえず初日は案内の意味も込めて四人でパトロールをしていくか。それで二日目から男性チーム・女性チームに別れてパトロールすることにしよう。」

「「「了解。」」」


 自己紹介を終えたボブ、ナタリー、月兎、みどりの四人はまずは皆パトロールをすることにした。


「じゃあいこうか。」


 早速パトロールの支度をした四人はログハウスを出てボブの先導でパトロールを始めた。


「俺達のいつものパトロールの仕方といえば、まずナタリーが相棒のシャドーを使って広域を探索して俺の相棒であるグエンがしらみつぶしに隠れている奴らを探す、という流れだ。」


 そうボブが話している間にもナタリーはシャドーを放ちシャドーが音もなく森に消えていった。


「お二人とも索敵が得意なんですね。」

「まぁそういう人材がパトロール担当になりやすいってのもあるがな。」

「でもわたしとお兄ちゃんは余り戦闘が得意じゃなくてね。わたしは暗殺向きだしお兄ちゃんも戦えない訳じゃないけど囲まれるのが得意じゃなくてね。二人がきてくれて助かったよ。」

「?ボブさんは沢山のオオカミを従えてるんじゃ?」


 ボブとナタリーと話しながら森をパトロールしていた月兎はさっきの自己紹介でボブがこの森のオオカミを掌握していると言っていたのに大人数が苦手という事に疑問を感じた。


「あぁ。それはグエンは霊だから死ぬことは無いがこの森のオオカミは死ぬから戦いには巻き込みたく無いんだ。それに奴らはオオカミもターゲットだからもし戦わせて捕まったらかわいそうでね。戦いには呼ばないんだ。」

「なるほど。」


 月兎に聞かれた事にごもっともだと言いながらオオカミの群れを使わない理由をボブが答えていると


「ねぇ!この森ってキャンプする人もいる?」


 とみどりがナタリーに話し掛けた。


「?いえ。一応政府の許可がないとダメよ。でもここは聖域。つまり許可は降りない。」

「でも植物に聞いたらログハウスの反対側にキャンプしてる人達がいるって。」

「!?本当に!?」


 みどりとナタリーの話を聞いていたボブと月兎も話しに加わった。


「本当だと思いますよ。みどりちゃんは自己紹介でも言いましたが植物と話せるんで。」

「にしてもここまでハッキリと分かるとは…。とりあえず許可が必要と知らずにキャンプにきた人間なのか或いは密猟者なのか見極める必要があるな。ナタリー、昼間はオオカミに協力してもらって監視するから夜はシャドーに監視してもらっても良いか。」

「分かったわ。みどり、場所を教えて?」

「えぇっと、ここから………。」


 みどりがナタリーにキャンパーの場所を教えている最中、月兎はボブに


「ボブさん。オオカミが心配だったら孫悟空の分身をつけましょう。戦力の増強にもなりますし分身なのでいざとなったら壁にもなりますから。」


 そう聞くとボブも


「そうしてくれると助かるよ。」


 と言ったので月兎は孫悟空の分身をだした。


「場所が分かったわ。シャドーに案内をさせるわ。」


 ナタリーがそう言うとボブは


「ピューーーーー!!」


 と口笛を吹いた。するとすぐに


「ヴァウ!」


 オオカミが現れボブとグエンの前にきた。


「頼みたいことがある。森に侵入者が現れた悪者か見極めて欲しい。この者と一緒に監視をしてくれ。場所まではシャドーが案内する。」

「ヴァウ!ヴァウ!ヴァウ!」

「ヴァウ!」


 ボブがオオカミに頼みごとをするとグエンが吠えそれに来たオオカミが反応していた。


「大丈夫そうだ。月兎。分身をオオカミに乗せてくれ。」

「了解。聞いてたと思うが頼むよ。」

「了解しました。」


 こうしてオオカミと分身が森の奥へ消えていくとボブは皆の方を振り返り


「済まないが一旦パトロールはこれで終わりにする。」


 と言った。


「まぁしょうがないよね~。」

「確かに怪しいひとがいるのに歩き回るのはね?」

「分かりました帰りましょう。」


 ボブの意見を皆が受け入れると皆ログハウスへと帰るのだった。

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