第189話学校


 ーインディアンの村ー


 インディアンの村に来た次の日、月兎達は村にある学校にやって来た。


「ようこそ。私はこの学校の校長シンシアです。」

「はじめまして、中村 月兎です。」

「はじめまして宝樹院 みどりです。」


 学校へいくとまず学校の校長であるシンシアがやって来て二人を案内し始めた。


「ここは将来インディアンの戦士となる子供が通う小中高校一貫校です。貴方達には小学校から順番に回っていただく予定です。」


 そう言いながらシンシアが二人を小学生のゾーンへ二人を連れてきた。


「この体育館に六年生を集めているのでぜひお話を聞かせてあげて下さい。」


 三人が体育館にはいると三百人位の小学生が待機していた。


「皆さん。おはようございます!今日は皆さんに日本という国から来た術士という方達からお話を聞きます。皆さんの将来に役立つ事を話して下さるので良く聞きましょう。」

「「「「「「「「はい!!!!!!!」」」」」」」」


 シンシアが小学生達の前に出てそう言うと月兎とみどりは小学生達の前に出た。


「このマイクを使ってください。」

「ありがとうございます。」 


 シンシアにマイクを渡された月兎は一歩前に出ると話し始めた。


「はじめまして。自分は中村 月兎と言います。二年前から術士として戦っています。今日はそんな中でも君たち位の子が原因となった戦いについて話したいと思います。」


 そう言うと月兎はとある話を話し始めた。


 ーーーーーーーーー回想ーーーーーーーーーーー


 ー日本ー


 ズゥゥゥン


「ふぅ。やっと倒せたな。」


 八岐大蛇との戦いから半年が経ち月兎は術士が減った地域にヘルプへ行く毎日を送っていた。

 この日も和歌山の山中で暴れていた一つ目を倒し協会へ報告をしようとした時だった。


 ピピピピピピ


「ん?やけにタイミングが良いな。」


 月兎のスマホが鳴り着信を見ると協会からだったので何のようなのか気になりながら電話に出ると電話を掛けてきたのは本郷だった。


『もしもし今大丈夫?』

「はい。ちょうど依頼が片付いた所なんで大丈夫ですよ。」

『なら良かった。実は頼みたいことがあるんだよ。』

「何ですか?」


 場所を移動しながら本郷の話を聞いていくとどうやら本郷の分家で身寄りがなくなってしまった子がおり、更に今本郷の派閥は誰も面倒を見ることが出来ないのでできれば月兎に術の訓練をつけて欲しいというものだった。


「自分で大丈夫なんでしょうか?」

『大丈夫だよ。月兎くんは宿している妖怪とも仲が良いからそのノウハウを彼女に教えて欲しいんだよ。』

「まぁそれなら何とか。」

『本当かい!?なら後で場所を連絡するよ!』

「はい分かりました。…あっ!依頼の完了を協会に伝えといて貰えますか?」

『わかった、やっておくよ。じゃあ。』

「ではまた。」


 ガチャ


 電話を切った後、月兎はそのまま家に帰り支度をすると本郷から送られてきた場所へ向かった。すると大きな家があったのだがチャイムを押しても誰も出てこなかった。


「おかしいな。確かにここのはずなんだけど。」


 そう思いもう一度チャイムを押すと扉が開き中から小さな女の子が出てきた。


「…おじさん誰ですか?」

「グッ。おじさんかな?」

「?」

 中から出てきた女の子におじさんと言われた事にショックを受けた月兎だったが構わず話を続ける事にした。


「この家は君一人なのかな?大人の人はいるかな?」

「おねぇちゃんがいるけど今はいない。」


 大人が居ないことに思わず頭を抱えたくなる月兎だが


「自分は本郷さんから頼まれてここに来たんだ。大人の人が来るまで待ってて良いかな?」


 と女の子に聞いた。すると女の子は


「良いよ。」


 いまだ月兎に警戒しながらもそういい月兎を家の中へ案内した。部屋へ案内された月兎だったが


(なんか見られてる気がするんだよな~。)


 視線を感じ居心地が悪くなっていた。すると


「戻りました~。」


 と妙齢の女性の声が聞こえやっと話が進むと安心する月兎だった。

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