第187話ハローハロー

 この話から英気も日本語表記となります。

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 ー夢の中ー


「久しぶりだな。」

「破月!半年振りか!?目が覚めたのか!?」


 八岐大蛇の件から破月はよく寝込むことが増えており今回も半年振りに月兎と話していた。


「寝てなくて良いのか?」

「寝ていても周りの事は分かるからな。しかも最近かなり強い奴らと会っていただろ?気が気じゃなかったぞ。お前じゃ敵対したらすぐ死ぬからな。」


 そう話しながらも破月は眠そうに巻いたとぐろに頭をのせた。


「ふぅ。眠いから早く済ませるぞ。もう分かってると思うが我は今かなりお前と同化している。まぁお前はいま妖怪と人のハーフに近い状態だと言うことだ。そのお陰でかなり強くなってはいるがこれから向かうのは我も未知の地だ。くれぐれも気をつけるんだぞ。」

「了解。」

「なら良い。では我はまた眠ることにする。またな。」


 こうして破月はまた月兎の中で眠りについた。



 ー潜水艦内ー


 コンコン


「ーーん?あー、何かあったのか?」


 扉をノックする音を聞いて月兎が目を覚ますと


「はーい。」


 既に目を覚ましていたみどりが扉を開けた。


「もうすぐ着きますから準備をお願いします。」


 開かれた扉から光太が顔を覗かせながらそう言った。


「はーい。」


 みどりはそう返事をし、月兎は少しボーッとしていた。


「ほら、早く支度して!」


 月兎はみどりに急かされながら部屋から出た。


「では行きましょうか。」


 扉の先で待っていた光太に案内され潜水艦の出入口に案内されると


「今から浮上しますから気をつけて、つかまってください。」


 そう光太に言われたので周りの壁に二人が捕まると身体にGがかかり少しすると光太の持つ無線に


『到着だ。客人をおろして差し上げろ。』


 と連絡が来た。


「ではようこそ、我が祖国アメリカへ!」


 光太がそう言って扉を開けると朝日が差し込んで来た。


「まぶしっ!」

「見て!外国だよ!」


 眩しさに目を細める月兎だったがみどりはそんなこともお構い無しに潜水艦の外へ出ていった。


「確かに外国って分かるな。何でだろう?…匂いが違うのかな?」


 月兎もみどりに続き外に出るとそこは海軍の基地であったが何故か外国に来たのを確かに感じることが出来た。


「お~い!こっちだって!」


 月兎が周りを見渡しているとみどりにそう呼ばれ呼ばれた方を見ると車に乗り込んだみどりがいた。


「では頑張って下さい。」

「光太さんもありがとうございました。」


 光太に別れをつげた月兎はみどりの元に歩いていった。


「これから会議室に案内してくれるんだって。あとこれ!」


 みどりの元に来た月兎にみどりはそう話しながらイヤホンのようなものを渡してきた。


「これは?」

「英語を日本語に翻訳する機械なんだって!着けてみて?」


 そう急かされながらイヤホンを月兎が着けると車の運転席に座っていた男が


「お連れ様も着けたようなので改めて説明をいたしますね。これからお二人にはこの基地にある会議室にご案内します。その会議室にはラコタさまがいらっしゃいますので私はそこまでの案内役となっています。」


 と言いながら車を運転し始めた。

 会議室自体には五分位で着き、二人とも中に入った。


 ガチャ


「失礼します。」

「失礼しま~す。」


 会議室に入ると中には既にラコタが座っていた。


「良く来てくれたな。知っている者もいるが一応自己紹介しておこう。ラコタ・ジョンだ。よろしく。」


 そうラコタが自己紹介したので


「中村 月兎です。」

「宝樹院 みどりです。」


 と二人も自己紹介をした。


「月兎君は【総魔会議】で見たがそちらの女性は…宝樹院と言う事は協会の特級である宝樹院氏の一族かな?」

「はいそうです。」

「そうか。宝樹院氏とは一度お会いしたことがある。とても素晴らしい御仁だった。」

「ありがとうございます。」

「では早速だが君たちにやって貰いたいことを説明しよう。」


 こうして月兎達はラコタにアメリカでの任務を説明されるのだった。

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