第141話襲撃27
-皇居ー
「グォォォォォォォォォォォ!!!!」
「ーーー!ーーーーー!!」
和尚を送り出したあと天海と九尾は再び衝突をしていた。
「食い殺してやるわよ!」
そう言うと九尾が作り出した龍が天海に飛びかかるが
「あぁそうですかとはならないでしょ?」
天海と龍の間に天海が水で作った鯨が滑り込んで来て龍が噛みつく部分を氷にして防御力をあげた状態で龍の噛みつきを防いだ。
「それはもう見たわよ!燃やせ!」
龍の噛みつきを防いだのを見た九尾がそう指示をだすと龍は鯨に噛みついたまま火を吐いた。
「ゴァァ!」
「ー!」
ジュー
龍がゼロ距離で放った火は鯨でも消しきれずどんどんと鯨が蒸発していき身体が崩れていった。
「ハン!確か火は水に弱いかもしれないけど流石にこのレベルの火にかかれば水を蒸発させるなんて雑作もないわよ!」
そう天海の鯨が崩れていくのを見ながら話す九尾だったが、そんな自信満々な九尾を見向きもせずに天海は冷静に
「なに言ってるの?本来水は形無きものよ。」
と言った。すると、形が崩れていた鯨の一部が龍の顔を覆い息ができない様にしだした。そのせいで龍が苦しそうにもがきだしそれを見た九尾が急いで龍に鯨を話すように指示を出した。
「!!早く離れなさい!顔に付いた水は手で払いなさい!」
指示を出された龍は急いで鯨を離し手こずりながらも何とか顔に付いた水を払いおとした。
「全て蒸発させることはできなかったけどそこまでそこまで蒸発させたらもう元の大きさにはなれないわね!」
と九尾が言うと
「状態変化って知ってる?あなたがさっき龍に火を出させて水を蒸発させたのを液体から気体への状態変化って言うの。他にもさっき鯨が背中の氷を水にしていたけどそれも状態変化よ。」
天海がそう話し出した。
「だからなんだって言うの!?」
「状態変化って固体を液体へ、液体を気体へ、だけじゃなくて逆もできるの。気体を液体へ、液体を固体へ、だから私は水の術が最強だと思うのよね。」
余裕そうな天海を怪しく思っている九尾へそういうとどんどん周りの気温が下がってきた。
「ッッ!なんかやけに寒いわね。」
(!まさか、水を熱して蒸発させたのをあの特級は話してたのだとすればもしかすると冷やしてると空気から水ができる!?)
天海がなにをする気なのか気が付いた球体だったが一足遅く鯨は元の大きさ…いや元より大きい状態になっていた。
「んな!?」
「終わりよ。」
そう言うと天海に指示を出された鯨は龍を飲み込み溶かしてしまった。
「まだ終わらないわよ!」
そう叫ぶ九尾に
「でしょうね。貴方の能力は何となく分かったわ。」
と冷静に返す天海。続けて
「十二支、でしょ?貴方はまず狼を出してそこから鳥、鼠、牛、羊、龍とだしたでしょ?狼を犬とすると全て十二支の生き物だもの。」
と指摘した。それを聞いた九尾は
「良く分かったわね。まぁ分かったところでよ。」
というと九尾の周りのビル達がどんどんと変化していき六体の生き物になった。
「虎・兎・猿・蛇・馬・猪。見事に十二支ね。」
「お前達!殺りな!」
そう九尾が指示を出すと一斉に飛びかかる残りの十二支達、先ずは足が早い馬が鯨の元にたどり着き後ろ蹴りを食らわせた。
ズドン!
ッバシャン!
鯨は馬の後ろ蹴りを氷の盾で防ごうとしたが衝撃が水の身体を駆け巡り攻撃を受けた腹側ではなく背中から身体の水が飛び出た。さながら鯨の潮吹きのごとくと言うほどの勢いだった。息をつくまもなく今度は兎が到着し、
スパン!
バシャァ!
足を振るうと鯨が防ぐまもなく両側のヒレを切り落とした。そのせいで動けなくなった鯨がまたヒレを再生させようとするがそこにいつの間にか鯨に近づいた蛇が鯨全体に巻き付き再生が出来ないようにした。鯨は何とかもがいて拘束を逃れようとしたが上手くいかなかった。
すると急に蛇が拘束を解き放れていき鯨は上からくる風に地面に叩きつけられた。
ズズズズズン!
地面に叩きつけられた鯨は蛇にきつく拘束をされていた事もあり周りを把握していなかったがどうやら少し離れた場所で横になっている虎が風を操っているようだった。
身体を氷にする事で風によって潰されない様にしている鯨だったがそこに
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
と猪が突進をして
ガシャァァァァァン!
鯨は粉々に砕かれるのだった。
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