第135話襲撃22
ー皇居ー
「くらえ!【火蜂】!」
「ギャッ!」
とある術士が襲いかかってくる改造餓鬼を蜂の形をした火で倒し周りをみると、神父の部下である聖歌隊の鬼サイドへのデバフのお陰もありかなり術士が有利になっていた。
「そろそろこっちは片付くけど向こうはどうなってんだ?」
今までは自分達の戦いに集中していたため神父や源兄の状況をみることが出来ていなかったので改めて二人の状況を見ることにするのだった。
「確かにその十字架は厄介ですが貴方自体はやはり余り近接が得意ではないようですね。」
「ハァハァ。確かに私は近接が苦手ですがこれで終わりだとは思ってほしくないですね。」
そう言うと神父は先ほどまで振り回していた十字架を置き、懐に手をいれた。
(何をする気だ?…まぁもう殺ってしまうか。どうやら部下達はかなり殺られてるみたいだから早めに終わらせておきたい。)
そう考えた茨木童子は神父に近付こうとしたが
バン!
という音と供に腹部に激痛が走った。
「なッッッ!!」
「本当は使いたくなかったのですがあなたが想定より強く使わざるを得なくなりました。」
そう話す神父の手には拳銃が握られていた。
「長い間封印されていた貴方がたは知らないかもしれませんがこの武器は銃という現代社会ではもっともポピュラーな武器です。なぜ今まで使わなかったというと本来日本では所持すらも違法だからです。」
そう神父は倒れた茨木童子に銃についての解説をおこなった。
そして止めを刺そうと茨木童子の頭へ狙いを定めて銃を撃とうとするといきなり茨木童子が立ち上がった。
「驚きました。まだ立てるとは。」
「フー!フー!いえ痛いですよ?ただ貴方には勝たなくてはいけないので本気をだすことにしただけです。」
再び立ち上がった茨木童子へ神父が驚きの声を上げると茨木童子は本気をだすといいいきなり力みだした。すると、
バコン!バコン!
と腕は二周りほど大きくなりそれにともない身体中が大きくなった。
「これはかなり強そうですね。」
「あぁ。これが本来の俺の身体だ。いつもは考えることが多いからあの身体だがな。どうだ?その武器の傷もくっついたぞ。」
そう話しながら茨木童子は神父に銃で撃たれた場所を指差すと確かにくっついていた。
「さすが治りが早いですね。」
「そりゃあもう鬼ですから。では第二ラウンドといきますか!」
というやいなや神父へ飛びかかる茨木童子だったが、神父も茨木童子を躱しながら更に銃をもう一丁出すと茨木童子へ発砲した。
「!!おっと危ないですね。もうその武器の特徴は覚えましたよ。」
「それはお早いですねっと!!」
茨木童子に追いかけられる神父は顔の周辺を撃つことで茨木童子の邪魔をした。
「邪魔ですね。もう効かないんですよ?」
そんな神父の嫌がらせを真っ向から受けながらそう諭してくる茨木童子へ神父は
「それは分かってますよ。ただ私はもう時間稼ぎをすれば良いだけなので。」
と言うと再び銃を撃った。
そんな神父を不思議に思った茨木童子が神父に聞こうとした時、さっき神父に撃たれた場所に茨木童子が違和感を感じると供に足に力が入らなくなり座り込んでしまった。
「な、何故足に力が入らない。もう治った筈なのに。」
「それは聖水の力ですよ。」
足に力が入らない事を不思議がっている茨木童子に神父は先ほど撃った銃の効果を話し出した。
「聖水とは貴方達悪しき者には毒となる祝福された水です。我々はその聖水を使い銃の弾を作るのでこの銃弾は悪しき者達にとても強力な武器となるんですよ。いかに再生能力に定評がある鬼でもこの通り時間を掛ければ倒せるんですよ。」
神父の話を聞いた茨木童子は
「最初から負ける戦いだったんですね。」
と言った。そんな茨木童子に神父は
「次に産まれるときは悪しき者ではなく善なる者であることを祈ります。」
と言い
パン!
と茨木童子の皮膚は撃ち抜けないので目を撃ち抜いたのだった。
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