第133話襲撃20
-皇居ー
酒呑童子と思わしき叫び声が聞こえて来たので遂に酒呑童子が来ると源兄と神父・生き残った術士達が構えていると遠くから
ドシン!ドシン!ドシン!
と大きな足音がだんだん近付いてきて、
「うっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
と言う声と供に
ドカン!!
今まで鬼を防いでいた門が吹き飛んだ。そして、ヌッと門から現れたのは腕が4本あり身体は赤銅色な大きな角が生えた鬼だった。
「ふうーー。やっと暴れられるんだな。」
そう言いながら術士達を見渡す酒呑童子に源兄が音もなく一瞬で近付くと源弟がぬらりひょんの空間ー切り裂いた抜刀を放った。しかし、
キン!
「!!」
「そんなぬるい攻撃じゃあ俺の身体は傷つかんぞ。」
と言いながら源兄にニヤリと笑いながら話しかけた。
「ならこれはどうですか!【母なる光!】」
物理的な攻撃が効かないのならば遠距離的な攻撃を試す必要があると思った神父が太陽の光を使い悪しきもののみにダメージを与える術を酒呑童子に当てるが酒呑童子は、
「んー。日焼けもできんな。」
と言いながらあくびをしだした。
「やはり一筋縄ではいきませんよね。」
「俺の攻撃も大概のやつは斬れるはずなんだがな。」
酒呑童子を見ながらそう源兄と神父が話し合っているのを酒呑童子も見ながら地面にすわりだした。
「このまじゃつまんないから待っててやるよ。なるべく早くしてくれよ?」
地面にすわりながらそう話す酒呑童子にしびれを切らした周りの術士達が
「余り我らをなめるなよ!」
と一斉に術を放った。自身に放たれた術の数々をボーッと眺めていた酒呑童子は
「まぁまぁだな。それじゃあ俺には届かねぇな。」
と独り言をいい
「スゥーーー。」
息を大きく吸うと
「フゥーーーーーー!!」
勢い良く息を吐いた。するとまるでロウソクの火のように放たれた術の数々が酒呑童子の息によって吹き飛ばされた。更に、
「あ、あれ?なんだこれ?」
「力が入らん。」
「手がふりゅえる?」
酒呑童子が吐いた息を吸い込んだ術士が次々に倒れだした。
「あー。悪いな。酒呑みすぎて俺の息嗅いだだけで酔うんだわ。」
そう話す酒呑童子がヘラヘラとしていると壊れた門から続々と大鬼が入ってきた。その中に鬼にしてはスラリとした鬼がおり、
「酒呑様。早すぎです。やっと追い付けた。」
酒呑童子に近付きながらそう言った。
「おう!茨木!遅かったな!」
酒呑童子は近付いてくる茨木童子にそう話し掛けると立ち上がり
「じゃあ行くか!早く八岐大蛇復活させて戦いてぇな!」
と言い出したので源兄と神父は作戦会議を中断せざるを得なくなった。
源兄は酒呑童子に斬りかかるが
「そんなことさせるわけがないでしょ。」
と源兄の斬撃を茨木童子が受け止めた。
「おいおい!茨木ぃ!邪魔すんなよ!」
源兄の斬撃を止めた茨木にそう詰め寄る酒呑童子だったが茨木童子が
「…周り見てください。そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。」
と言うので酒呑童子が周りを見渡すとさっきまで酔っていたはずの周りの術士が回復していた。
「んな!?回復が早ぇな。」
「わたしが治したのですよ。」
周りの術士達が回復している事に酒呑童子が驚いていると十字架を手に持った神父が前に出てきた。
「おめぇは回復係か。こりゃあ良いぞ!つまりお前らは壊しても壊しても回復するおもちゃって事だろ!?」
酒呑童子はそう話しながら見るからに何かを起こすかのように力を溜めだした。
「皆さん!一斉に攻撃をして酒呑童子を止めてください!何かをする気です!」
やな予感がした神父は周りの術士にそう指示を出し源兄もやな予感がしたので一足先に酒呑童子に斬りかかった。しかしまた茨木童子が源兄の斬撃を防いでいた。
「させるわけがないでしょう。さあ!大鬼・猿鬼お前らも行くぞ!」
「皆さん!術士の名に懸けてこの場所を守るのです!」
茨木童子から指示があったため大鬼や猿鬼が再び皇居内で暴れだした。そんな鬼達を倒すために神父が人側の術士達に鬼を倒すように指示を出すのだった。
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