第131話襲撃18


 -皇居ー


 ぬらりひょんが忍びがしらと源弟を連れ異界へ移動し隠神刑部によって将軍の腕が切り落とされた頃、とある門にはありとあらゆる鬼が集結していた。


「援軍にきました!」

「助かる!」

「状況は!?」

「はじめは餓鬼やら小鬼やらが群れできていたんだが今は大鬼や猿鬼なんかが攻めて来ている!だから恐らくこの門は酒呑童子が攻めてきてるだろうってことで大慌てだよ!」


 この門がヤバいということで援軍に来た術士の一人が元からこの門へ派遣されていた術士に今の状況を聞くとかなりの数の鬼が攻めてきていることが分かった。


「でもよく持ちこたえてますね。」

「鬼はフィジカルが強いが中々遠距離の術を持っていないからな。そのお陰で何とかやってるよ。」


 何とか持ちこたえていると話す元からいた術士だったが


 ヒュー…ドカン!

 ヒュー…ドカン!


 と何かが投げ込まれる音がした。


「?何の音ですかね?」

「石でも投げてるんだろう。まぁこの周りには大きな石はないから影響はないだろ。」


 そう音がしても門が破られる事はないと話していると二人の近くにもナニかが飛んで来た。


 ヒュー…ドカン


「あの、これ石ですか?なんか赤いんですけど。」

「んー?本当だ。赤いな。」


 飛んで来たナニかを見た援軍に来た術士がナニかの違和感を元からいた術士へ言うと元からいた術士も違和感を感じ警戒しながらナニかに近くとそのナニかが


「ギャー-!」


 と言いながら元からいた術士に飛びかかった。


「っ!あっぶな!…え?」


 そんなナニかを間一髪で手に持っていた刀で斬った術士だったが、何故か斬れることはなくそのまま術士ののど元に噛みつくのだった。


「ゴホッ。」

「んな!?」


 いきなりのことで驚いた援軍に来ていた術士が飛んで来たナニかをよく見るとどうやら飛んで来たナニかは餓鬼だったらしくのど元を食い千切った術士をそのまま食べ出した。


「ギャー。」

 グチャグチャ

「!食わせてたまるか!」


 と援軍に来た術士が風を呼び餓鬼を切り裂こうとしたが


 ガチン!ガチン!


 と皮膚と当たっているとは思えない音を立てるだけで斬ることができなかった。


「?」

 ピタ

「!くそ!かかってこい!」


 餓鬼を斬ることは出来なかったが風の衝撃を受けた餓鬼が新しい食べ物として援軍に来た術士に気が付き食べていた術士の腕を投げると援軍に来た術士へ飛びかかった。


「くそが!!!」


 そう言いながら風を打ち出す術士だったがすべて餓鬼の肌に弾かれいよいよ食べられるかというところで


「ぅぉーーーー………りゃ!」


 という声が遠くから聞こえてくると


 ブオン!


 と巨大なハンマーのようなものが飛んで来て餓鬼を巻き込むとそのまま壁に餓鬼をぺちゃんこに叩きつけた。


「…なにが起こってるんだ。」


 怒涛の勢いについていけない術士だったが遠くから


「お~い!大丈夫だったか!?」


 と大柄の術士がやってきた。


「…大丈夫ではない。一人やられた。」


 そう答えると大柄の術士も食べかけの術士を見て


「すまない。もう少し早く来ていれば。」


 と言い死んでいる術士に手を合わせた。


「ところでこの餓鬼…ですよね?餓鬼ってなんでこんなに固いんですか?」


 手を合わせた術士のとなりにいき自身も手を合わせた後にそう援軍に来た術士が聞くと


「改造された餓鬼らしい。それを大鬼や猿鬼がこっちに投げ込んでいるみたいだ。斬撃に耐性があってな、みんな苦労しながら戦ってるよ。」


 と大柄の術士が答えた。


「なるほどそれで風も刀も効かなかったんだ。」

「このままここにいてもしょうがないから一旦集まるように指示が出てるからついてきてくれ。」


 一人援軍に来た術士が納得してると大柄の術士にそう指示が出たことを教えて貰ったので皆がいる場所に移動するのだった。


 ー鬼サイドー


「なぁ?これじゃつまらん。もう行って良いか?」

「ハァ。まだ特級すら出てきてないじゃないですか。まだですよ、酒呑童子様。」


 鬼の王ともいえる妖怪【酒呑童子】未だ動かず。

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