第127話襲撃15
ー皇居ー
ぬらりひょんが忍びがしらと源弟と戦い始めたのと時を同じくして別の門でも妖怪の襲撃が起きていた。
「な、なぁ?襲撃の合図を受けてから他の門は攻撃を受けてるみたいだけど何でこの門は攻撃を受けてないんだ?」
「知るかよ。でも暇なら良いじゃねぇか。死なずにすむしな。」
「確かにな。」
「「ハハハハハハハ。」」
この門は襲撃自体はあるもののまばらであり比較的暇であった。
しかし、
「そうでもないぞ。ほれ。」
「でありますな。」
と言う声と共に
ズババババババババババババババババ
シュシュシュシュシュシュシュシュシュ
と地面から木が生え、何処からか斬撃が飛んで来た。
すると、
「「「「「「ギィィィィィィィィィ!!」」」」」」
と言いながら大量のタヌキが木々に貫かれ斬撃によって切り裂かれた。
「「な、なんだこれ!?どうなってるんだ!?」」
先ほどまで暇だと喋っていた二人はいきなり木や斬撃が飛んできてそれがいるはずの無いタヌキを倒したことに驚いた。
そんな二人の横にいつの間にか
「姿は隠しても気配がしていただろうが。」
「そうじゃのう。最近は術士の質も落ちたかの。」
と喋る宝樹院と将軍がおり二人は言葉を失った。
「…あ、あの~もしかして特級の宝樹院様ですか?」
言葉を失った内の一人がそう聞くと
「うむ。そうじゃ。」
そう肯定しながら宝樹院が腕を降ると
ズズズと地面から蔦が出てきてある地面を叩いた。
しかし
スパッ!
と地面を叩こうとした蔦が切られ
「うーむ。まさかワシの居場所までバレるとはの。」
と言いながら着物を着たタヌキが現れた。
「ふむ。お主が隠神刑部か?」
そのタヌキを見ながらそう宝樹院が聞くと
「うむ。いかにも。ワシが隠神刑部じゃ。」
タヌキが認めた。そんな隠神刑部に
「覚悟ぉ!!」
と将軍が切りかかるが
キンキン!
と隠神刑部も受け止めた。
「さすが妖怪!強いですな!」
ズバ!
そう言いながら再び切りかかる将軍だったが
「人間とは鍛えている月日が違うからの。」
スッ
と将軍に話しかけながらかわす隠神刑部。
「ほれ、お主らは侵入したタヌキを倒しなさい。ワシらは隠神刑部にかかりきりじゃろうからの。」
そんな一人と一体を見ながら宝樹院はそう門の周りにいた術士達にいうと隠神刑部と将軍に近付いていった。
キンキン!
ズバ!
シュ!
宝樹院が近付いていく時にも高速で斬り合いをしている刑部と将軍。ふたりの刀はもはや普通の術士であっても見えない程の早さになっていた。
「隠神刑部よ。なぜ貴様はこんなことをする。」
そう宝樹院が聞くと
「うむ。ワシらも住みにくくなった。昔と違い人間はワシらの縄張りだろうと関係なく入ってきては山を壊す。それにワシの部下達もその家族も何人も殺られておる。もう限界じゃて。」
と返された。
「であるか。」
「うむ。最も酒呑童子は強いつと戦いたいだけで九尾とぬらりひょんは道楽が目的だがな。たまたまだよワシらが集まったのは。」
「そうだったのか。」
そう宝樹院と刑部が話し合っているあいだにも将軍が切りかかるがすべて刑部の刀で受け止められている。
「しかし今この瞬間にも部下が倒されておりますぞ!できれば投降して欲しいですな!」
自身の刀を受け止められながらもそう将軍が言うが
「安心せい。これは全部ワシの幻術じゃ。部下はすべて故郷に残しておる。」
と想像を越えた事を言われた。
「…それは凄いですな。」
「うむ。ワシでも気付けんかった。」
「そりゃそうじゃ。部下の毛とワシの血を混ぜて作ったからの。疑似生命と言ったところかの。子も作れるぞ。」
今攻めているのがすべて刑部の幻術だというのでも驚いていたが子供も出来ると聞いて更に驚く二人に
「呆けていると死ぬぞ!」
と言いながら二人に斬撃を飛ばす隠神刑部。
「なっ!」
「くっ!」
その斬撃を将軍は斬撃で迎え撃ち宝樹院は木の壁を作り凌ぐのだった。
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