第125話襲撃13


 ー皇居ー


「少なくとも姿を隠す様なものではないね。同時に二人が殺られる時がある。かといってスピードを上げるものでもないねさっき結界を無視して攻撃したし、となると…うん。なんとなくわかったかも。」


 周りの術士を生け贄にしながらぬらりひょんの術を観察した源弟はぬらりひょんの術に当たりをつけた。


「おまえの術は空間に関係する術だろ。」


 ぬらりひょんの術に見当がついた源弟がそう呟くと


『ヒッヒッヒッ、良く気がついたな。だが気がついた所でどうすることも出来まい。』


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


 そうぬらりひょんが言うと今度はとある術士が身体の中から全身刃を出して死んだ。


『ヒッヒッヒ。どうじゃ?この攻撃をどうやって防ぐ?』


 そうぬらりひょんが笑っていると


「クックックッ。」


 源弟も笑い出した。


『どうした?恐怖でおかしくなったか?』

「いや?お前自分の術は完璧だとおもってるだろ?」

『何を当たり前の事を…。』

「うん。どうせお前自身は隔離した空間にいてそこから刃の部分だけ空間を移動して攻撃してるんだろ?」

『そうだが?ワシは隔離されておるから無敵じゃ。お主ら人間ごときが倒せるわけがない。ヒッヒッヒ。』


 源弟が笑ったことに気持ち悪さを感じたぬらりひょんだったが自身の鉄壁といえる術が破られる訳がないと再び笑いが込み上げてきた。すると源弟あある場所に移動した。


「…ここが怪しいな。気の流れが止まってる。」


 そう言い自身の刀をしまうと腰を深く落とし始めた。


(ん?ヤツはなぜワシが隠れている場所が分かった!それにヤツは何をしている?なぜワシの空間の前で刀をしまった。…まさか、不味い!)


 源弟が自身の隠れた空間を見つけたことも驚きだったが源弟がやろうとしていることに気が付いたぬらりひょんが急いで空間の端に避けようとした瞬間


「抜刀術、空斬り【そらぎり】。」


 と源弟が呟きいつの間にか刀は振り抜かれていた。すると一瞬の静寂の後に


 ゴウ!!


 と刀を振るった音とはおもえない程の轟音がなりぬらりひょんが隔離した空間を切り裂きギリギリで躱したぬらりひょんの片腕を切り落とした。


「見つけた。」

「!!!!!」


 隠された空間からでてきたぬらりひょんを見た源弟がそう言いながら再び刀を降るが


「そう何度も食らうわけがなかろうが!」


 とぬらりひょんは言いながら源弟が振るう刀と自身の間に空間を作りその空間に入った刀が源弟の背後から刀が出てきた。


「危ない!」


 源弟が自身の刀で切られるまさにその時、忍びがしらがそう叫ぶといつの間にか源弟は切り株になっていた。


「ぬぅ。あと少しだったのだが。」

「変わり身の術、間に合ってよかったです。」


 ギリギリで躱されぼやいたぬらりひょんにそう話しかけた忍びがしらに


「助かったよ。」


 と話しかける源弟。


「どう?ヤれそう?」


 そう続けて忍びがしらに聞くと


「どうやらヤツは空間を隔離するのが精一杯な様ですね。それならばやりようがあります。」


 と源弟に返した。すると二人の話を聞いていたぬらりひょんが


「な、なんだと!!特級でもないたかが一術士ごときがワシを傷つけるなどとおこがましい!」


 と怒りながら源弟が切り落とした方の腕に力を入れると


 ズボッ!


 と切り落とされた腕が生えてきた。


「ほう。」

「再生できるのは力を持った妖怪には良く見られる特徴ですがやはり厄介ですね。」


 そう言う二人に更に怒ったぬらりひょんは


「分かった!ならばとことん殺し合おうではないか!」


 といいながら


 パン!


 と手を合わせた


「異界【いかい】」


 手を合わせながらそうぬらりひょんが唱えると源弟と忍びがしらの二人に


 フワリ


 と風が吹くと

 お

「?ここは?」

「少し雰囲気違う?」


 先ほどまでぬらりひょんと戦っていた場所のはずなのに周りにいた術士や術士の死体がなくなっていた。


「ヒッヒッヒ。ここはワシの術で来た異界じゃ。この世界はワシの世界ではないがワシの術で来ることが出来ての。恐らく神かそれに準ずるものが作った空間であるが今はなにもおらんくてワシがつかっているんじゃ。さぁ殺し合いとしようか。」


 そういいながらぬらりひょんが現れると本格的な戦いが始まったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る