第124話襲撃12
ー皇居ー
月兎達を雨女が封じ込めている頃、月兎達が封じ込められたのと同時のタイミングで他の門も妖怪によって破られていた。
ドカーン!
「門が破られたぞ!」
「妖怪の大群が来るぞ!」
ガヤガヤ
「ホッホ。焦っているのう。だがワシを見つけるのは無理だろうて。」
破られた門の一つからすんなりと皇居の中に入り込んだのはぬらりひょん。周りには沢山の術士がいるにも関わらず誰もぬらりひょんには気付いて無かった。
「じゃあこのまま封印を解かせて貰おうかね…むっ!」
術士の群れを抜け八岐大蛇の封印を解きにいこうとするとするぬらりひょんにいきなりクナイが飛んで来た。
「「「「!!!!」」」」
「油断しすぎだ馬鹿者めが。」
いきなりクナイが飛んで来たのに驚いた術士達がぬらりひょんに気付くとどこからか忍びがしらが現れた。
「これ!年寄りには優しくしなさい!」
「妖怪がよく言うわ。」
ぬらりひょんが忍びがしらに文句を言っていたが背後から殺気を感じ急いで避けると
「チッ、外したか。」
刀を振り下ろした姿の源弟がいた。
「なんじゃお主らは!」
「特級・源だ。とっとと死んでくれ。」
「協会幹部の忍びがしらだ。」
怒っているぬらりひょんに源弟と忍びがしらが自己紹介をしている間に周りにいた術士達がぬらりひょんを包囲した。
「忍びがしら様!源様!ありがとうございます!」
術士の一人が忍びがしらと源弟にお礼をいうと、
「礼は良いからぬらりひょんから目を離すなよ。ヤツはすぐ姿を消すからな。」
「ハ、ハイ!」
と忍びがしらに怒られた。そんな忍びがしらと術士のやり取りを見ていたぬらりひょんは、
「ワシを見ていても見失うぞ~。」
と笑いながらスーッと消えてしまった。
「!どこだ!」
「どこにいった!?」
周りにいた術士達がぬらりひょんが消えたことに動揺している中忍びがしらと源弟はぬらりひょんの気配を探っていた。
(気配までしませんね。…源様はわかりますか?)
(いや、僕でもわからないな。相当気配を消すのが得意だね。)
「ガハッ!」
「「!!」」
中々ぬらりひょんの気配を感じられず忍びがしらと源弟がやきもきしているとぬらりひょんが消え動揺していた術士の一人がいきなり首から血を流しながら倒れた。
「一体何が!?」
「ぬらりひょんの仕業だろうね。」
源弟が更に動揺した術士にそう言うと
『ヒッヒ。正解じゃよ。さあ。ここにおる術士全員が死ぬのが先かそれともワシを倒すのが先か。勝負をしようじゃないか。』
ドサッ
といきなりぬらりひょんの声が聞こえて来たと思えばまた一人術士が首を切られて倒れた。
「ヒィィィィィィ!!」
また一人術士が殺られた事にパニックになった術士は自分だけを結界の術にいれうずくまった。
しかし、
『結界なんぞ意味は無いぞ。』
とぬらりひょんの声が聞こえると
「グキャ!」
と結界に閉じ籠ったはずの術士が死んだ。
「源様!どうしますか?」
忍びがしらが源弟に近づいてそう聞くと
「君しかまともに動ける術士はいないみたいだからね。しょうがない皆に逃げるように言おうか。で逃げるヤツをぬらりひょんが消すのを見てぬらりひょんの術を見極めようか。」
「…はっ。」
忍者よりよっぽど残酷な人だと思いながら源弟から出された命を他の術士達に伝える忍びがしら。
「お前達ではこのぬらりひょんのは叶わないだろうから今すぐ退避だ!このぬらりひょんは私と源様で倒す!」
そう忍びがしらが叫ぶと一斉に逃げ出す術士達。それを見たぬらりひょんは
『ヒッヒッヒ。今度は鬼ごっこか?楽しませるの。』
といい
「グハッ!」
「グッ!」
と逃げる術士達をどんどん殺していった。
「源様。ぬらりひょんの術が何かわかりましたか?」
「少なくとも姿を隠す様なものではないね。同時に二人が殺られる時がある。かといってスピードを上げるものでもないねさっき結界を無視して攻撃したし、となると…うん。なんとなくわかったかも。」
忍びがしらにぬらりひょんの術に対して聞かれた源弟はそう言うのだった。
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