第123話襲撃11
ー皇居ー
ドカン!ドカン!
雨女の攻撃を防ぐすべが無く万策尽きていた月兎達だったがそんな時観月が月兎にアイディアをだした。
『あるじ様。雨女とは雨を操る妖怪なのですよね?』
(あぁ。後雨に触れた水も操れるらしい。)
『なるほど…。でしたら策があります。』
(まじか!教えてくれ!)
『はい。あの雨女は雨を操るのならばーーーーーーー。』
観月が考えた作戦を聞いた月兎はいけるかもしれないと思い皆に言うことにした。
「おい。どうする?」
「て言うかこの雨の外はどうなってるんだよ。助けが全然こないじゃないか!」
「だってこの雨を出してる妖怪がこの雨の中にいるんだぞ。外からじゃ解けないぞ。」
そう話ている術士達を集めてさっき観月から出された作戦を伝える事にした。
「皆さんすいません!ある作戦があるんですけど聞いて貰えますか?」
「おう。どんな作戦なんだ?」
と月兎が皆を集め、作戦を話し始めた。
「はい。あの雨女は雨の水分を使った攻撃をしますよね。ならアイツの雨が効かない場所に行けばいいんだ。」
それを聞いた術士の一人が、
「雨の効かない場所ってそんな場所どこにもないだろ!」
と怒ったように月兎に詰め寄るが月兎は
「嫌々、あるだろ?」
詰め寄って来た術士を落ち着けた月兎はそう言いながら足元を指差した。
「「「「???」」」」
他の術士はなんの事やら頭の上にはてなマークが浮かんでいるので詳しい話をする事にした。
「まず土や石を操る術士にトンネルを掘って貰い、そのトンネルを使ってこの雨を抜けるっていう事です。」
と話すと炎や水を使う術士は無理だろう思ったが、土を使う術士達はいけると思い月兎の作戦を実行することにした。
「それだったら俺達の術でなんとか出来そうだな。」
「ほんとか!」
「あぁ。穴を掘るだけならそこまで難しい術じゃないからな。何とかできると思うぞ。」
「それだったら一人だけ穴を掘る方に回ってくれ。後の人達は各々また自分が最善だと思うことをして下さい!
「「「「了解!」」」」」
こうして新たな目標ができ皆がやる気に満ち溢れながら雨女の攻撃を防ぎ始めてからしばらく経つと、穴を掘り始めていた術士がトンネルの穴からひょっこり穴から頭を出した。
「皆さん!穴が出来ました!」
と言った為順番に穴の中へ隠れていく術士達。土を使う術士も入っていく為どんどん屋根の穴が大きくなっていくが構わず穴の中へ隠れていき、最後に月兎が穴の中へ滑り込み術士が穴を塞いだ瞬間、屋根がついに
ドカーン!
と崩壊した。
「危なかったな。」
と月兎が塞いだ後を想像しながらいうと、
「まだ安全じゃないですよ。さぁいきましょう。」
とトンネルに入った術士達は土の術を使いトンネルを掘り、炎の術で明かりを作り、水の術で水分補給をし、風の術で空気の入れ替えをしながら皆で少しずつ協力しつつ進んでいく月兎達だった。
ー皇居・雨女ー
「皆ぺしゃんこかしら。」
一方月兎達に雹を降らせていた雨女は屋根が潰れたのを確認するためにまた姿を現していた。
「こんなんで死ぬなんて聞いていた話より弱いわね。」
そう言いながら上機嫌で瓦礫の上を歩いていたがふと違和感を感じた。
「おかしいわね。…なにか見落としてるのかしら。一体何を…!」
違和感の原因を探す雨女だが分からずにモヤモヤしながらふと自分の持つ真っ赤な傘を見つめると
「!そうよ!血よ!血の臭いがしないし、何より私の雨に触れれば私が操れる様になるはず!…まどっころしいわ!えい!」
そう雨女が言うといままで降っていた雨が空中で止まり1ヶ所に集まると一つの大きな水球になった。それを雨女が落とすと水圧で瓦礫が吹き飛んでいき瓦礫がなくなった。
「やっぱり地面に血痕とかなにも残ってない…やつら逃げやがったわね!!!」
と瓦礫をどかした結果月兎達が逃げたことに気がついた雨女だった。
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