第122話襲撃10
ー皇居ー
ザー!ザー!
雨女に囚われてしまった月兎達は脱出しようとすると雨女の攻撃によって殺されることが分かったため雨女から隠れて脱出を試みる事にした。
そのため一旦は皆抵抗を止め、大人しくしていると
「あら、最近の術士は意気地無しでもあるのね。」
「ック!」
「駄目だ!下手に動くとミイラにされるぞ!」
雨女が煽るようなことを言って来たので術士が一人釣られて雨女に襲いかかろうとしたが他の術士にそう止められると
「クソ!」
と言いながら襲いかかるのを諦めると
「なんだ。かかってきたらミイラにしてやろうと思ってたのに残念。」
そう言いながら笑った。
「お前はせっかく人質を取ったのにそうやってイタズラに殺すのか。」
話を聞いていた月兎がそう聞くと
「だって私が頼まれたのは貴方に宿っている夜刀神を封じることだけだもの。他は何人死のうが構わないわ。」
などと言ったので、
「なぜそんなに人をオモチャのように扱う?」
と月兎が聞き返すと
「だってあなた達人間って私の事まるで悪口かの様に使うじゃない?出掛けるときに雨が降っていれば「雨女のせいだ。」、「お前は雨女だろ!」って人間がそんなに私の事が嫌いなら私だって人間の事嫌いになるわよ。」
そう雨女に返された。実際月兎も友達とそんなやり取りをしている自覚があったため雨女に強く返せないでいると、急に雨女がふらつき始めた。
「おかしいわね。この私がふらつくなんて…まさかあなた達私に何かしたの?」
そう雨女がふらつきながら聞いて来たので
「知らないぞ。」
と返したが
「いや、おかしい。絶対におかしい。…まぁ良いわ、一人二人殺せば吐くでしょ。」
とこちらの話を聞かずにまた術士をミイラにしようとした雨女だったが、
「?」
いくらミイラにしようとしても誰の身体からも水が出てくることはなかった。
「なんで?なんで誰の身体からも水が出てカラカラにならないのよ!」
そう叫ぶ雨女の前に雫が現れると
「身体の中の水は全て私達水を使う術士が貴方から奪い返しました!」
と言った。更に木野山も雨女の前に出て来ると
「お前がふらついてるのは俺の術が原因だな。お前はいま俺の術のせいで幻術を見るんだよ。地面が揺れてるように見える幻術のせいでどんどんたっていられなくなるぞ。」
と雨女に言った。すると雨女は
「そう。…そんなに死にたいのね。じゃあ殺してあげる!」
と叫んだ為月兎達は皆一斉に戦闘体勢をとったが雨女は雨の中に消えていった。
「逃げたのか?」
「嫌でも殺すって言ってたぞ。」
そう月兎達が動揺していると
ドカン!ドカン!
と屋根から衝撃音が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
そう皆で騒いでいると
『ウフフ。どう?これは雹の雨よ。屋根だかなんだか知らないけどこの雹でぶち破ってあげる。』
とどこからか雨女の声が聞こえると
ドドドドドドドドドドドドドドドド
と屋根に雹がマシンガンのごとくぶつかり出した。
「屋根ってどれぐらい持ちそうですか!?」
月兎が屋根を作った術士に聞くと
「そうだな。このままだとあまり持たないな。」
と言ったので急いで皆で対策を考えることにした。
「どうするよ。壊れた度に屋根を直すか?」
「でも直しきれなかったらどうするんだよ。」
「なら俺の炎で溶かすか?」
「それこそ溶かしきれないだろ。」
「じゃあどうするよ?」
「とりあえず屋根を直すして直しきれなくなったら炎で溶かすしかないだろ。」
そう話ている間にも
ドカ!ドカドカ!
と屋根に穴が空き始めた。
「不味いぞ!皆屋根を直してくれ!」
「了解!」
間に合わなければ炎で燃やしたり水の術士が氷を出して、月兎も毒のドームで氷を溶かしながら防いでいたがいよいよ庇いきれなくなってきた。
「どうする!このままだとじり貧だぞ!」
「どうするって…この雨は雨女を倒さなきゃ止まないだろ。」
と具体的な対応が中々思い付かない月兎達だった。
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