第121話襲撃9
ー皇居ー
「私がこの雨を降らせたんです。私の名前は【雨女】よろしくお願いします。」
そう月兎の後ろに急に現れた女が言った。すると月兎達と共に負傷者を運んでいた術士の内の一人が
「雨女だと!?皆!そいつがこの雨の原因だ!逃がすわけにはいかないぞ!」
と言った。
「「「「「!!」」」」」
それをきいた他の術士達は一斉に攻撃を加えようとしたが、
「あら?人間の術士は乱暴なのね。」
そう雨女が呟いた瞬間
ザー!ザー!
といきなり大雨が降り注いできた。
「!おい!皆大丈夫か!」
「「「「「大丈夫(だ)(です)!!」」」」」
素早く皆で無事を確認したがすごい雨で視界も良くなくまた雨音で声も良く聞こえなかった。
「どうしましょう!?」
「とりあえず俺の術で屋根を作ってそれを広げるから皆を集めてくれ!」
「分かりました!」
何とか手探りで一人の術士と合流した月兎はどうするかを話し合った結果月兎が術士を探しもう一人が屋根を作ることになった。
「といってもどうやって探せば良いのか…。」
『我の熱を見る能力で教えてやる。だが雨でからだが冷えると見えなくなるから早くしろ。』
そう言われた月兎は、早速破月に言われた場所をまわりこの雨に巻き込まれた術士達を回収し屋根を作っている場所まで戻ってきた。
「はぁはぁ。皆さん大丈夫ですか?」
「あぁ。…なんとかな。」
「なら良かったです。早速で申し訳ありませんが屋根作りを手伝える人は手伝ってもらうことは出来ますか?」
「任せてくれ。」
月兎が頼むと何人かの術士がそう言い屋根作りの作業に加わった。
「雫さんはここにいる水を使える術士の人達でこの雨をどうにか出来ないかやって貰えるかな?」
「分かったわ。」
「残りの術士の人達は雨女の警戒をお願いします。」
「「「了解!」」」
こうして雫達水を使う術士は雨女が降らした雨への介入を行い他の術士達は周りの警戒をするのだった。
ーしばらくしてー
「これで一旦は落ち着けるか。」
屋根は作ることができたが
「すいません。雨女の雨には干渉が出来ないみたいです。」
雫達水を使う術士は雨女の雨に干渉出来なかった。
「となるとどうやってこの雨から出るかだけど何か案のある人はいませんか?」
そう月兎が切り出すが中々誰も喋らないでいると、
「あら?あなた達でもどうにかなるレベルだと思ったのですが案外弱いのですね。」
「「「「「!!!!」」」」」
いつの間にかまた雨女が紛れていた。
「いつの間に!」
「ウフフ。雨女は雨が降っている場所であればどこでもいき放題なんですよ?」
またいつの間にかいることに驚きながら月兎が聞くと雨女は笑いながらそう答えた。
「私が頼まれたのは貴方に宿っている夜刀神を封じること。大変かと思いましたが思ったより皆さんが弱いお陰で楽に片付きそうです。」
そう雨女が笑いながら言うのでそれを聞いていた術士の一人が
「ふざけるな!」
と言いながら雨女に飛びかかったが急に
「!ゴホッゴホッ!」
と咳き込むと口から大量の水が出てきてそのままその術士はミイラになってしまった。
「!!!」「なッ!」「そんな…。」
他の術士達が言葉を失っていると、
「あなた達は私の雨に当たり続けていたのよ?そのお陰であなた達の身体の水分は私の思うがまま私に歯向かっても構わないけどこうなるわよ。」
と雨女はミイラになった術士を踏みつけながら言った。
「…どうする?」
「とりあえず言うことを聞くしかないだろうな。木野山。」
「分かってる。やってはみるぞ。」
「俺も似たようなことができるから手伝おう。」
「頼んだぞ。」
「私も身体の中にある雨女の水分を無くせないかやってみるわ。」
「任せた。」
「あなたは他の人達に今は待つように言ってきてください。」
「分かった。」
雨女にミイラにすると脅された手前派手に動く事が出来ない月兎達はこっそりと雨女に対抗する準備を始めるのだった。
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