第120話襲撃8
ー皇居ー
大きな音が鳴った場所に急いで来た月兎達の目の前には、壊れた門と周りに広がる倒れた術士達だった。
「これは…何があったんだ!」
そう月兎が叫ぶと少し離れた場所から
「ぅぅ…つ、月兎さんですか…。」
と声が聞こえた。
「!今の声は…一葉さんか!かずはさ~ん!土鼓ですか~!」
三人で一葉を探すが倒れている人が多いため治癒のお札を負傷者につけながら探すため中々一葉を見つけられないでいると破月が
『あそこにおる。』
と月兎に教えたため月兎は教えられた方へ行くと倒れた一葉がいた。
「一葉さん!大丈夫ですか?」
「えぇ。なんとか…。」
「一体何があったんですか?」
「酒呑童子が現れました…。ヤツは自信を改造し手を四つにしてもらい、更に筋力も上がっているようでした。この門も酒呑童子が遊びにきたと言いながら拳一発で簡単に破られました。その後、飽きたと言うと我々門を守る術士に殺気をとばし消えていきました。ここで倒れている術士は皆殺気を浴びたせいで倒れているんです。」
月兎は特級並みに強いとされている酒呑童子が現れたというのにも驚いたが殺気でここまでの人数の人が倒れるのには自分では倒せないなと感じた。
「あっ!一葉さん。これ、治癒のお札です。使ってください。」
「ありがとうございます。」
またここに酒呑童子が現れる可能性があるため倒れている術士を三人ではこんでいると
「これは一体…。すまないがなぜこうなっているのか教えてもらっても良いかな?」
と言いながら先ほど倒れていた術士達と同じぐらいの人数の術士達が現れた。
「はい。自分達もきたばかりで聞いた話になってしまいますがどうやら酒呑童子が現れ門を破壊すると殺気にてこの場にいた術士達を昏倒させいなくなったようです。」
と雫と木野山には引き続き負傷者を運んでもらいながら月兎が代表して答えた。
「なるほど、分かった。この場所は我々がひきつぐことにする。できれば君たちもこの場で戦ってもらいたい。」
月兎からの報告をきいた術士は月兎達もこの場に留まるように要請をし、月兎も、
「分かりました。」
と言い留まる事にした。
「では我々も負傷者を運ぶのを手伝おう。その前に…おい、君には酒呑童子がでたことを特級の方達に報告してきてくれ。」
「分かりました!」
月兎の返事をきいた術士は近くにいた術士に酒呑童子の事を報告させる指示を出すと残りの皆で負傷者を運んだ。
しばらくして負傷者も運び終わり門の修復は出来ないが変わりに即席の防衛施設を作り門から妖怪達が乗り込んでくるのを待っていると、
「グギャア」
と餓鬼や
「ギャ」
小鬼からなる群れがやってきた。
「まだ本体では無いか。ありがたいな。よしやるぞ!」
そういうと門から入ってきた小鬼の群れを囲うように出来た防衛施設の上から遠距離の攻撃を出来る術士達が一斉に術を放った。
「思ったよりまばらに来るな。何でだろうな。門以外の場所はあんなにいそがしかったのに。」
「恐らく酒呑童子の殺気をおそれて来ないのでしょう。来るのは殺気を読み取ることも出来ない雑魚でないとこないのでしょう。」
そう話ていると雨足が強くなってきた。
「また雨が酷くなってきたな。どんな妖怪が雨を降らせてるんだ?」
土の術士が作った屋根の下に避難しながらそうぼやくと
「あら?すいません。でも私だって晴れている日と言うのを味わってみたいです。」
と背後からいきなり話かけられた。
「!」
とビックリしながら振り向く月兎と先ほどの声が聞こえた面々。するとそこには白いワンピースに真っ赤な傘を持った女性がいたのだが一斉にみられたことで顔を赤らめ傘で顔を隠してしまった。
「あの~。今あなたが降らせたかのような発言をしてましたけどどう言うことなんですかね?」
と雫が勇気を出して女性に聞くと、
「私がこの雨を降らせたんです。私の名前は【雨女】よろしくお願いします。」
と女性が返すのだった。
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