第81話閑話 名もなき忍び2


 私は名もなき忍びである。

 新しく術士である中村 月兎の影の護衛という仕事を最近までしていたが、彼が強くなったためその仕事は無事終わった。

 次の任務まで自宅で英気を養っていると長老から連絡があった。


「…長老。呼んでいただいたらすぐ参りましたのになぜこんなところまで。」

「うむ。緊急で用事ができてしまったのできたのだ。」

「してその用事とは?」


 いきなり自宅に長老自ら来たことに疑問を感じ聞くとどうやら緊急かつ極秘の用事があるようだった。


「…実は協会から連絡があっての。一般人に呪いのをかけた人間がいるようなんだ。」

「な!本当ですか?…ということは名のある組織の仕業ですか。」

「それを調べる任務について貰いたい。どうやらその呪われた一般人が足立家の縁者であることが分かってな、足立家が凄く怒ってるんだ。」

「その任務受けることはやぶさかではありませんがいったいどうやって調べるんですか?」

「どうやら呪いをかけたやつは他の一般人も巻き込んだらしくてな。その者から追えるかどうかから調べることになっている。どうだ?やってくれるか?」

「分かりました。」


 そうして組織追跡の任務を受けた訳だが今回の事件にも中村 月兎が関わっていると知り驚いた。やつは中々に厄介な星のもとに生まれたようだ。

 そう思いながら任務にあった一般人の家にやって来た。どうやら呪い返しにより精神が不安定になっているようで部屋から出なくなってしまったようである。なので我らの任務は呪い返しの排除と術士の形跡を探すことである。


「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」


 ちなみに今回の任務には足立家から魔眼の術士もきている。


 ピンポーン


『はい。』

「我々依頼されて来ました佐藤心療内科です。愛理さんいらっしゃいますか?」

『はい。こちらです。』


 ガチャ


 家に入るとまず入れてくれた奥さんを睡眠薬で眠らせた。


「手際がいいですね。さすが忍びです。」

「昨今はあまり使わないがな。して部屋は何処かな?」


 そう一般人ーー愛理の居る部屋を探す二人。すると比較的直ぐ


『ーーーーーーーーーーーー』


 と部屋から声が漏れている所を見つけた。


「ここだな。」

「ええ。ですね。…入りましょう。」


 そうして部屋のカギを解き部屋に入るとベットの上で布団を

 頭から被り体育座りをしながら


「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ。」


 と何かを喋り続ける少女がいた。


「この子ですね。でははじめますか。」


 そう言うと魔眼使いが少女の呪い返しを解除する作業を始めたので此方は組織の証拠を探し始めた。


「コムギよ頼むぞ。」

「ミャーー。」


 術の痕跡を探すために私の相棒である猫のコムギに探して貰うことにした。


 ー数分後ー


「よし。呪い返しは治せました。そちらはどうですか?」

「いまコムギに探して貰ってます。」

「コムギ?…あぁ。忍び猫ですか。なんでも術を探せるとか?」

「はい。元々猫は魔に誓い生き物ですから術を探しやすいんです。」

「そうなんですね。」

「ミャーー。」

「っと何かを見つけたみたいですよ。」


 そう言い二人でコムギに近づくとコムギがお守りを咥えていた。


「このお守りから何かを感じるというとこですか?」

「だな。コムギよ貸してくれ。」


 そうコムギからお守りを貰うとお守りを開けた。


「ちょ!そんなに無造作に開けるものでは!もし本物のお守りだったらどうするんですか!」

「本物のお守りなんて持っている方が珍しいんだ一般人が持っているわけないだろう。」


 魔眼使いに止められたがそんなの関係ないと中を出すと髪の毛が出てきた。


「これは…。」

「組織の者のだろうなよし。タイガ頼む。」

「ガゥ。」


 そう私が呼ぶと影から狼が出てきた。


「犬…ですか?」

「いや、ニホンオオカミだ。我らの一族が絶滅する前に保護してな。そこから共に任務に出る仲だ。」

「そうなんですね。」

「あぁ。」

「ガウ!」

「見つけたみたいだな。行くか。」

「分かった。」


 こうして組織のアジトを探す我らだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

明日に続きます。

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