第74話手長・脚長1
ー帰り道ー
『キシシシシ!』
「おりゃ!」
海野家から帰りながら妖怪を探していた月兎と破月だったが手長・脚長に襲われていた。
「破月!こいつは巨人じゃないんだから毒効くだろ!」
『わかってるがこやつら何故か反応が良すぎる。我が攻撃しようとするとなぜか躱される。』
月兎が手長・脚長の気を引いているうちになんとか毒を浴びせようとしていた破月だったが何故かいつも直前でバレ躱されしまっていた。
『あるじ様!手長・脚長が攻撃を躱すのは恐らく手長と脚長が独立しながらも思考などが繋がっているからだと思います!』
「思考が繋がってる?」
『はい!』
「わかった!破月!ちょっとの間任せた!」
『なるべく早くしろよ!』
観月に詳しい話を聞くために手長・脚長を破月に任せ話を聞くために少し離れた場所にきた。
「で?思考が繋がってるってどういうこと?」
『はい。我々妖怪や霊獣・精霊・聖獣といったもの達の中には複数体で一生物といったものがいます。』
「観月達みたいにか?」
『はい。我々のようなもの以外にもカマイタチなども有名です。』
「あぁ。三体いるって言われてるな。」
『そういったもの達には共通するのですが、ある程度念話のようなことが出来るのです。』
「つまりさっきから破月の攻撃が読まれてるのは。」
『はい。恐らく彼らはかお互いの死角をカバーあっているのではないでしょうか。』
「なるほど厄介だな…。」
『はい。あと…。』
『おい!もう一人はキツいぞ!』
「わかったすぐ行く!」
観月はまだなにか月兎に言おうとしていたがもう破月が手に終えなくなってきたので急いで破月のカバーにはいった。
「お待たせ!」
『なにかわかったか。』
「恐らく手長・脚長はお互いがお互いを援護してるんだって!だから攻撃が当てにくいみたい。」
『なるほどな。だがまぁまずはあの手長を脚長から引きずりおろすか。』
そう破月は言うが手長がその長い手をうまく使って脚長や自身に月兎と破月が近付けないようにしていたし、脚長その長い足から繰り出す足技や、近付いたら遠くに逃げるといったことから月兎と破兎は攻めあぐねていた。
「どうす破月!このままじゃあじり貧だそ!」
『キシシシシ!』
「おっ!」
破月になにかアイディアがないかと聞く月兎だが手長・脚長が容赦なく攻められていた。
『ううむ。手がないわけではない。』
「なにっ!どうすんのっ!」
『簡単だ。お主に観月を使って脚長の視覚を奪って貰う。そして慌てている脚長に我が毒を食らわせるといったものだ。』
と破月が作戦を述べると観月が
『わたしは一体の視覚を奪うのが精々ですよ?』
というが
『構わん一瞬でも隙があれば良い。』
と破月におされたため
『なら…。』
と破月の作戦になることにした。
そうして相手の警戒を解くためにある程度真正面から戦う月兎。
「おりゃ。ほら!しかしあの細腕からこんな斧をふりまわせるんだろうな。」
『妖怪ですからね。実際の見た目から違うのはあたりまえですよ。』
「そりゃそうか!ッッッ!!オイショ!!!!!」
観月と月兎が話しているとイラついたのか手長が思いっきり斧を振り落としてきた。
それを見た月兎は今だと思い右手で目を隠すといきなり目が見えなくなった脚長は慌てて転んでしまった。
「!今だ破月!」
『分かってる!』
月兎が破月に合図を送ろうとしたがすでに破月は脚長に向かって毒牙を突き立てていた。
『よし!毒を注入した!これで脚長は終わりだ。』
「よくやったぞ!は…づき…。」
脚長を毒状態にして喜ぶ破月と月兎だったが、毒状態になり弱っている脚長が這いながら手長の元に行くと何故か手長はもっている斧で脚長を殺した。月兎がその状況に理解できないでいると死んだはずの脚長がまた元気に動き出した。
『!なぜだ!確かにヤツは我の毒を浴びたはず!』
破月も理解できないでいると
『あるじ様これがさっき言おうとしていたことです。複数体で一生物のものは大体が同時に倒さなければいけないのです。』
観月が恐ろしいことを言うのだった。
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