第71話家族


 ー海野家ー


「ふー。分かりました。」


 そう調べていた男が言ったことで皆が男に注目した。


「どうやらお二人は血縁関係があるようですね。」


 そう男が言うと


「おぉ。家族ですか!」


 そう言うと秀人は嬉しそうに梨沙の方を向き挨拶をした。


「では改めて足立 秀人だ。兄と思ってくれると嬉しいよ。」

「足立 梨沙です。よろしくお願いします。」

「我が足立家は古くから武将としても活動していた家で身体強化の術を主に使った戦いかたをしているんだよ。だから梨沙ちゃん…呼び捨てで良いかな?…「はい。」ありがと、梨沙も恐らく身体強化の術を使えると思うんだけど身体強化を使える術士の特徴として術を使ってない状態でもある程度身体が丈夫っていうものがあるんだけど梨沙はどうかな?」

「そういわれれば私は陸上部ですし、一応一番足が早いです。」

「おぉ。まさしくだね!梨沙はスピードタイプなんだね。」


 梨沙と秀人の話を聞いていた月兎は気になる事があったので秀人に聞いてみた。


「すいません。身体強化の術士に会うのははじめてなんですがスピードタイプってなんですか?」

「そうですね。梨沙も分からないだろうから説明しますね。スピードタイプというのは身体強化の特徴をさします。」

「特徴?」

「そうだよ梨沙。月兎さんは遠距離タイプの術士は知っていますよね?」

「まぁはい。」

「でしたら遠距離タイプの術士は様々な術が使えますよね?」

「木火土金水の事ですか?」

「はい。また、月兎さんのような特殊な術をつかう術士も様々なタイプがいますよね?」

「そうですね。」

「それと同じ様に身体強化の術士にも一重に身体強化といっても力が強化されるパワータイプや梨沙のような速さが強化されるスピードタイプ。治癒能力や防御力があがるディフェンスタイプ。聴覚や視覚・触覚などが強化される他の術士を補助するサポートタイプなどがいます。これが身体強化の術士が持つ特長ですね。」

「なるほど。」


 秀人が月兎と梨沙に対しての説明をし月兎が納得していると、


「じゃあ私はスピードタイプなんだ。」


 と梨沙が言った。


「そうだね。とりあえずスピードタイプだね。」

「とりあえず?」

「うん。希にスピードタイプでありながらサポートタイプでもあったり、サポートタイプでありながらパワータイプでもあったりといった複数の強化が使える人がいるんだよ。」

「そうなんですね。」

「まあ可能性は少ないけどね。」


 それを聞いていた月兎はもしかしたらてと思い


「てことは二人いる特級の身体強化の術士って複数の強化が出来るって事ですか?」

「あぁ。二人とも全てを強化できるよ。」

「全てですか?」

「パワー・スピード・サポートすべてのタイフだね。」

「スゴいな。」

「ちなみにどの一族なのかによって強化されるタイプに偏りがあるが、それも確実とは言えないよ。」

「じゃあ足立家はどうなんですか?」

「我が一族は梨沙と同じでスピードタイプだよ。スピードを活かした抜刀術が得意な一族だよ。」


 そう三人で話していると一が話しだした。


「では新しく我ら術士の仲間が増えた素晴らしい日ということでぜひ食事会といきましょう。」

「おぉ。一殿ありがとうございます。」

「では行きましょう。」


 そういうと皆で食事会場に向かった。


「どうですかな?」


 食事会場に着くと沢山のご馳走が用意されていた。


「スゴいですけどこれ食べきれますか?」

「大丈夫ですよ月兎さん。身体強化の術士は大食いですから。秀人さんが食べてくれますよ。」

「雫ちゃん。自分を残飯処理みたいに言わないでよ。」

「足立さんって海野家の方達と仲が良いんですか?」

「ん?そうだね。妖怪の中にはしか効かない妖怪や遠距離から攻撃してくるタイプなど相性があるからね。大体の家は同盟を組んでいるのさ。で、我が足立家は海野家と同盟を組んでいるから仲は良いよ。」

「へ~。そうなんですね。」

「うむ。では早速食べようか。」


 と一がいうと皆ご飯に手をつけだすのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る