第67話見てみようかねぇ。
ー病院ー
麻椰ばぁと初めて会ってから三日後、麻椰ばぁと財前さんと話をしてなるべく早くなおした方が良いとのことだったので今日なおすために財前の病院で処置することになった。
「しかし月兎君本当に大丈夫なのかい?」
「はい。大丈夫です。その道の専門家ですから。」
と心配している財前を落ち着かせながら月兎自身も初めて会った時はさっさと追い出されたし、電話をしても『早く会わせな。』の繰り返しだったので不安だった。すると、
「ここかい?全く、遠いね。」
と言いながら麻椰ばぁが病院に入ってきた。
「麻椰さん。こっちです。」
「全く。遠いよ月兎。あと私のことは麻椰ばぁと呼びな。」
「は、はぁ。分かりました麻椰ばぁ。」
「ん。じゃあ準備をするよ。処置をする場所は何処だい!」
「こ、こっちです。」
麻椰ばぁはそばにいたナースを捕まえると、とっとと行ってしまった。
「月兎君。キミスゴい人と知り合いだね。ビックリしたよ。
「?財前さん知ってるんですか?」
「あぁ。あの方は畑中 麻椰さんだろ?日本医学界の裏のドンさ。」
「そうなんですか!?」
「あぁ。あの御仁は日本が戦争をしているときから無免許ながら様々な地を巡って何万という人を救ってきた人さ。その功績もあって逮捕もされないで免許を交付された人さ。」
「そんなスゴい人だったんですね。」
「当時の政治家の中にも助けられた人がいたらしくて頭が上がらない人も多いそうだよ。」
「はぇ~。」
「ていうか、月兎君こんなスゴい人と知り合いだったら宝樹院ともどうにかなったんじゃない?」
「ハハ。知り合ったのが最近なんで。」
そう二人で話していると奥から
『何してんだい!早くこっち来て手伝いな!』
と麻椰ばぁの声が聞こえてきた。
「さぁ。準備しに行くぞ!」
「はい。」
慌てて手伝いにいく二人だった。
ーしばらく経った病院ー
麻椰ばぁにいわれるがままに準備を終わらせた月兎と財前が足立さん達を待っていると二人がやって来た。
「足立さん!よくいらっしゃいました。処置をはじめましょうか。」
「はい。お願いします。」
財前が足立祖母にそう話し掛けると祖母が頭を下げながらそう言った。
ー手術室ー
梨沙ちゃんを連れて手術室に行くと麻椰ばぁが
「来たかい。早速やるよ。まずそのアザを切って中から悪いものを出すよ。」
といった。すると梨沙が
「あの、前も病院で切って貰ったんですけどなおりませんでした。」
とその処置は受けたと言った。
「大丈夫だよ。切ったあとに私のクスリを遣うからね。これでなおるよ。」
「は、はあ。」
しかし麻椰ばぁはそんなことは当たり前と言わんばかりにどんどん梨沙ちゃんを処置台に乗せた。
「まずは患部を麻痺させてから切るよ。」
そういうとなにやら黄色い汁をアザにかけた。
「どうだい?」
「なんかピリピリします。」
「そうかい。じゃあ早速行くよ。」
「えっ?ちょっとまっ!」
梨沙が麻椰ばぁに患部がピリピリすると答えると麻椰ばぁはいきなり患部をメスで切った。すると、
『ギャァァァァァァァァァ!!!』
と何かが叫ぶ声が聞こえた。
「ッッッなんですか!?この叫び声!」
いきなり聞こえた声にビックリしながら月兎が聞くと
「このメスは特別でね。生き霊をダメージありで送り返すことが出来るんだよ。」
と麻椰ばぁが返した。
「ちょ!麻椰ばぁ!財前さんが聞いてますよ!」
「大丈夫だよ。術を使う才能がないと聞こえないよう細工をしたからね。」
「…抜け目無いですね麻椰ばぁ。」
いつの間にそんなことをしていたのかと月兎が思っていると
「はいこれで終わりだよ。」
と麻椰ばぁが言った。
「え?もうですか?」
と梨沙が聞くと
「そうだよ。さぁあっちで薬について話そうか。あなたたちはここを片付けといてちょうだい。」
そうして麻椰ばぁが梨沙ちゃんに薬の話をしている間月兎と財前があと片付けをしていると、少し慌てたように麻椰ばぁがやってきて使うを呼んだ。
「ちょっと!月兎こっち来な!」
「なんでですか?」
「良いから来な!」
こうして麻椰ばぁに引き摺られるように案内されるとその先には梨沙ちゃんがいた。
「で?どうしたんですか?麻椰ばぁ?」
「ほら、さっき私に言ったことこの子にも言いな。」
と言われた梨沙ちゃんは月兎に
「あのさっきわたしが呪われたとか言ってましたけどどういうことですか?」
と言ってきた。一般人にはバレないように術を施したはずなのに梨沙ちゃんが月兎達の話を理解できていたので思わず
「マジ?」
と麻椰ばぁに聞いてしまった月兎に麻椰ばぁも
「マジ。」
と返すのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます