第64話新しい力


 ー自宅ー


 ピピピピピーピピピピピー


「ッツー。…朝か。仕事行かなきゃ…。」


 夢の中で破月に会い新しい術を手に入れた月兎だったが例のごとく新しい術を手に入れるために破月に噛まれたので寝付きも目覚めも最悪だった。


「あーーー。頭痛ぇ。」

『起きたか。』

「あぁ。起きたよ。おはよう。」

『うむ。では早速我を出してみろ。』

「いや、会社行かなきゃだからダメだって。今日の夜妖怪退治に行くからその時で良いでしょ?」

『むぅ。分かったがなるべく早くするのだぞ。』

「分かってるよ。じゃあ会社行くか。」


 こうして破月のために早く仕事を終わらせようと思いながら会社向かった。


 ー会社ー


「おはようございまーす。」

「お、おはよう月兎君。」

「おはようございます。」


 会社につき自分の部署に行くと課長がおり、あいさつをすると自分のところにやってきた。


「月兎君。今回の騒動で月兎君に特別手当が払われることになったよ。」

「本当ですか!」

「うん。来月の給料に足されるらしいよ。」

「ありがとうございます!」

「じゃあこれからも頑張ってね。」

「はい!」


 そういうと課長は自分の席に戻っていった。


 思わぬボーナスが入ることとなり上機嫌で仕事をしていると


 ピピピーピピピー


 と電話がなった。


「ん?財前さんから電話だ…どうしたんだろう。」


 ガチャ


「はい。中村です。財前さんどうしました?」

『あぁ。月兎君あのね、少し相談したいことがあるんだけど今いいかな?』

「大丈夫ですよ。どうしました?」

『いやぁ。実は変わった病気にかかった子がウチにきてね。少し薬の相談をしたいんだよね。』

「変わった病気ですか?」

『うん。調べても出てこなくてね。』

「もっと大きな病院でも分からないんですか?」

『らしいよ。その子の祖母がウチに昔から通院中しててね。もしかしたらってことでウチにきたんだよ。』

「そうなんですね。」

『それで今日学校が終わってからウチに来るみたいなんだよ。』

「なるほど…じゃあ自分もこれから行って良いですか?症例にあった薬を紹介したいので。」

『そうだね。とりあえず相談して良かったらまた連絡するよ。』

「分かりました。では。」


 ガチャ


 こうしていつでも行けるように準備をしていると財前から再び電話がかかってきて見ても良いという許可がおりたので課長事情を話して病院に行くことにした。


「課長。財前さんが相談したいことがあるそうなので病院の方に行ってきます。」

「気付けてね。」

「はい。行ってきます。」


 こうして病院に行く月兎だった。


 ー病院ー


「財前さん。間に合いました?」

「月兎君。いや、急に済まないね。」

「いえいえ。ところでどういった症状なんでしょうか?」


 病気についた月兎は早速財前と患者が来る前にどうしましたいった症状なのか聞くことにした。


「なんでもお腹にアザが出来てどんどん体力的がなくなってきているらしいよ。」

「…それだけ聞くとありそうな話ですけどね。」

「でもどうやらアザが出来た理由分からないんだよね。何処かにぶつけたりしたわけでもないらしい。」

「なるほど。」

「あとアザが出来てから疲れやすくなって倒れたこともあったらしい。」

「そうなんですか?」

「うん。で…これが厄介なんだけどどうやらアザが変な模様らしくてね。しかも腐ったようなニオイがするらしい。」

「変な模様ですか?」

「なにやら顔に見えるらしいよ。」

『ほう。』


 症状について財前と月兎が話していると破月が興味を示した。


(どうした?いつも俺の仕事なんて興味無さそうにしてるのに。)

『それはな。恐らく今話しているのが病気ではなく呪いだからだ。』

(呪い!本当にそうなのか?)

『実際に見て見なければ判断は出来んが顔のようなアザがあり腐ったようなニオイしていて気力が奪われていくのは呪いの特徴と一致する。』

(じゃあいったいどうすれば!)

『落ち着け。まずはその呪われたであろうものを見てからだ。』

(そ、そうだな。)


 思わぬところで呪いに遭遇し動揺してしまった月兎だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る