第60話久しぶりの妖怪退治


 ー街中ー


 後輩のまどかと別れた後久しぶりに妖怪を倒そうとしていた。


「よっし。やるか。」

『お主酔っているのに大丈夫なのか?』

「そんなに飲んでないから大丈夫。そこまで強いヤツを倒す気もないしね。」


 そう言いながら駅から遠ざかっていく月兎。繁華街のビルの隙間を覗くとゴミを漁る餓鬼達がいた。


「おっ。餓鬼がいる。」

『そんな雑魚さっさと倒せ。』

「はいよっと。」


 餓鬼を見つけた月兎は破月に言われたとおりすぐ片付けるために左腕から毒の煙をだし餓鬼の顔に纏わせた。すると、


「ギ?…グ、グギッ。」

「「「「ギャギャギャギャギャ!…グ。」」」」


 餓鬼達はすぐにに倒れた。


『うむ。では喰うぞ。』

「どうぞ。」


 餓鬼達が倒れたのを確認すると破月は月兎の左腕から現れ餓鬼達をあっという間に食べた。


『久しぶりだから足らん。』

「これからだからゆっくりいこうよ。」

『分かった。』


 そう言いながらまた妖怪を探し始める月兎。


『そういえばお主妖怪の事協会にはどう報告するんだ?死体とか無いから証明しようがないだろ。』

「なんか妖怪の死体を術に使う家とか自分達で死体を使う家とか式神に妖怪を与える家とかがあるから死体は必ずしもいる訳じゃないんだってさ。」

『そうなのか。』

「うん。なんか知らないけど嘘の報告をするとばれるらしいよ。」

『ほう。そうなのか。』


 そういいながら歩いていると


『あるじ様。少し行った所にまた集団で餓鬼がいます。』


 と観月が言った。


「じゃあそっち行こうか。」

『はい。』


 そうして観月に案内された場所にいくと餓鬼が沢山いた。


「じゃあさっきみたいにヤるよ。」


 そういいながらまた毒の煙を餓鬼達の頭に纏わせると


「「「「「ギャギャギャギャギャギャギャ…。」」」」」


 と死んでいった。しかしまとまっていた餓鬼の中からひとまわり大きな餓鬼がまだ生きており月兎に飛び掛かってきた。


「ギャギャギャッ!」

「っとあぶな。」


 月兎は飛び掛かってきた餓鬼を躱すと餓鬼はそのまま口から泡を出すとそのまま死んだ。


「なんかこの餓鬼デカくない?」

『成長して小鬼に成りかけているな。』

「そうなの?なんでここまでほっといてたんだろう。」

『協会が最近妖怪が増えてきたとか言っていただろ。手がまわって無かったんだな。』


 倒せたとはいえ普通の餓鬼とは大きさもタフさも違った餓鬼がいたので月兎が疑問に思っていたと、倒した餓鬼達を食べながらそう破月が言った。


「なるほどな。」

『あの…あるじ様。実はまた妖怪を見つけたんですが。…どうやらネズミの怨霊のようです。』

「げ。アイツか。どうしよう。雫ちゃん達に言った方が良いかな?」

『あれは異常な個体だっただろうが。そんなことしないで早く倒しに行くぞ。』


 そう破月に急かされ急いで観月に場所を教えて貰いその場所にいくと、


「ヂューヂュー。」

「うわ。餓鬼を食ってるよ。」

『我も食べているがな。』

「破月とは違うじゃん。見てよあれ、何匹も集って食い破ってるじゃん。グロいよ。」


 死んだ餓鬼に何匹ものネズミの怨霊が群がり餓鬼を食べていた。


『そう思うなら早く倒せ。』

「はいよ。」


 そう言いながら今までの餓鬼達のようにサクッとネズミの怨霊を倒しその死体を破月が食べた。


「にしても手応え無いな~。」

『我ももう少し強いヤツを食べたいぞ。』

「でも今日もそれなりの時間だからもう帰んなきゃ。明日また探そうよ。」

『本当はもっと食べたいがしょうがないだろうな。』


 月兎は破月が食べ終わるのを確認すると自宅に帰るために駅に戻った。


 ー協会ー


 月兎が家に帰っている頃協会の支部長である九条 鈴華は最近起こっている妖怪の大量発生に頭を抱えていた。


「なんでこんなに妖怪が増えてるのよ!しかもウチの支部だけじゃなくて全国的に!」

「しかも雫さん達が遭遇したような改造の痕跡のある妖怪もポツポツ見つかってますもんね。」

「そうなのよマスター!その事で支部長は皆てんやわんやよ!」

「まぁこのホットミルクでも飲んで落ち着いてください。」

「ありがとう。………美味しいわ。」

「今日はもう少し帰って明日また作業しましょう。」

「そうね。」


 九条 鈴華。やはり健康と美容に力をいれたいお年頃だがなかなかできずイライラしているのであった。

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