第50話いざ会議
ー宝樹院製薬ー
宝樹院グループの内部調査委員である植田とした会議から2日後社長と月兎は宝樹院製薬に向かっていた。
「社長。植田さんとは何処で落ち合うんですか?」
「宝樹院製薬の前で落ち合うことになっているよ。」
「なるほど了解です。」
そう言いながら二人が歩いていると後ろから話掛けられた。
「社長!中村さん!おはようございます。」
「植田さん。おはようございます。」
「おはようございます。早速で悪いんだが宝樹院製薬にいっても良いかな?」
「「はい。」」
植田が加わり三人になった月兎達は宝樹院グループの中にはいっていった。
「すいません。」
「はい。」
「宝樹院製薬の木野山社長とこれから会議があるものなんですが木野山社長に取り次いでもらえますか?」
「かしこまりました。」
社長が受付で木野山に連絡をとっている時、植田が月兎に話し掛けてきた。
「中村さん。」
「?はい。どうしました?」
「会議室に入ってから私はなるべく気配を消しているので社長のサポートをお願いします。」
「分かりました。」
「それから木野山はかなり暴れると思うのでそちらの対応についても話し合ったとおりでお願いします。」
「はい。」
そう話し合っていると社長が受付から帰ってきた。
「社長室にと通してくれるそうだよ。いこうか。」
「「はい。」」
「ではこちらです。」
と受付嬢に案内されて社長室に行くためエレベーターで上に向かった。
「上の階に着きましたら社長の秘書が居りますのでそこからは秘書が案内をします。」
「分かりました。」
そうエレベーターの中で話しているとあっという間に社長室がある会議室に着いた。エレベーターの扉が開くと秘書の人が立っていた。
「ようこそお越しくださいました。では、こちらです。」
「分かりました。受付の方もありがとうございました。」
「いえ。では。」
そう言うとエレベーターの扉が閉まった。月兎は秘書の人に案内をされながら破月と話しだした。
(ねえ破月。さっきまで案内してくれてた受付嬢とかこの秘書の人とかは香りの術にかかってる?)
『我は術の発動を見ていないから分からんな。三猿のやつらなら分かるだろうが。』
そういわれたので今度は観月達に聞くことにした。
(観月達だったら分かる?)
『そうですね。彼女たちやこの建物からは匂いはしないので香りの術は使われていないと思いますよ?』
(意外だな。木野山のことだから香りの術を乱用してるのかと思った。)
『何に重きを置いているかの違いだろう。ヤツは金儲けに重きを置いているから金儲けに術を使っていたんだろう。これで女が好きなヤツだったら女関係に術を使っていただろうし、戦闘が好きだったら戦闘に術を使っていたのだろうな。良くも悪くも自分の好きなことはどんな手段をも使うが興味がないことにはあまり関わらない性格なのだろえな。』
(それが金儲けだったから巻き込まれたのか。巻き込まれ側からするとたまったもんじゃないな。)
『全くですね。』
と破月や観月達と話していたら社長室に着いた。
「こちらでございます。」
そう秘書の人が言うと扉をノックした。
コンコンコン
「社長。お連れしました。」
「入ってくれ。」
「分かりました。ではどうぞ。」
そう秘書の人が言いながら扉を開くと、この間とは比べ物にならない位の甘い匂いが三人に降りかかった。
「うっ!し、失礼するよ。じゃあ行こうか。」
「「はい。」」
強烈な匂いに耐えながら社長室に三人が入ると木野山が笑いながら席を進めてきた。
「まぁ座ってゆっくりと話そうか。キミ、飲み物を持ってきてくれるかな?」
「かしこまりました。」
木野山はそう秘書に飲み物を頼んだ。
(何で秘書はこの匂いを嗅いでも何ともないんだ?)
そう疑問に思っていると破月が答えた。
『ヤツがあの女には術が掛からないように調整しているな。普通の香りの術士はそんなことできんぞ。ヤツはお主達が考えているより手強いかも知れんな。』
そう破月に言われて人知れず冷や汗をかく月兎だった。
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