第49話顔合わせ


 ー会議室ー


 課長に木野山との会議に行く際なぜか自分も参加するということを知らされ驚いていた月兎だったが課長が会議について宝樹院の内部調査委員から言いたいことがあるので会議室に来てほしいと知らされ急いで会議室に向かった。


 コンコン

「失礼します。第三営業課から参りました中村 月兎です。」

「入ってくれ、」

「はい。」


 会議室への入室許可が出たので中に入ると会議室の中には社長と知らない人がいた。恐らく知らない人は宝樹院グループの内部調査委員だと思いながら自己紹介をした。


「はじめまして。第三営業課の中村 月兎です。」

「はじめまして。自分は宝樹院グループ・内部調査委員の植田と言います。」


 月兎と植田お互いの自己紹介が終わると社長が話し始めた。


「急に悪いね月兎君。」

「いえ。会社の一大事ですから。しかし、なぜ自分なのでしょうか?大手の相手は第一営業課や第二営業課が適任では?」

「それについてなんだがこちらの植田さんと話していてね二人で行くのは少ないとなったんだが、三人で行くとなるとその者へのリスクが高いとなってな。どうしたものかと考えていたらそういえばついて君は前回木野山の催眠が効いてなかったことを思い出してね。どうだろうか?一緒に木野山との会議に来てはくれないか?」


 まさか木野山の術が効かなかったことが原因で呼ばれたとは思わなかったのでチラリと植田を見ると笑っていた。


(!この人俺のこと知ってるな?まぁ実際木野山の術は効かないから行っても良いか。)


 と植田も術士側の人間だと察したが社長がいる前で聞くわけにいかず特に植田と話すこともなく月兎は会議についていくことを了承した。


「分かりました。自分も一緒にいかせてもらいます。」

「おお!ありがとう月兎君!木野山との会議は明後日だからな。詳しい話はまた後で話すよ。」

「では自分はもう帰りますね。月兎さん案内お願いできますか?」

「はい分かりました。」

「では私は失礼するよ。」

「「はい。」」


 月兎が了承すると社長は上機嫌で会社室を後にした。


「…では改めて自己紹介をしますね。宝樹院家の分家の出である植田ともうします。」

「あっ。自分は中村 月兎です。」


 社長が居なくなったタイミングで改めて自己紹介をしだした植田


「中村さんには御当主様や守護神であられる与助様から改めて謝罪を行いたいとのことです。」

「は、はぁ。守護神って特級の方ですよね?宝樹院家の当主もですけどそんな方々に自分は知られているんですか!?」

「えぇ。今回の件も中村さんがどんな方か調べようかとした際に木野山の悪事が発覚したんですよ。」


 とビックリすることも聞かされた。


「ちなみに中村さんはこちらの事情も知ってらしたんで会議に加わってもらいました。」

「なるほど。」

「そこでたのみたいことがあるんですけどよろしいですか?」

「…一体何を?」

「木野山の悪事を確認次第木野山を捕まえたいんですが万が一木野山が暴れた際そちらの社長の身の安全を確保してほしいのと場合によっては身柄の拘束も手伝っていただきたい。」


 といいながら頭を下げた植田。


「あ、頭をあげてください!もちろん手伝いますよ!」

「ありがとうございます。」

「それで聞きたいんですが木野山に植田さんがバレることは無いんですか?」

「それは無いですね。我ら植田家は宝樹院家の分家の中でも内部調査を主とする家ですので存在は噂知られていますが実際に詳しく知っているのは歴代当主と守護神だけです。」

「なるほどじゃあバレることはないんですね。」

「はい。その点は心配しなくて大丈夫ですね。」

「良かったです。」

「…他に質問はありますか?」

「無いですね。」

「では自分はもう行きますね。明後日の準備もあるので。」

「分かりました。じゃあ下まで案内しますね。」

「ありがとうございます。」


 こうして宝樹院の内部調査委員である植田を出口まで案内した月兎だった。

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