第31話修行パート4
ー食卓ー
夢の中での破月との話し合いが終わり夕飯を食べている時、当主から次の修行についての話をされた。
「月兎君。今回で話し合いは一旦終わりにして今度は戦闘の訓練にいこうか。」
「でも三猿とはまだ話してないですけど大丈夫ですか?」
「三猿は力を抑制された姿らしいからね。恐らくその状況で融合はしないだろうから今のところは大丈夫だよ。」
「分かりました。」
「じゃあ明日からは真二と戦闘訓練をして貰うよ。真二も良いね。」
「「分かりました。」」
ー夕食後ー
夕飯とお風呂を終わらせて部屋でゆっくりとしていた月兎は少し破月達と話すことにした。
「そういえば破月さっき話してた頭に響く声ってまだ聞こえてるの?」
『いや、新しい贄が来なくなってからしばらくしてから聞こえなくなったな。それが慣れたからなのか声のもとが無くなったからなのかは分からないがな。』
「贄って呼んでるんだな。」
『我に与えられていたもの達だからな。』
「まあそうだね。声が聞こえなくなって何か変わったことないの?」
『ある毒を使えるようになったぐらいだな。』
「ある毒?俺が使える毒?」
『いや、使えんし使わせる気もない。』
「なんで?」
『それだけ危険な毒だからな。我とて使えるだけでその毒に耐性がある訳ではないからな。』
「そうなの?」
『あぁ。この毒…まぁ呪毒のことなのだがな持っている妖怪は珍しくてな、おなじ妖怪でも持っているものと持ってないものがいるような毒でその毒も強さに差があるんだ。』
「へー。使わせてくれないってことは破月の呪毒って強いの?」
『強いぞ。毒を持っている我ですら傷つくからな。』
「自分が傷つくって駄目じゃない?」
『我は元々毒を持つような妖怪じゃないし他の妖怪の怨みが上乗せさせられているからな。我の身体も耐えられないのだよ。』
「じゃあずっと使えないの?」
『いや、今後お主が沢山の妖怪を倒し我がそれを取り込めば我が妖怪として強くなり使えるようになるだろうな。』
「そうなんだ。てか、妖怪食べてまた声が聞こえないの?」
『聞こえんな。死んでから食べているか死にかけを食べているかの違いだろうな。』
「そんなもんなの?」
『そんなものだ。』
「じゃあいつか使えるように頑張るか。」
『あるじ様』
「ん?どうしたの観月?」
『いえ。先ほど雲居家の当主がいってましたが、我々が力及ばぬせいで我々とはまだ融合が出来ないそうで申し訳ありません。』
「いやいや、元は自分が力不足のせいで本来の姿で呼べなかったのが原因だから観月達が責任を感じる必要はないって!」
『そういってくださると嬉しいです。』
『こやつも成長しているしそう遠くないうちにお主らも本来の力を出せるだろう。』
「破月が慰めるなんて珍しいね。」
『おなじ人間に宿っているよしみだからなお主が知らないだけで我らだけでしゃべっている時もあるしな。』
「え!?そうなの!?」
『はい。戦闘についての話しや術の話など色々話をしていますよ。』
「そうなんだ。」
『はい。我々は破月さんと違って戦闘が得意ではないので相談などをさせてもらっています。』
『我は蠱毒の壺に封じられていたあいだのことを聞いたりしていた。』
「思ったより話してるんだね。」
『暇だからな。』
『情報の共有は大切ですからね。』
そういいながら寝るために布団を用意していく月兎。
「明日から戦闘訓練らしいけどどんなことするんだろう。」
『それはお主戦闘訓練なのだから戦うのだろうな。』
「え~。対人はしたことないけど大丈夫かな?」
『さあな。我も人型とはそこまで戦ったことがないからな。良くわからん。』
「だって俺達が使う術って毒系だよ?あたったらマズいじゃん。」
『そうなれば治せば良い。前もいったが毒は薬にもなるからな。』
「ならまぁなんとかなるか。」
『そういうわけだから新しい毒を使えるようにするぞ。』
「え?」
そう言われて噛まれた日を思い出したがあの日は夢の中だったので今すぐ噛まれることはないだろうと思っていると、
『油断したな。』ガブッ!
「えっ?」
いつも妖怪を取り込む時に出てくる蛇が月兎に噛みついていた。
「痛ーーーーー!なんで噛めるんだよーーーーーー!!!!!」パタッ
あまりの痛さに布団の上に倒れ込みそのまま気絶した月兎と
『あるじ様がかわいそうですよ。破月さん。』
『うぅぅむ。まさか気絶するとはな。次からはちゃんと前もって言うようにする。』
気絶した月兎を心配する観月達と呆れる破月だった。
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