第27話夕食にて


 ー食卓ー


 夜になり真二から呼ばれた月兎は夕飯を食べるために食卓に行くと雲居家の当主である圭と数人の男女がいた。


「月兎君もきたから自己紹介といこうか。まず私の妻の雲居 和子【くもい かずこ】だ。」

「はじめまして。和子です。」

「はじめまして。和子さんは何か術を使うんですか?」

「私も宿しを使いますよ。まぁもっとも私は戦闘系ではないので依頼を受けたことははいですけどね。」

「そうなんですね。」


「次が長男の雲居 涼太【くもい りょうた】だ。」

「はじめまして。」

「はじめまして。」

「いや~。一般人だった方ですよね。聞いてますよ。何か心配事があったらなんでも聞いてくださいね。」

「ありがとうございます。心強いです。」


「次が次男の雲居 剛【くもい たけし】だ。」

「はじめまして。」

「はじめまして。」

「元一般人となると戦闘もそこまで得意じゃないだろうから色々聞いてくれ。」

「色々聞かせて貰います。」


「真二はさっき紹介したからこの娘で最後だな雲居家長女の雲居 里美【くもい さとみ】だ。」

「…はじめまして。」

「はじめまして。」

「…宿しの術士は他の術士よりもより深い妖怪への知識・理解が必要です。そういったことを学ぶためには我が家の図書室がオススメです。もし分からなかったら聞いてください。」

「そうします。」


「自己紹介も終わったことだし夕飯が冷める前に食べてしまおう。では頼む!」


 そう圭が声をあげると宙に浮いたごはん達が1人1人の前に置かれて行く。


「凄いだろう?これはこの皿達が付喪神でね、まぁというよりこの家の中のものはすべて付喪神だから家事や料理をしてくれるんだよ。」

「それは凄いですね。」

「先祖代々つかえてくれているよ。」


 そういいながら夕飯を食べ進めていると外から「ギャーー!」や「ガーーー!」といった叫び声が聞こえてきた。


「あの。なんの声でしょうか?」

「ん?あぁ私達はなれているが月兎君は初めてか。これは昼に庭を見たとき竹林があっただろう?あそこに住んでいる妖怪達の鳴き声だよ。」

「妖怪が住んでいるんですか?」

「あぁ。歴代の術士達が宿していた妖怪達が術士が亡くなったあともここにいたいといった場合に、あの竹林に住んでもらってるんだ。」

「そうなんですね。」

「門番としても居てくれているからこちらとしてもありがたいよ。」


 と言いながら夕飯を食べ終わると空になったお皿達が宙に浮かびキッチンに下がっていった。


「明日も朝が早いからもう寝ると良いよ。」

「そうさせて貰います。」

「そういうことだから月兎君からお風呂で良いよね。」

「「「「大丈夫です。」」」」

「ありがとうございます。」


 そういうと真二にお風呂場に案内してもらって入り終わると少し早いが寝ることにした。


 ー客間ー


 早めに布団に入った月兎だったが明日から修行という緊張からか中々寝付けずにいたので破月達に話しかけることにした。


(なぁ。明日から修行だけどいったいどんなことするんだろうな。)

『どんなことをするのかは分からんがお主と一体化するのが奥義ということは我らも何かしらする事があるということだろうな。』

『そうですね。あるじ様の為に頑張りますね!』

(皆には迷惑かけるね。)

『我の場合お主が死ねば我も死ぬしお主が強くなれば我が吸収出来る力も増えるからお主には強くなってもらわねばならぬからな。』

『観月達もあるじ様に強くなってもらうことで本来の姿になれますから是非あるじ様に強くなってもらいたいです!』

(ありがとう。)

『ちなみにお主はどれだけここにいる予定なのだ?』

(まるで検討つかないけど会社のこともあるからなるべく早く帰りたいよ。)

『なるべく早く帰れるように頑張りましょう!』

(そうだな!)

『早く帰れれば良いがな。』

(確かに。)

『取り敢えず早く寝て修行のための体力をためましょう!』

(そうだな。じゃあもう寝るよお休み。)

『うむ。』『お休みなさい。』


 明日に向けて早めに寝る月兎だった。

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