修行パート
第24話不安
ー街中ー
「ケケケケケ!」
「クッ!」
あの鼠の怨霊との戦いからしばらくたち月兎は協会の依頼を受けていた。
「ケケッ!」
「一つ目って以外と素早いな!」
一つ目の舌がムチのように月兎に襲いかかりその素早い動きから防戦一方になってしまった。
『私を使ってください!』
「!確かに!」
そう観月に言われ目を隠すと
「ゲゲ!」
「よっしゃ!食らえや毒三日月!」
ブシャ!
「ギャ!」
目が弱点の一つ目には効いたようで一気に形勢逆転し無事倒せた。
「ハァハァ。観月ありがと。にしても手こずったな。」
『本当だぞ。本来はお主が気づかなきゃいけないことだからな。』
一つ目を倒しひと息ついていると破月にそう怒られた。鼠の時はどうにか勝てたがその後が不穏だったことから自分の戦力アップが急務だなと考えていると協会用のスマホから着信があった。
ピピピーピピピーガチャ
「はい。」
『もしもし?一つ目の退治どうだったかしら?』
「なんとか終わりました。」
『無事そうでよかったわ。』
「ですけど鈴華さんけっこうギリギリでしたよ?」
『あらそう?』
「こっちはつい最近まで専業サラリーマンですよ?そんなすぐ戦闘なんか出来ませんって。」
『そういえば月兎君は元々一般人だったっけ?ごめんなさいね。この業界って大体世襲だから外部からの加入者ってすくないのよね。』
「戦闘教えてくれる人っていないんですか?」
『術によって戦いかたは千差万別なのよね。一応宿しの名家である雲居家に連絡はしてみるわね。』
「ありがとうございます。」
『じゃあまたね。』
ガチャ
そういうと電話は切れた。
「雲居家か…話し受けてくれるかな?」
『さあな。我の時代は秘密主義だったが今もそうでなければ良いが。』
そうして鈴華からの連絡が来るのを待ちながら本来の仕事に精を出す月兎。そんなある日会社を出ようとすると後輩のまどかが月兎に話しかけてきた。
「先輩久しぶりに飲みに行きましょうよ。」
「今日か?良いぞ。」
「やったー!じゃあどこ行きます?」
「いつもの居酒屋で良いだろ。」
「了解です!」
最近妖怪退治ばかりで飲みに行ってなかったので久しぶりの飲みに行くことにした月兎は後輩のまどかとよく行く大衆居酒屋にいくことにした。
「最近先輩付き合い悪いですよ?女でも出来たんですか?」
「そういうのは普通先輩が後輩に言うセリフじゃないか?」
「今どきそんなの関係ないですよ。で?出来たんですか?」
「いや、最近少しランニングを始めたんだよ。」
「かぁ~。新しい趣味ですか!こっちは新しい取引先の社長がやたらと食事に誘ってきてうんざりしてるってのに良いご身分ですね!」
「そういうことは課長に相談しろ。課長だったらななんとかしてくれるだろ。」
「課長ただでさえ忙しいから可愛そうじゃないですか。」
「大丈夫だ。お前が忙しいから担当を変えるって連絡してもらうだけだ、そこまで手間は掛からない。」
「そうですかね?」
「そんなもんだ。」
ピピピーピピピー
「先輩電話ですか?」
「そうかもちょっとごめんね。」
「ごゆっくり~。」
協会からの電話だったので後輩に効かせるわけにはいかないと一旦店を出て電話に出た。
「はい。」
『もしもし?月兎君?』
「えぇ。どうしましたか?今日はちょっとお酒を飲んでるので依頼は受けられないですけど。」
『依頼じゃないから大丈夫よ。この間言ってた戦闘訓練のことだけど雲居家からオッケーが出たわよ。いつから行ける?』
「場所は何処ですか?」
『雲居家は愛知県よ』
「愛知県!?仕事があるのですぐはむりですよ。」
『仕事がどうにかなればすぐ行けるのよね?』
「まぁはい。」
『分かったわ。仕事の方はこっちでどうにかするからいつでも行けるようにしておいてね。』
「了解です。」
『じゃらまたね~。』
ガチャ
戦闘訓練を受けれると知り上機嫌で席に戻ると
「先輩なんかいいことありました?」
と聞かれた
「いや、そんなことないよ。」
「本当ですか?」
「本当だよ。それより飲むか!」
「…そうですね!カンパーイ!」
ごまかしと戦闘訓練に行ける事への祝いとして乾杯をする月兎だった。
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