第25話愛知へGO
ー愛知ー
あの電話から二週間後月兎は名古屋駅にいた。
「えーっとどこにいるんだろう。」
「すいません。」
「?はい。」
「月兎さんですか?」
「はい。貴方は…」
「雲居家のものです。」
「あぁ!」
「早速ですが雲居家に案内しても良いですか?」
「お願いします。」
月兎がどうやって名古屋にいるのかというと二週間前に遡るーーー
ー二週間前ー
「じゃあ昼休みいってきますね。」
「月兎君ちょっといいかな。」
「どうしましたか?課長。」
「うちの名古屋支部なんだけどちょっと人手が足りないらしくてね、二週間後から行けないかな?」
「自分がですか?」
「そう。お願いできないかな?」
いきなりのことで焦った月兎だったが、昨日の電話を思い出して協会が何かしたんだろうと当たりをつけた。
「すいません。この昼休み中ちょっと考えさせてもらって良いですか?」
「分かった。お昼ごはん食べながらゆっくり考えて。」
「ありがとうございます。」
そういうと月兎は会社を出て協会へ電話をした。
ピピピーピピピー
ガチャ
『もしもし?』
「あ!鈴華さんですか!?なんですかあれは!」
『?あー、月兎ってことは愛知への辞令がでたのね。』
「出ましたよ!にしてもいきなりすぎませんか!?電話したの昨日の夜ですよ!?」
『だから急いだのよ。』
「で!課長になにしたんですか!場合によっては怒りますよ!?」
『大丈夫よ安心して。貴方の会社のことは一応把握しておいたから愛知の支社と貴方の課長よりもっと上の人間を少し洗脳の術で操っただけよ。』
「洗脳の術って大丈夫なんですか?」
『大丈夫よ。洗脳の術っていっても思考の誘導程度にしか使ってないから後遺症もないわ。』
「本当に?」
『えぇ。確かに洗脳の術は本来拷問とかのためのものだけど協会を隠すためにも使っている術の一つだから使いなれているしミスはないわ。』
「…なら良いですけど。俺のためですしありがとうございます。」
『分かってくれて嬉しいわ。じゃあまたね』
「はいまた。」
ガチャ
電話が終わった月兎は急いで昼ご飯を食べると会社に戻った。
「課長。先程のお話なんですけど受けようと思います。」
「そうか!じゃあ二週間の間に必要な引き継ぎをしといてくれるか?急で悪いね。」
「いえ。課長はなにも悪くないので。」
そういうと月兎は急いで引き継ぎをすると愛知へ向かった。
ー二週間後、愛知ー
「あ、あのすいません。自分は会社の辞令として来ているので会社にも行かなくてはいけないんですがーー」
「大丈夫です。そちらには変装の術が使えるものが代わりに行きます。」
「変装の術?」
「はい。要は忍者のような者です。」
「へー凄いですね。」
「はい。覚えようとすれば誰でも覚えられますがその代わり覚えるのが大変な術です。」
「そうなんだ。わざわざありがとうございます。」
「いえいえ。そういうことは込みでのお話だったので。」
そうこうしているうちに雲居家についたのだが場所は名古屋の繁華街であり、大きな日本家屋である雲居家があるのはとても違和感があった。
「あの~。どうしてこの場所にこんなに大きな日本家屋があるのにここを通る人は一切見ないんですか?」
「これはマヨイガという妖怪の1種です。本来は人を迷いこませる妖怪ですが雲居家は契約をし逆に人に認識させないのを目的としてます。」
「なるほど凄いですね。」
「宿しの術は時代によって迫害にあってきました。なのでこうして姿を消す必要があったんですよ。このマヨイガも雲居家の初代が契約してから契約を更新し続けています。」
「でももう迫害はされてないですよね。」
「時代は繰り返されるといいますからね。それに迫害されていた過去から宿しの術を使う人達は同じ術の使い手にたいして助け合いの精神が凄いですよ。なので今回も月兎さんを受け入れることになりました。」
「それはありがたいですね。」
「では入りましょうか。」
そういうと2人はマヨイガに入っていった。
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