第20話VS鼠たち3


 ―山小屋ー


 あれから四時間程戦いやっと鼠の猛攻が収まったので3人は集まることにした。


「2人とも大変だったでしょ?お疲れ様。」

「私は漏れてきた鼠を倒していただけなのでそこまで大変ではなかったですよ。大変だったのは月兎さんでしょう。」

「疲れはしましたけど定期的に休めはしたので大丈夫ですよ。」

「よかった。じゃあまた数が増える前に大元を倒しに行こうか。」


 そうして3人は山にはいって行った。


 ー山奥ー


「止まって!」

「どうしました?」

「ただの鼠じゃないのが出てきたな。」

「ただの鼠じゃない?」

「あぁ。あれは火鼠と鉄鼠だね。」

「それは厄介ですね。」

「うん。火鼠の攻撃は下手すると森に引火するからね。雫ちゃんどうにかできる?」

「任せてください。…いきますね、逆さ雨」


 雫がとなえると地面から水滴が浮き上がってきて空にむかって昇っていった。


「「!?チチチチチ!」」


「仲間を呼んだか。でもまあもうそんな生き残って無いけどね。」

「俺がいきます?」

「いや、火も鉄も毒には強いからね。…出てこい影法師」


 そういうと本郷の影から無数の手が出てきて火鼠や鉄鼠・呼ばれて来た鼠たちをつかむと暴れる鼠たちを影に引きずり込んでいった。


「…最初から影法師をだせば良かったんじゃないですか?」

「コイツらはあまり制御できなくてね。広範囲でだすと暴れるんだよ。」

「危ないですね。」

「普通にしてれば大丈夫だよ。じゃあ行こうか。」


 たまに戦いながら山奥に進んでいくと洞窟を見つけた。


「洞窟だね。」

「いかにもじゃないですか?」

「…いきます?」

「行くしかないだろうね。」

「では行きますか。」


 3人は気付けながら洞窟に入っていった。


 ー洞窟内ー


「暗いですね。」

「そうだね。ちょっと待ってね。出てこい人魂」

「ワッ!なんかザ・妖怪って感じするな。」


 そう話しながら歩いているとふと雫が足元を見ながら止まった。


「あら?何でここにタバコの吸い殻が落ちてるんでしょう?」

「!ほんとだね。これは回収させてもらうよ。」

「?何かあるんですか?」

「なにもないと良いんだけどね。一応本部で調べて見るよ。」

「きな臭いですね。」

「まぁなにか分かったら教えるよ。」


 そうして本郷は回収したタバコの吸い殻をポケットにいれた。


「にしても長いなこの洞窟。」

「ですね。にしても洞窟にはいってから鼠の襲撃もないですね。」

「…もしかしたら大元の所に集まってるのかも知れないね。」

「そんなことありますか?」

「思ったより鼠が賢いからね。ありえるよ。」

「そりゃまた厄介ですね。」


 しばらく歩いていると一気に開けた場所に出て大きな穴が空いていたので下を覗き込むと沢山の鼠が蠢いていた。


「うわ!めっちゃいる…。」

「ここにいるだけで下手したら都市を落とせるね。」

「早急に倒さなければいけないですね。」

「さてどうしたものか。」

「あの。俺に考えがあるんですがやって良いですか?」

「考え?」

「はい。ちょっと相談するんで待っててもらって良いですか?」

「?良いよ。」

「ありがとうございます。」


 そういうと2人から離れた月兎は破月と喋りはじめだ。


(破月ちょっと良い?)

『なんだ?』

(やりたいことがあるんだけど出きるか判断してくれない?)

『何をしたいんだ?』

(えぇっとね、それはーーーー)


「お待たせしました。」

「いや全然待ってないよ。鼠たちも動きはなかったし。で?どんな作戦をするのかな?」

「はい。それはーーーーー。」







 今回でVS鼠は終わろうと思っていたのに終わりませんでした。次でVS鼠は終わる予定です。そうしたら、人物紹介と閑話を挟んでみたいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る