第19話VS鼠たち2
ー山中ー
前日に3人は別れて怨霊を倒したが一向に数が減ることはなかった。
「やっぱり各々倒した数が思ったより多いね。」
「ですね。これで残った鼠が少なければ問題はないんですけどね…。」
「全然減ってないですよね。どうしてか分かりますか?」
そう月兎が聞くと本郷は考えながら答えてくれた。
「う~ん。可能性としては2つだね。」
「2つ?」
「うん。まずは眷属を産む大元が複数いるパターンだね。でもこの可能性はあまりあり得ないかな。」
「?何でですか?」
「今回の鼠の怨霊はサイズがおかしいでしょ?1体だったらまだしもこのペースだと5~6体は親が居ないとだから確率的に無理だよね。」
「もう一つの可能性は?」
「もう1つはサイズだけじゃなくて産む数も異常なパターンだね。」
「異常ってどれぐらいですか?」
「昨日僕達は合計1万位倒したけど減ってる気配がないからね、最低1万位は産んでるのかな。」
「それどうにか出来ます?」
「出来ないことはないと思うよいくら数がいるといっても単体では弱いからね。」
「作戦次第ってことですね。」
「あぁ。だからこれから作戦会議にいこう…ッ!これは不味いな。」
作戦会議にはいろうとしたとき、いきなり本郷が焦りだした。
「どうしたんですか?」
「八咫烏に鼠達を監視させてたんだけど一斉にこっちに進行してきたみたいなんだよ。」
「!?一斉にですか!?しかもこちらは都市がある方向ですよね!?」
「うん。だから逃げるわけにもいかないね。…昨日刺激しすぎたのかな?ごめん失策だったね。」
「過ぎたことはしょうがないです。こうなっては早急に倒すとしましょうか。」
「だね。一応協会には連絡をして万が一に備えておこう。」
そういうと本郷は協会に電話をしに行った。
「私達は準備をしましょうか。」
「オッケー。何をすれば良い?」
「そうですね。山の中に罠を仕掛けましょうか。」
「罠?」
「はい。お札を色々な所に仕掛けて行き確実に数を減らしましょう。」
「了解。」
そうして月兎と雫は山に入り罠をしかけていった。
「連絡終わったよ。万が一のために都市の山側は人避けをしておくってさ。」
「こちらも罠仕掛け終わりました。」
「後30分したら群れが来るから軽くご飯食べながら待とうか。」
「はい。」
30分後いよいよ鼠達がやってきた
「よし!じゃあやるか!来い馬頭・牛頭!」
「「ガァ!」」
「私は見通しの良い所に行きますね。」
「俺は馬頭・牛頭と一緒に行きますね。」
ー前衛ー
「「「「ヂューーーーー!」」」」「「「「ヂューーーーー!」」」」」」「「「「ヂューーーーー!」」」」
「ガァ!」ドガッ!ドガッ!「ヂュッ!」
「馬頭も牛頭も強いな~俺も気合い入れないと!毒三日月、毒三日月、毒三日月!」
ー後衛ー
「水薔薇!」「ヂュッ」「逆さ森!」「「「ギッ!」」」
「後ろはそんなに漏れて来ませんがそれでも数が増えて来ましたね。月兎さんは大丈夫でしょうか?」
ー山小屋ー
「倒すペースは変わらないけど数が多いから押されてきてるな」
「ヂュー」
「ここまで抜けて来たか出てこい落武者。」
「ーーー」
「鼠を倒せ。」
「ーーー」
ー前衛ー
「ハァハァ。流石に数多すぎだろ!」
かれこれ1時間は倒し続けている月兎だったが一向に数が減らないことに辟易していた。
「もう休みたい。」
『ならば毒霧をだせば良いだろう。』
「その間倒せないじゃん!」
『毒霧で壁でも作れば良いだろう。』
「そっか!毒霧!」
そうして毒霧を出して休むことにした月兎は本郷に連絡をした。
「もしもし」
『もしもし?なんか非常事態でも起こった?』
「いえ。流石に疲れたので毒霧で壁を作って塞き止めています。」
『オッケー。じゃあ今のうちに罠をもう一回仕掛け直すから終わったら連絡するよ。連絡するまで休憩しといて。』
「はい。馬頭・牛頭はボロボロですがどうします?」
『回復するからほっといて大丈夫だよ。じゃ。』
「は~い。」
ー後衛ー
ピピピッピピピッガチャッ
「はい。努さんどうしました?」
『雫ちゃん今月兎君が術で鼠を塞き止めてくれてるから今のうちに休んでて。休憩が終わったらまた連絡するよ。』
「はい。ではまた。」ガチャ
「ふぅ。では今のうちに回復しますか。」
そういうと座禅をくみ力を回復させる雫だった。
ー山小屋ー
ガチャ
「月兎君ナイスタイミングだったな、これ以上時間掛けたら崩壊してたかも知れなかったしな。」
「ーーー」
「鼠かたずいた?ありがとう。じゃあ今度はこのお札を仕掛けてきてね。」
「ーーー」
「大丈夫。仲間をだすよ。出てきて、髑髏、雪女、泥田坊」
「カタカタ」、「フフフ」、「ーーー」
「みんなでこのお札を仕掛けてきてね。…泥田坊!濡らさないように気を付けてよ!」
こうして本郷に召喚された妖怪達は罠を仕掛けにいった。
「この後の作戦考えるか。」
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