第18話VS鼠たち


 ー山梨県ー


「ふぅ~山梨ついた~。雫さん達は何処かな。」

『おい。あの石像は誰だ。』

「ん?あぁ武田信玄だよ。」

『武田信玄?』

「うん。昔の武将だよ。」

『そうなのか。』


 駅前で雫達を探しながら話していると

「あ、おーい月兎く~ん。」と言いながら努がやってきた。


「本郷さん!今回はよろしくお願いします。」

「うん。よろしくね。」

「雫さんは?」

「雫ちゃんは今も鼠たちの相手をしてるよ。僕は遠距離でも戦闘ができるし運転も出来るからね。迎えに来たよ。」

「ありがとうございます。では早速行きますか?」

「そうだね。思ったより数が多いからねすぐ向かおうか。」


 そういうと2人は早速車に乗って依頼のあった山に向かっていった。


 ー山中ー


「お~い雫ちゃ~ん。月兎君連れてきたよ。」

「努さんありがとうございます。月兎さんも。」

「久しぶり雫ちゃん。」

「お久しぶりです。」

「鼠の方の動きはどうかな?」

「はい。今のところはおとなしいです。」

「そうか山の様子は?」

「野生の動物も異変に気づいているのでしょう。逃げはじめています。」

「ちょっといいですか?」

「何かあった?」

「鼠の怨霊はそんなに強いんですか?」

「いや、そこまでではないよ。ただ今回は様子がおかしくてね。」

「おかしい?」

「はい。普通鼠の怨霊は実際の鼠のサイズであるはずなのですが今回は中型犬位のサイズしかいないんですよ。」

「中型犬!?でかすぎませんか?」

「そうなんだよ。なのに眷属の数は通常サイズの時と変わらないんだよ。」

「僕達だけで大丈夫ですか?」

「大丈夫よ努さんがいるので。」

「本郷さんが?」

「月兎さんしらないんですか?」

「何を?」

「努さんは2等級なんですよ?」

「え!?」


 本郷さんが2等級という事をはじめて知り月兎がびっくりしていると


「ハハッ!2等級といっても辛うじてですよ。他の2等級の方たちからしたらまだまだ若輩者です。」

「いえいえこちらはとても心強いです。」

「ありがとう雫ちゃん。」

「でもだとしたら俺いりました?」

「今回は広範囲だから人数がほしくてね。僕1人でやろうとすると山がなくなる可能性があるしね。」

(山がなくなるってどんだけだよ。)


 本郷に戦慄しつつもいつか自分もそうなるのかと思っていると


「じゃあ作戦会議をしようか。」

「「はい。」」

「とりあえず今日はばらばらに山の中を探索していきながら鼠たちを倒していこうか。明日になったらみんなで残った鼠を一網打尽にしようか。」

「「はい。」」


 というと各々戦闘の準備をしだした

「2人とも回復用のお札です。万が一用に持っていてください。」

「ありがとうございます。お二人共離れてもらっていいですか?召喚するので。」


 そういわれて本郷から距離をおくと


「じゃあだしますね。出てこい馬頭・牛頭」


 本郷がとなえると3メートル程の大きさの馬頭の巨体と牛頭の巨体が現れた。


「デカ!かっこよ!」

「ハハッありがとう。あとは索敵用のヤツをだせば準備オッケイだよ。出てきて八咫烏。」


 そういうと3本足のカラスが現れた。


「よし。月兎君は準備良いの?」

「はいいつでも大丈夫です。」

「じゃあ行きますか。」


 そういうと3人は別々に山の中に入っていった。


 ―本郷 努ー


「「「ヂューーーーー」」」

「馬頭・牛頭適当に倒していこうか。」

「「ガァ!!」」


 本郷に言われた2体は手に持った金棒で鼠達を潰していく。


「にしてもおかしいなこんなこと今まで聞いたこと無いんだけどな。本部に調べてもらってるけど分かるかな?」


 そう思っていると「カァーカァー」とカラスの鳴き声が聞こえてきた。


「次の群れのとこに行くか。行くよ馬頭・牛頭。」

「「ガァ」」


 そういうと次の群れの元へ向かっていった。

 …何百という怨霊の屍は次第に消えてなくなっていった。


 ―海野 雫ー


「ヂュッ!」

「よし。この辺りはこれで終わりね。」


 数十匹という怨霊を倒したため少し休憩することにした雫


「でも月兎さんだいじょうぶかな?こんなに連戦連戦になるとは思ってなかったからな。」


 月兎に悪い事をしたかもしれないと考えていると森の奥がざわざわしだした。


「ッ!もうおかわりですか。やはりペースが早いですね。」


 もう一度気合いを入れると戦闘にはいる雫だった。


 ー月兎ー


「休憩したいから毒霧だすよ。」

『うむ。』

「毒霧!」


 月兎の周りに毒の霧が充満するとゆっくりと座り水分補給をした。


「しかし毒霧が相手に効いて良かったよ。そのお陰でゆっくりと休めるし。」

『うむ。しかしこの怨霊何か混ざっているな』

「混ざってる?」

『あぁ。純粋な妖力とは別に何か別の力を感じる。』

「そうなんだ。…気になるな。」

『では詳しく調べるためにもっと倒して食うか。』

「了解。」


 そういうと毒霧から出て戦闘を再開する月兎だった。

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