第17話しばらくたって
ー東京・某所ー
『ギャーーーーー』
「ふぅ。破月回収して。」
『分かった。』
化け猫の任務を終えてからしばらく経ち協会の依頼にも慣れた某日。協会から普及されたスマホから着信があった。
ピピピッピピピッ!
「?こっちのスマホ誰とも連絡先交換してないけど誰からだろ?」
ピッ!
『もしもし?月兎さんの電話でしょうか?』
「はい。もしかして雫さんですか?」
『はいそうです!少しお頼みしたいことがあってお電話させてもらいました。』
「何でしょうか?…てか電話番号教えましたっけ?」
『あっ!すいません協会に教えてもらいました。ダメでしたか?』
「いやいや、大丈夫です。所で頼みたいことっていったい?」
『そうでした。実は私が受けた依頼なんですけど思ったより妖怪の数が多くて大変なのでお手伝いをお願いしたいのですか。』
「数が多い?」
『はい。今回の依頼が鼠の怨霊を倒してほしい。というものなんですけどその怨霊が眷属を召喚するタイプでして倒しても倒しても数が減らないんですよ。』
「それはキツイですね。ヘルプは俺だけですか?」
『いえ。努さんも応援に来てくれるそうなので一緒に来てくださると嬉しいです。』
「分かりました。所でその場所って何処ですか?」
『山梨です。』
「や、やまなし~~~~!?」
『はい、。ダメでしたか?』
「…俺サラリーマンなので平日は仕事があるんですよ。行けても土日ですね。それでも大丈夫です?」
『はい!大丈夫です!月兎さんが来るまで努さんに先に来てもらって出来る限り減らしておきますね。』
「了解です。」
ー会社ー
「良し!じゃあ今日はもう帰るぞー!」
「課長もうちょっと残っていいですか?」
「ダメだ!今月は残業0月間だぞ!」
「そうでした!先輩今日この後飲み行きます?」
課長と話していた後輩のまどかちゃんがこっちに来ながら居酒屋に誘ってきた。
「あ~悪い。明日からちょっと旅行に行こうと思っててな。」
「そうなんですか?先輩最近元気ですね。彼女でもできました?」
「そんなんじゃないよ。趣味ができたんだよ。」
「どんな趣味ですか?」
「ん?ん~と、写真だよ。写真。」
正直に妖怪退治とはいえないのでとっさにウソをついたが、「じゃあ帰ってきたら見せてくださいね!」と言わてしまった。
「分かったよ!でも期待するなよ?」
「は~い。じゃあ先輩また来週。」
「おう。またな。」
ー自宅ー
「いよいよ明日から山梨か。依頼とはいえ実家に行く以外の旅行なんて久しぶりだからテンション上がるな。」
『はしゃぐなうるさい。』
「別にいいだろ!てか今回の妖怪ってそんなに手強いのか?」
『鼠の怨霊だったか?』
「あぁ。鼠って弱いイメージなんだけどな。」
『確かに弱いが眷属を召喚できるのが厄介だな。』
「そうなのか?」
『眷属を召喚というが怨霊の場合は生前どれだけ一回の出産で子供を産めるかに依存するからな鼠なんてそれこそあり得ん数の眷属が産まれるぞ。』
「…どれぐらい?」
『今回の話を聞く限りある程度妖怪としても成長しているからな。恐らく1日に千~二千位は産んでいるだろうな。』
「!?そんなにか!」
『そこまでいくと下手すると町の1つぐらいは壊滅させらるぞ。』
「まじ?」
『昔は良くあったことさ。ただそうなるとお主程度ではなくもっと強い者達が呼ばれてもおかしくはない筈なのだがな、何故お主が呼ばれたのか。』
「それは俺も分かんないけど頑張って全滅させるよ!」
『我々もあるじさまの力になれるように頑張ります!』
「観月・葉月・鬼月もよろしくね!」
破月に今回の相手についての情報を教えられやる気になる月兎だった。
『しかし普通鼠の怨霊ごときは野生の動物でも倒せる程弱いはずで今の時代よほどの事がない限りそこまで力を持つはずがないのだがな。』
「ん?破月どうした?」
『なんでもない。』
ー???ー
「例の実験はどうなった?」
「術士にバレそうになったので切り上げて来ました。実験体はそのままですが。」
「なら術士相手に何処までいくか見させてもらおうか。」
「ハハァッ!」
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