第15話VS化け猫?


 ー???ー


『なに!?新しい餌をとり損ねた!?チッ!使えんヤツだ。』

「シャーー!」

『ん?偉そうにしているとこれを食うぞ?』

「…」

『フン!逆らおうなんて思うなよ!』


 ー住宅街ー


「ハァハァ…これちゃんと追いかけれてる?」

『はい。どうやらこの先にもう1体の妖怪と共にいるようです。』

「それ勝てるか?」

『化け猫に関していえばもう既にある程度怪我をしているからな、やれんこともないだろう。』

「なら大丈夫かな?…もしかしてここ?」

『はい。良く分かりましたね?』

「だってここ神社だよ?いかにもじゃん?」

『だな。』

「じゃあ行くか。」


 ー境内ー


「どこにいるかな?」

『ここまで近付くと相手の術もあるのでわからないですね。』

『我もわからん。なんせ2体の妖怪の合わせ技だからな。』

「そうなんだ。早く見つかるといいけど。」


 警戒をしながらゆっくりと境内を探索していく月兎達。


「気配する?」

『いえ。今のところはないですね。』

『我もわからんな。』

『…何か来ます!』

「シャーーー!」

「くッ!あぶなっ!」


 最初の時のようにいきなり化け猫が現れた。


「コイツほんとに怪我してるんだよな!?全然そんな感じしないぞ!?」

『どうやらかなり無理をしているようだな。』

「なんで?」

『それはわからん。だがまぁ捕まえてみれば分かるだろうな。』

「オッケイ!」


 先程の戦闘での月兎の攻撃を警戒してかなかなか攻めてこない化け猫、どう攻めようか月兎も考えていると


『なにをしている!早くその男を倒せ!』


 と何処からか声が聴こえてきた。


「なんだこの声?」

『もう1体の妖怪だな。』

「いったい何処から話して…っぶな!」


 あの声が聞こえてきた為か様子見をしていた化け猫が激しく攻撃をしてきた。


「シャーー!シッ!シッ!シッ!」

「くそ!変わりすぎだろ!食らえや毒擊!」


 化け猫の攻撃をかわしながら左腕に毒をまとわせると化け猫をおもいっきり殴った。


「ッ!シッ、シャー」

「動けないだろ?今の毒は麻痺毒だからなもう動けないぞ。」


 麻痺毒で麻痺しているため動けないのに無理矢理にでも動こうとする化け猫に近付きながら話しかける月兎。するとまた何処からか声が聴こえてきた。


『使えんくそ猫だな。まぁ良い。貴様もそこの男も俺が食ってやる!』


 そういうとヒタヒタと足音が聞こえてきた。


『あるじさま!後ろです!』

「ッ!」


 観月に言われて後ろを見ると暗闇から狐が現れた。


『貴様さては術士だな?さしずめ化け猫退治に来たのだろう?残念だったな貴様は今から食われる運命だ!』

「こいつがもう1体の妖怪?」

『あぁ妖狐だな。妖狐の強さはピンキリだがコイツは一尾そこまで強くはない。』

「そう?ならよかったよ。」

『なにをゴチャゴチャ独りで喋っている?恐怖でおかしくなったか?』


 とニヤニヤしながら月兎に近付いてくる妖狐


(観月また力借りるよ。)

『はいあるじさま。』

(破月も今度は毒三日月をやるから合図だしてね。)

『分かった。』


 妖狐が近付いてくるなか少しずつ右手と左腕に力を溜めていく月兎。妖狐がいよいよ月兎に飛びかかるその時


「ッ!くそ!な、何も見えん!何が起こった!」

「破月!いつでもいいよ!」

『少し待て…今だ!腕を振れ!』

「毒三日月!」


 破月に合図をされたので思い切り左腕を振り抜いた。


『ガァ!貴様!この妖狐に傷をつけよって!許さんぞ!』


 目を覆っていた手を退けると妖狐の腹が裂かれ傷口からシューシューと煙があがっていた。


『なぜ身体が動かん!貴様いったいなにをした!』

「腐食毒と麻痺毒のハイブリッド毒だよ。ところで最近のペットを食い荒らしてるのはお前だな?」

『だからなんだ!おい!くそ猫!早くコイツを殺せ!じゃなきゃ貴様のガキを食うぞ!』

「ッ!シャー!」


 妖狐が化け猫を脅すと化け猫はまたどうにかしようとあがき出した。


『そういう事だったのか。』

「子供を人質にするなんてクズだな。破月コイツ食べちゃっていいよ。」

『うむ。分かった。』


 そういうといつもの如く蛇が左腕から現れて妖狐に食らいついた。


『お、おい!止めろ!この妖狐を食べるなんて罰当たりが!聞いているのか!おい!く、くそーーー!!!』


 あっという間に妖狐が食べられた。


『コヤツかなり力を溜めていたな。もう少しで二尾になっていたな。そうなっていたらお主死んでいたぞ。』

「マジ?危なかったな。所でこの化け猫どうする?」

『とりあえず毒の効果が切れるまで待とう。その後にこの化け猫をどうするか決めよう。子供もいるらしいしな。』

「オッケー。ちょっとこの場合どうすればいいか分かんないからマスターに相談してみるよ。」


 というと前に教えてもらった喫茶店のマスターの連絡先に電話をした。


『もしもしこちら喫茶陰陽です。』

「月兎です。マスター喫茶陰陽って隠す気あります?」

『月兎君か、分かりやすくて良いじゃないか。で?今回はどうしたんだ?』

「はい。実は今依頼でーーーーーー」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る