第7話しばらく経って
ー住宅街ー
「ギャァァァァァァァァァ!!」
「よし。今日も無事に倒せたな。」
『順調だな。』
「そうだな。餓鬼が複数いても倒せるようになってきたからね。」
『そろそろ次にいくか。』
「次?」
ここ数日の間夜になると餓鬼を毎日のように倒しているなかそんな提案を破月から受けた。
『あぁ。いつまでも餓鬼だけと言うのもな。なかなか回復ができんからな。もうちょっと強い妖怪を倒すようにするぞ。』
「大丈夫なのか?餓鬼の集団だって最近辛うじて倒せるようになったぐらいだぞ?」
『大丈夫だ。そもそも餓鬼を狩りすぎてができんからな。餓鬼の数も減ってきたしな。』
「確かに最近はなかなか出会わなくなってきたな。」
月兎の言う通り最初は1時間ほど歩いていたら5匹位は出会っていた餓鬼が最近は1時間に1~2匹出会えれば良い方だったので今日も遠出して群れを倒しに来ていた。
「ちなみに次の標的ってなに?」
『女郎蜘蛛だ。』
「女郎蜘蛛?餓鬼より有名ではあるけど強いんじゃないのか?」
『いや、女郎蜘蛛は罠にかけてくるような妖怪だから気づいていればそこまで強くはないぞ。』
「そうなんだ。今から行く?」
『餓鬼より強いことは確かだから新しい毒を使えるようになってからしよう。』
「了解。じゃあとりあえず一回家に帰るか。」
『あぁ。』
-自宅ー
「で?どうすれば新しい能力が手に入る?」
『最初の時と同じだ。集中しろ、そして感じろ。』
「分かった。やってみる。」
そういってこの間のように集中をして深く深く意識を落としていく。すると目の前に巨大な蛇が現れた。
『やっと会えたな。』
(もしかして破月?)
『あぁ。』
(でか!?てか強そうじゃん!)
『これは生身ではなく意識の世界だからだ。もちろん本当の我はこの姿だがな。』
(へぇ~。あ!てか新しい能力は?)
『今から授ける。痛いから我慢しろよ。』
(え?痛いっていったい何を…ギャーーーーーー!)
どうやって能力が授けられるんだろう?と思っていたらなんといきなり破月にガブリと噛み付かれ、ドクドクと身体に毒を注入された。…痛そ。
(ガァァァァァァ!)
『魂につけた傷だからいたいとは思うが起きたら何ともないから安心しろ。』
(オマエはぁぁぁぁぁ!毎度毎度ぉぉぉぉぉぉ!何で先に言わないぃぃぃぃぃぃぃ!)
『言えば断るからな。』
(この性悪ぅぅぅぅぅぅ!)
『妖怪には褒め言葉だぞ』
(くそぉぉぉぉぉ)ガクッ
『気絶したか。』
そういって巨大な蛇は寝ることにした。
ー自室ー
ガバッ「!!ハァハァ。あんのクソ蛇が!前もって言えよ!断らないって!…まぁ他の方法がないか聞きはするけど。」
『やっぱりな。』
「破月!もう痛いことするなよ!」
『まぁまぁ。所で新しい力の話をしてもいいか?』
「!そうだな。どんな力が使えるようになったんただ?」
『まずは毒の種類が増えた。今までは腐食毒だったがこれからは麻痺毒・出血毒・溶解毒が使えるようになった。』
「一気に増えたな。あと溶解毒ってなんだ?腐食毒と違うのか?」
『溶解毒は腐食の下位互換だな。しかし金属を柔らかくしたり、粘性が高いから敵を滑りやすくしたり出来る。』
「へ~便利だな。それで終わりか?」
『いや、あと今まではさわった場所が毒に侵されていたがこれからは今言った毒達が更に煙型と液体型としても使えるようになったぞ。』
「それは戦略の幅が広がるってやつだな!」
『今日もの夜にでも餓鬼相手に使ってみようか。』
「だな!夜が楽しみだよ!」
『それはよかったよ。』
「じゃあ会社行くぞ!」
そういって上機嫌で会社に行くと後輩にも「ご機嫌ですね!」と言われつつ無事に残業もせずに一目散に自宅に帰った。
「よし。早速餓鬼退治に行くか!」
『そうだな。』
今回の餓鬼退治が月兎の人生を変えることになるとはまだ誰も気づいてなかった。
ー???ー
「なるほどじゃあ今日はこの辺りにでてきそうね。最近はこの人のお陰で休みも出来たし優秀なのは間違いないわね。」
「万が一もありますので私もおともいたします。」
「お願いね。フフフ。逃がさないわよ。」
…やっぱ怖いって。
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