第6話その後の効果


 ー次の日ー


 ーピピピピピー!ピピピピピー!

「んぁ?朝か。」

 あのあと無事に家に帰ってきた月兎は早々にお風呂に入って次の日のために寝ていた。


「昨日あんなことがあった割に目覚め良いな。」

『起きたか。』

「おはよう。なんか目覚めが良いし元気な気がするんだけどこれって昨日の効果?」

『うむ。昨日倒したのは妖怪としては最下級だからな、寿命には影響しないが身体の調子は良くなるくらいの影響はあるだろうな。』

「それはサラリーマンとしては最高だよ。んじゃ早速出勤するか。」


 そういうといつも通りの仕度を済ませると会社に向かって家を出た。


 ー会社ー

「おはようございま~す。」

「あ、先輩おはようございます。」

「お、まどかちゃんおはよう。この間の資料大丈夫だった?」

「はい。完璧でしたよ~。先輩は実家の方大丈夫でした?」

「ん?あ、あぁ。うん。大丈夫だった。いや~久しぶりに重労働しちゃってさ~もう全身筋肉痛で大変だったよ~。」


 後輩から実家でのことを聞かれ思わずドキッとしてしまった月兎であったがなんとか誤魔化した。


「確かに成人するとあまり運動とか一気にしなくなりますもんね~。」

「だろ?急に動いたもんだから大変だったよ。ハハハ。」

「お~い。中村ちょっと良いか。」

「あ、課長に呼ばれたからちょっと行ってくるよ。」

「は~い。」


 課長に呼ばれたのをこれ幸いと後輩との会話を中断して課長の元に行った。


「中村ちょっとおまえが休んでた間の連絡事項の確認をしたいんだけど良いか?」

「はい。お願いします。」


 その後もいつも通りの業務をし、退社の時間になった。


「んじゃ帰るぞ~。」

「は~い。先輩今日はランチご馳走さまでした。」

「元々約束してたしな。喜んでくれたなら嬉しいよ。」

「ハイ!ありがとうございました!ところで先輩今日は絶好調でしたね。」

「そうかな?」

「だって今日仕事めっちゃ速かったですし、今日のランチ!めっちゃ食べてましたね?」

「そ、そうか?まぁ偶々だよ。」

「怪しいな~。あ、私こっちなので。先輩また明日~!」

「おう。また明日な。」


 そう言いながら後輩と別れて自宅へ帰っていく月兎。


「確かに今日はやけに調子良かったな。これも昨日の効果なのか?」

『そうだぞ。』

「ッビックリしたな~。やっぱそうなのか?」

『あぁ。』

「ふ~ん。あ」


 破月とそんな会話をしながら帰っていると人混みの中にふとなんとなく覚えていた実家に帰る前日ねな見た美少女がいた。


『ん?なんだお主いったい誰を見て…ほぅ?』

「あの娘がなんかあるのか?」

『気づいてなくて見ていたのか?あの娘陰陽系の訓練をしている形跡がある。』

「へ~そんなの分かるんだ?」

『身体の中に力の流れが出来ているからなこれは訓練しないと出来ないことだ。』

「そうなんだ。」

『ん?気づいてないとすればお主なぜあの娘を見たんだ?』

「な、なんとなくだよ!ほら!速く帰って今日も妖怪探すぞ!」

『そうだな。』


 見惚れていたことをばれたくない月兎は誤魔化しながら家路をいそいだ。


 ー???ー


(誰かに見られていた気配がしたのだけど誰だったのかしら。)

 ー♪♪♪

 ガチャ


「何かしら?」

「お嬢様昨日の毒の調査結果がでました。」

「どうだった?」

「ハイ。あの毒はどうやら腐食系の毒のようですね。昨日のは少量だったためあの場に残っていたようです。」

「なるほど。協会にも毒使いは居た気がするんだけどその者の仕業?」

「いえ。協会に問い合わせましたが腐食系の毒のは使わないそうです。さらに、この毒を調べたところ術式系ではなく妖怪などが作る毒と性質が同じだそうです。」

「てことは妖怪の線もあると?」

「いえ。現場に足跡や人影を見たということ目撃情報もあるので人の可能性がたかいです。」

「そう。なら宿しや式神使いの可能性が高いわね。」

「はい。」

「わかったわありがと。『ーピ』なるほど特殊系の力の使い手ね。こちらに引き込めればでかいわね。」


 そう呟きながら思わずドキッとするような笑みを浮かべた。




 コワッ!

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