第4話詳しい話


 次の日になっても結局ヤツからのアクションが何もなくヤキモキしていた月兎だったが夜になったので寝ていると頭の中でヤツが話しかけてきた。


『おい聞こえてるか?』

(…あぁ最悪なことに聞こえてるよ。)

『うむ。ならば詳しい話をするぞ。』

(昨日の妖力とか生命力とかのやつか?)

『そうだ。我は今存在が消えかけているんだ。』

(蠱毒のせいでか?)

『あぁ。しかも我は長い間封じ込められていたからな力の消耗が激しいのだよ。』

(それを回復させるために妖力や生命力が必要なのか?)

『そうだ。それにおまえにも良いことがあるぞ。』

(良いことってなんだよ。)


 今までの話からデメリットしか感じなかったため不思議に思いながら聞くと。


『うむ。我が集めた妖力を二割お主に生命力に変換して渡そう。そうすればお主は妖力を集める限りうまく行けば不老長寿となる。』

(まじかよ!?でも何で不老不死じゃなくて不老長寿なんだ?)

『それは流石に病に掛かると死ぬからな。』

(そうなんだ。でもそれって誰かにばれたらヤバくないか?)

『いや。この時代にも陰陽師のような存在がいるのであればありふれたものだろう。』

(いや、今の時代陰陽師は聞かないな。)

『そうか。なら姿を消しているのかもな。昔から力を持ったものは持たざるもの達から疎まれるものだからな。』

(へ~。なんかロマンある話だな。)

『だが姿を隠しているならばお主は邪魔になって消されるかもしれないな。』

(え!?じゃあどうすれば良いの!)


 そう焦りながら聞くと。『ばれなければ良い。』の一点張り。結局月兎が折れて陰陽師には隠れて活動することにした。


(で?前言ってた妖力と生命力を集めるための力って何があるの?)

『今は我も力がないから出きることは少ないが我が憑いてる方の腕があるだろ?』

(左腕のこと?)

『あぁ。その腕から毒が出せるな。』

(毒って危なくないの?)

『お主には効かんから大丈夫だ。』

(そうなんだ。)

『だがコツがいるから訓練が必要だがな。あと一つやらなければいけなのいことがある。』

(やらなきゃいけないことって?)

『名付けだ我に名前を付けよ。』


 何か怖いことを言われるのかと戦々恐々としていたが肩透かしをもらった。

(名付け?そんなのいるか?)

『アホが。古代より名付けとはとても重要なものなのだぞ!』

(うるさっ!分かったよ。名前考えるよ。)

『うむ。しっかりとした名前にしてくれよ。』


 ヘビ太郎という名前を出そうとしたが先手を出されたので真剣に名前を考える。


(…じゃあ破月【はづき】とかどうだ?)

『なぜその名にした?』

(いや、俺が月兎って名前だから俺に関係するってことで月を使いたくてそこに邪を祓うってことで破壊の破を合わせて破月。)

『なるほど…いいだろう!今日から我は破月だ!よろしく頼むぞ!』

(なんか不安だけどとりあえずよろしく。)


 こんなにもどんどん話が進んでいることに不安に感じていると破月が気になることを言い出した。


『では早速力の使い方を教えよう。』

(力の使い方?)

『そうだいきなり力が使えるわけがないからな』

(そりゃあそうだな。なんか修行とかするのか?)


 と恐る恐る聞くと。


『いや今回の場合我が消えかけていてそんな気長に修行する時間はないからな。少し無理矢理ではあるが我がお主の身体に力を充満させて身体をなれさせる。そうすれば最低限の戦闘は出来るようになるだろう。』

(無理矢理ってもしかして痛い?)

『痛い。』

(最悪だ!もっと穏便な方法ってない?)

『あるにはが時間がかかるから無しだな。ということで早速いくぞ。』

(え。ちょっとまってまだ心の準備とかあるから!聞いてるか?なんか身体が痛くなってきたぞ。おい!アーーーーー!)


 急に身体が全身が痛くなり破月に対して今度話す時にボロクソ言ってやると決意しながらだんだんと意識がなくなっていく月兎であった。

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