第二十一章 間違いない
◆ 大場 美紀 ◆
「今日、黒速は休みだ」
今日の朝、伊勢盆から告げられた。昨日、帰りが遅い次射を心配した瑠奈さんに頼まれてあたりを探していたら倒れていた次射を見つけた。傷を見た感じ、誰かと戦ったようだった。そしてそのまま次射は意識を失ったので家で安静にさせている。
「なぁ、次射に何かあったのか?」
すると遅延と小鮒さんが私のところにやってきた。私なら何か知っていると思ったのだろう。
「そうか、あの黒速と互角に戦ったやつがいるのか」
隠しても仕方がないので私は二人にはすべて話すことにした。
「うん、次射は仮面の男にやられたと言っていたけど・・・」
「仮面の男?」
「なんでも第3の目がついていてそれが青く光ると魔法が封じられるんだって」
「第3の目・・・・・・!!」
「月広君、何か知ってるの?」
「第3の目がついている仮面は一つしかないからね」
すると遅延はタブレットを取り出し、ある画像を出した。そこには第3の目がついている不気味な仮面が最近、オークションで落札されたというものだった。
「これって・・・」
「オークションに売られていたいわくつきの仮面が匿名で落札されたというものだ。ちなみに誰が落札したのかは書かれていないんだ」
「いわくつきって・・・」
「つけたら呪われるっていう噂の仮面だ」
呪われる・・・・・・ってちょっとまって!?
「それ、つけたら呪われるだけなんでしょ?これだったら何かまずいことがあるの?」
「それが・・・・・・」
そういい、タブレットを見せる。そこには仮面の男に襲われた人たちが載っていた。
————
————
今まで仮面の男に襲われた人たちは全員呪われて死亡している。しかも全員大会優勝者の実力者だ。
「これを見た感じ、次射もまずいかもしれない」
「そんな!!」
まさかの結果に私は息をのむ。
「とにかく放課後、黒速のところに行こう。まだこの仮面の男だと決まったわけじゃないしね。もしかしたら別の仮面っていう可能性だってある」
そして放課後になるまで私たちはソワソワしながら過ごしていた。
「・・・この仮面で間違いない」
次射の口から聞きたくない言葉が聞こえる。
私たちは放課後、すぐに次射の家に向かった。次射はもう起きていて結構のんきだった。遅延が「君が襲われた仮面の男はこんな仮面をつけてたか?」と質問するとまさかの答えがでた。
「え、本当に?」
「あぁ、暗くてよく見えなかったが同じ形状をした第3の目・・・・・・間違いない」
「呪われてる可能性もあるね」
「呪いを解く方法はあるの?」
「見た感じ、なさそうだね。おそらく通常の呪いより強いはずだ」
こうなると次射が死んでしまうのは避けられない。ということで次射に仮の別れを告げることにした。うん、シンプルに実は好きだったとでも言っておこう。うん、そうしよう。と思ったら・・・・・・
ドンドンドンドンッ!!
扉のノック音が聞こえた。しかも結構力強い。そしてガチャッと扉が開く音・・・
「えっ!?なんで!?カギは閉まってるのに!」
「もしかして、侵入者!?戦闘態勢に入れ!!」
私たちは戦闘態勢に入った。ギシッ・・・・・・ギシッ・・・・・・と階段を上る音がする。部屋のドアがガチャリと開き、そこには・・・・・・!!
「チッ、ガキどもがいたか!」
普通に不審者が来た!!いやこういうのって家族とか友達なんじゃないの!?
「まぁガキだけなら特に問題ないな!お前達には眠っててもらうぜ!!」
そういい不審者が魔法をかけた。おそらく属性は’睡眠’だろう。だがそんなものが私たちにあたるはずもなく・・・
魔法を回避した後、不審者の懐に入り込みパンチを浴びせた。そのまま不審者は倒れ、その後警察に引き渡した。
マジで何のために次射の家に来たんだろう・・・
そう不思議に思っていた。
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