第二十章 だれじゃ!?
数週間経った今日。突然言われた。
「一週間後には文化祭だ。何をするかは各自で決めろとのことだ」
マジで突然じゃのう。そういうのって一か月後とかに言うもんじゃないのか?まぁよい。
文化祭って何をやっていたっけか?劇とか店出したりするんじゃったか?まぁこの世界はちょっと常識が違うようじゃからそこらへんも違うのかのう。
「やっぱりバンドやろうぜ!!」
「いや、ここはお化け屋敷でも・・・」
ふぅむ・・・バンドか。やったことはないがちょっと興味がある。お化け屋敷は絶対に嫌じゃ。シュミレーションとか言ってお化け屋敷の中に入りたくない。
「おい、黒速!バンドやろうぜ!!」
そう言ってきたのは同じクラスの倉橋と並ぶ陽キャ、禾本 和樹(のぎもと かずき)じゃった。禾本はわしらBクラスの中ではトップに近い魔法力を誇る。奴の属性は炎じゃ。
「まぁいいが・・・」
「よっしゃー、遅延!お前もやろうぜ!!」
「・・・・・・いいけど」
「じゃ、この3人な!!」
「さっそく作戦会議だ!」といいながら教室の隅で謎の会議が始まった。
「楽器は弾けるか?」
「全然」
「無理」
「おぉ、壊滅的だな」
「こんなんで行けるのか?」
「安心しろ!俺は一応、ギター、ベース、ドラムを同時にすることができるのだ!!」
おお、よくやるな3楽器同時に。
「まぁドラムくらいは僕がやるよ」
「おぉサンキュー遅延!」
「じゃあわしは何をすればいい?」
「う~ん、ボーカルしろ」
「ぼーかる?」
「もう、知らなすぎだろ!歌を歌うんだよ!!」
「わしにしろと?」
「そうだ!」
禾本からとてつもない圧を感じる。断れそうにないな。
わしはそれを渋々承諾した。それから歌うための声づくりを始めた。そのためにまずカラオケに行ってわしの歌を聞いてみるそうじゃ。それからいくつか歌った後、禾本が口を開いた。
「最高の歌だ」
「そうか?」
わしは前世でも少しだけカラオケに行ったことはある。点数は86点ほどじゃったが。
ちなみに今回の点数は93点じゃ。
「この声をもっと改良しよう!!次射!明日もカラオケ行くからな!!」
「わかった」
明日もカラオケに行く約束をしてわしらはカラオケを出た。すると入口に見たことある二人が並んでいる。一人は小鮒さん。もう一人は美紀じゃった。
「あっ三人とも!今帰るの?」
「ああ、1時間ほどこもったしな」
「そういえば3人もバンドやるんだよね?」
「ああ、そのつもりじゃ。ん?3人も?」
「うん、私たちも2人でバンドやろうって話になって」
「そっか、がんばれよ」
「うん!」
「じゃあね~」と手を振りながら2人はカラオケの中に入っていった。
美紀たちと別れたあと、そのまま解散し、わしは一度ボーイスカウトのメンバーたちに会いに行った。北区14団は相変わらずのほほんとしている。ちょっと顔を見せて話をした。北西がお菓子をもらったりしたが、「お菓子はあまり好きじゃないんじゃ」と一蹴した。
「んでどうしたんだ?確かにたまには来てくれとは言ったが1週間の頻度で来られちゃあな」
「まずいか?」
「いやそんなことはない。ただ、ちょっと申し訳なくなるなって」
「じゃあ頻度減らそうかのう」
「ねぇお兄ちゃん、魔法教えて!」
「ん?しゃあないのう」
ボーイスカウトの子供たちに少し魔法の基礎を教えた。わしの魔法が特殊で教えるのに少し時間がかかってしまったが問題ないじゃろう。
「んじゃあな」
1時間ほどしてボーイスカウトを後にした。そのまま家に帰ろうと思っていたのじゃが・・・
———そういえばそろそろ・・・・・・
その時、左手側から炎の魔法が放たれる!!間一髪で避け、放たれた方を見る。
「だれじゃ!?」
———暗くてよく見えないが身長は180㎝くらいじゃろうか・・・それと・・・・・・
もう一度奴の顔をよく見る。奴の顔には不気味な仮面がついていた。黒くて歯をむき出しにしている・・・ちょっと説明がむずいなこれ。
だが一番気になるのは仮面についている第3の目だ。第3の目は時々青い輝きを放っている。じゃがこいつにかまっている暇はない。
わしは一度逃げようと思い、襲雷を発動。だが、いつまでたっても襲雷が発動しない。襲雷だけではない、黒雷も発動できなくなっている。
つまりあの第3の目は見る人間の魔法を封じる効果がある!!
するといきなり仮面の男が襲ってきた。持ち前のスピードでなんとかかわすが、魔法が使えない以上素手で戦わないといけない。ほぼ詰みである。
何発か打撃を加えるが大して効果がないようじゃ。これでもわし、攻撃力862あるん
じゃが・・・・・・
そうこう考えている間に仮面の男が攻撃を仕掛けてきた。よけきれず少しかすってしまった。
「次射~!」
どこかから美紀の声が聞こえる。すると仮面の男はすぐに草むらの中に消えていった。
「まったくどこ行ってたのよ!心配して・・・・・・ってどうしたの!?」
美紀はわしの状態を察したのか。すぐに駆け寄ってきた。
わしはその安心感から眠りについてしまった。
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